第6話
「昨日のあの人達、もうついてるのかな〜?礼に人をよこすって言ってたけど、名前聞いただけでなんとかなる程小さな街じゃないよね。まぁ、なんとか出来る人達って事なんだろうけど」
「ワン」
別にそんなのどうでもいいよって顔をして答えるバニラ。
「とりあえず早く街に行ってみたいし、手紙も預かってらからペース早めに行こうか」
「ワン」
街道を進むハルキ達。朝日と共に出発して一時間程。
「おー、見えたね〜」
広がる草原の先に大きな城壁が見えてきた。その外にも馬車や人々が行き交うのが見える。
ここからはあまりペースを上げすぎない方が良さそうだ。普通の人から見たら猛ダッシュで近づく怪しい奴になってしまう、とハルキはペースを落とす。
城壁に近づくと人が列になっている場所があり、先の方から
「住民登録、各種ギルドカードのない方はこちらへ並んでくださーい!」
と若い女性の大きな声が聞こえる。
しばらく並んでハルキ達の番が来た。板に紙を挟んだ女性の前に立つ。
「はい、お待ちどうさま〜お兄さん初めてかな?この街には何しに来たの?」
「田舎から冒険者になりたくて出てきました」
「へー、田舎ってどこかな?村の名前は?」
「南に七日位歩いた名前も無いような山の中の小さな村です」
「ここより南に七日?そんな所にも村あるんだ〜。まずは名前は?ハルキ君ね。滞在目的は冒険者登録と活動として、そっちの狼とスライムはあなたの従魔かな?はーい、従魔が狼とスライム、と。初めての人は通行料一万ジェニーで従魔が一頭千ジェニーで合わせて一万二千ジェニーだけどいける?」
「あっはい大丈夫です」
「田舎から出てきた人は結構持ってない人いるんだよね〜、その辺で持ち物売ったりしてなんとかするとかさ〜」
「そんなもんなんですね〜」
「そうなんだよね〜、はい、これが仮住民カードね、無くすと毎回一万払わなきゃだから気をつけてね。それにしてもハルキ君男前だね〜、しばらくこの街にいるんでしょ、どっかで会ったら飲みに行こうよ〜」
「あー、良いですね〜。その次の偶然に賭ける感じ。ぜひ行きましょう、綺麗な人大好きなんで会えるの楽しみにしてますね」
「もー、ハルキ君って田舎者の割に女の子の扱い上手いね〜、楽しみだけど気をつけなきゃ。それじゃ、この地図初めての人用のあげるからね。今ここで、この道がこれ、そしてこれが冒険者ギルドだからね。サノの街、楽しんでね。行ってらっしゃーい」
「はーい、ありがとう〜」
キョロ充ハルキ、流石にキョロがついても充である。
見た目は10代でも中身はアラフィフのハルキにとってはハタチ前後のこの世界の女の子など、スレ倒した元の世界の夜の蝶に比べたら芋虫並の純朴さである。
結構綺麗な人とか可愛い人とか多いな〜と思いながら街を歩くハルキ。とっとといくよ〜って顔のバニラ。
ハルキの肩で気持ち良さそうに揺れるライム。
しばらく歩いて地図の場所に辿り着き、結構立派な冒険者ギルドの門をくぐるのであった。




