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ころしと焼肉

完結保証! 完結保証!

(この話を上げる段階で物語を書き終わったので無視して下さい。テンションが上がっているだけです)

「お前さ、何だかんだ連日食事しているけど、お腹の方は満たされてんの?」


「毎日食事ができて幸せだよ。今はそうだな……結構満たされている。今なら火炎放射器で何度か丸焼きにされてもすぐ再生できそうだ」


「そ、そうか。すごいな」


 俺と千賀は車でそんな話をしながら職場に向かっていた。

 か、火炎放射器……。


「お前は一体何と戦っていたんだよ」


「聞いた訳ではないから仮説だが、戦場では死体漁りをして生きる同族もいるのだろう。死にかけた兵士を同族として育てる親もいるらしい。腕試しだったのかは分からないが、俺は自分の弱さを痛感した」


「そうか」


「まず、死体に混じった同族は嗅ぎ分けられねば死ぬ。寝ている時に不意打ちされれば死ぬ。遠くから射撃されて死ぬ。流水に抵抗できなくても死ぬ。一瞬でも情けをかければこちらが死ぬ」


「分かった、死ぬ話はやめよう」


 俺は千賀がそんな目に遭っていることを想像したくなくて話を遮った。


「だが、一番恐ろしかったのは、殺し合いを楽しんでいる自分がいたことだった。なぁ、山村。私は一体何になってしまったのだろうか」


 確かにこいつ、殺しとか暴力とか楽しんでいる節があるからな。

 穏やかな星ですら千賀には容易く暴力を振るっていたのだから、普通にそういう種族なんだろ、多分。


「知らねっす」


 だが、俺はそんな憶測を話してやるつもりはない。それは、自分で気づいて何とかしていくことだからな。


「えぇー……」


「自分が何を為すどんな者なのかは自分で定義しろ。この社会で生きていくなら、この社会に見合った形に欲求を落とし込んで、な」


「見合った形……」


「例えば、人間を殺し回っていたら、星の言うようにお前が人間社会の敵になって駆除されるだろ。それは人間が対象だからだ。星は言ってたぞ。狩猟と釣りを楽しんでいるってな」


「そうなのか」


「お前のよく分からん欲は、お前自身が名前をつけて管理しろ。俺はできる限りでその手伝いをしてやるからさ」


「……そうか、そうだな。ありがとう、山村」


「いいぞ、俺の大事な千賀」


 車はもうすぐ、職場の入り口に着く。

 教授との再会も、俺たちのスタートラインになるのだろうか。


「おはようございます、お二人とも」


「「おはようございます、海堂さん」」


「あっ」


 海堂女史の挨拶に、二人で同時に返してしまって、少し恥ずかしくなった。


「息ぴったりですね」


「お恥ずかしいです」


 これは千賀の言だ。

 千賀もそう思っていたと思うと、何だか少し照れる。


「今日は昨日回収してきたデータの確認をしますね」


 俺は照れ隠しに今日の仕事を千賀に伝えた。

 千賀が「分かった」と言うと、始業のチャイムが鳴った。


 そのまま(つつが)無く仕事は終わり、時刻は夜七時。

 俺はいつぞやの焼肉店に来ていた。


「千賀はこれ食えんのか」


 千賀は俺が注文したレバーの匂いを注意深く嗅ぎ、「一応は食べれそうだ」と言う。


「俺、もう一皿頼むから食べていいよ」


「俺は山村と同じものを食べたい。それに、レバーは嫌いではなかったのか?」


「お前がせっせと食べさせてくるから慣れたんだよ」


 俺は千賀と一緒に肉を焼きながら、他愛のない、適当なお喋りをする。

 ふと、このような時間が一番幸せなのではないか、と思った。


「千賀」


「何だ?」


「お前、今幸せか?」


 俺はそれを聞いてから、唐突な質問だったかなと感じたが、聞いてしまったものは仕方がない。


「分からない」


 千賀はすぐにそう答えた。


「どうしてだ?」


 俺がすかさず聞くと、千賀は「うーん」と悩んだ末にこう答えた。


「腹はある程度満たされている。仕事も順調で、金銭的な不自由はあまりない。日中動くのは大変だが、隣には山村がいる。帰っても山村がいるし、大体ずっと隣にいる」


「そうだな。それで、お前の気持ちはどうなんだ」


「山村は、俺に様々なものをくれる。血もそうだが、身体の温もり、そんなものだけではなくて、肝心なことは言わないが教えてくれる。俺が欲しいものをくれる。それがいつも、俺には抱えきれなくて、しかし、その重さが、自分であると気づくことができるんだ」


「もっと簡潔に」


「山村、いつもありがとう」


 千賀はそう言って俺の口に焼けた肉を突っ込もうとしたので、「タレ、ここ」と肉を誘導して皿に置かせた。


「熱々の肉口に入れたら火傷するわ」


「そうか、そうだよな。ははは」


 千賀は何がおかしいのか笑い出した。

 俺は「お前がちゃんとしないからだよ」と言いながら、奢りの焼肉を堪能した。


「予約した千賀です」


「お連れの方は先にいらっしゃっています」


 この店に来るのは三度目だが、相変わらず込み入ったところにある上に薄暗い。

 千賀は全然気にしていなさそうなので、こういう奴らのためにある店なのだろう。

 千賀は「お代です」と諭吉を何人か出していた。

 そんなに高いのか!

あー、ちなみに、血液の原価は2,3000と聞いたことがあります(うろ覚え)。

きっと手に入りづらいとか新鮮とかそこらへんで超値上がりしておる。

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