第1話
「よし、じゃあ出発するから残ったみんな留守をよろしくね〜〜」
ハルキはバニラとライムを連れて家を出た。
残されたスライムはしばらくの間見送り、それぞれの任された仕事に戻って行った。
残された地図にある村の方向へ自分達で作った獣道をサクサク進む一行。
予定ではそこまで4日程、更に3日で大きめの街に着くはずだ。
バニラを先頭に半日程進むと今まで来た所で一番村に近い場所までたどり着いた。
この森をここより先に行くのは初めてのことだ。
ハルキは知らない街に行くのが好きで、ある意味そのせいでこちらの世界に飛ばされたのかもしれない。だがそれ以上に一年振りに人間と会う事が楽しみで、いつの間にかペースはどんどん上がっていた。
日が暮れ出した頃に大きな木が何本か倒れ、普通ならかなり迂回しなくてはならない様な場所に着いた。
ハルキ達一行にとってはすぐに越えられる様な場所だったが、夜の森はどうしても安全とは言えない。
回りの安全を確認してからその場所で野営する事にした。
テントの準備をしている間にバニラとライムが鳥を一羽捕まえてきたので、その日の夕食にする。
「見張りどうする?」
食事が終わった後、ハルキはバニラに問いかける。
「ワンッ」
と返事をしてハルキを引っ張りテントに連れて行くバニラ。
入り口側に自分とライムがいるから問題ないとでも言わんばかりにそのまま眠る仕草をみせた。
バニラに従ってそのまま眠りにつくハルキ。余裕の表情でくっついて眠るバニラとライム。
明るくなるまで特に何事もなく次の朝を迎えた。
日が登り野営の片付けて、保存食で簡単な朝食を済ませた一行は、倒れた大木を乗り越えて先へ進んだ。
しばらくすると森が少しずつ開けて来て、ついに道らしき所にたどり着いた。
後は道なりに行けば三日程で村が見えてくるはずだ。
少し小走りになりそうな気持ちを抑えて進む一行。日が沈む前に道沿いに現れたのはかつての村の跡だった。




