【アフターストーリー】私たちのシェルター Part1
★主な登場人物★
・ベル (本名 綺咲凛音)
現代人。鈍感な本の書き手/164cm
・来栖恭介
未来人。爽やかな医者/177cm
・百目鬼弓月
未来人。真面目な護衛兼リーダー/185cm
・七彩七海
未来人。チート級つよつよギャルの護衛/155cm
・服部半蔵
過去人。純粋な心の忍者。護衛/172cm
、若王子王子
未来人。七海の兄。自称天才・実際天才/167cm
・黒羽フリル
未来人。洪水のように泣く。皆のサポート役/158cm
・沖田総司 ※この作品では女性※
過去人。真面目な剣の達人。護衛兼サポート/172cm
私は寝てたし、シェルターといってもすごい豪邸だから、元気になった今、キョウが改めて案内してくれることになったの!
手を繋いで門に来たよ。仲良しなの。えへへっ
「すげぇ歩くけど大丈夫か?」
「え、ネズミさんランド並?」
もしかして私のわからない地下施設とかがあるのかも⁈
「いや、そこまでではないぞ?」
私はキョウに手を差し出すと、うやうやしく「さあどうぞお姫様」なんて言ったから恥ずかしくなる。
キョウみたいに顔が赤いのを、両手で隠してみた。
「なんだ、照れたのか? お姫様」
「照れてときめいてドキドキしちゃいました! も〜はじまらないから私をドキドキさせるの禁止!」
私はバッテンを作ってキョウから距離を取ると、手を繋がれた。きゃああっ! キョウが前より大胆になった! 嬉しいのと恥ずかしいのと、半分ずつの気持ち!
――ん? キョウの手ってこんなにふにふにだったっけ? しかもちいちゃい。
「じゃあウチがベルっちとキョウ兄の手を繋ぐっス!」
ナナが私とキョウの間に居た! いつのまに来たの? あっスーツの上脱いでる〜! あえての男性用ネクタイかわいいっ! ピンクの豹柄だけどね。
「おい、ナナ! いつからいたんだ⁈ それと邪魔すんな!」
キョウは私との邪魔をされていつもナナと喧嘩してる。私のために争わないでほしいな……。なんちゃって。
ナナはドヤ顔で説明を始めた。説明するんだ?
「ここは門っス。シェルターはでっかい土地の真ん中にあるっス! 裏門もあるっスよ! 銃撃戦を想定して真ん中に建ててあるんス!」
超本格的にしてくれた! えらーいっ! 拍手、は手を繋いでるから出来なかった……。
「俺が説明するし俺がベルと手を繋ぐ! お前はユヅ先輩といろっ」
「だってパイセン忙しそうなんスもん……」
ナナの猫耳としっぽが、ほにゃん……と垂れてる。ううう、かわいそうだけどなんて愛らしいのうううう!
……たまに猫耳が出てくるのは未来人だからなのかな? じゃーなーくーてっ!
「ねえナナ、静かにしてるから一緒に居ていい? って言ってユヅさんにお願いしてみたら?」
私が提案すると、繋いでいた手を離して両手でバンザイして答えた。
「ハイっス! ウチ、一緒にいるためならおりこうさんできるっス!」
きゃあかわいい! おりこうさんできるのえらいねえ!
私が感動しているのを見て、キョウは「俺もナナみたいにかわいがってくれたらいいのにな……」って言った。やばい、幻聴かもしれない。かわいがっていいの⁈
テンションがすっかり上がった私は――
かわいい大好きナナ最高って言いながら、だっことなでなで、頭ぽふぽふからほっぺぷにぷに、回りながらたかいたかいしてから、またいいこいいこして、ナナのサラサラツインテールをくるくるってして、最後に一緒に「「にゃんにゃん」」って猫ちゃんをして――『ナナのハッピーにこにこセット』を完璧にした!
思い切り手を振って「気をつけてね」って言って見送る。
ナナったら芝生の上をスキップして向かってる! 超かわいい! ついていきたい! あれ、後ろに有名なあの生き物がついてってる! 猫がバスになる有名なあのキャラクター、トロロだ! 白と青のコがいる! なんてこった!
ああっ違う、そうじゃなくて……。
私は一応ユヅさんにメッセを送る。
『ナナがどうしてもユヅさんといたいんだって。おりこうさんにするって言ってたから、少しだけ一緒にいてほしいな』
お返事はすぐに来た。
『了解。休憩ついでに甘やかしとく。ありがとう』
私はきゃーっ! って騒ぐと察したキョウが笑ってた。
「ナナとユヅさん推せる〜」
「庭を見終わったら、離れに行ってみるか。冷やかしに行こうぜ」
「あっすごく悪い顔してる。きょーすけくんダメですからね!」
話しながら歩いてると、色鮮やかなお花が見えて来た。
前の門の方には車が止まってるの。家の前には花壇があって、通るたびに見惚れちゃう。
裏には畑があるんだってー!
「花も綺麗だし、食べ物を育てることも大切だろ? 本来は当番制なんだが……今は服部さんが趣味で引き受けてくれてる。ほら、今もいるだろ?」
えっ? どこにいるかわからないよ?
私が探していると、キョウは上を見上げてた。
私も見上げてみると、服部さんが――飛んでた!
「ジャンプしてお水あげてるのー⁈」
ベル殿ー! キョウ殿ー! と呼ぶ声が聞こえる。
しゅたっと着地して目の前に来てくれた。
「高い所から見ると土の状態がよくわかるでござる。ドローンなるものもいらないでござるよ」
だって、服部さんがドローンみたいなものだもんね!
裏の畑も作物がよく育ってた。無農薬の新鮮なお野菜〜!
「ご近所さんに秘訣を教えてもらったでござる。それからはよく育ってくれたでござるよ。今日はトマトが実ったでござる」
トマト苦手同盟の私とキョウは、ぴたって止まってしまった。
「ワア、綺麗ナ赤ダネ」
「オ、大キク育ッタナ」
やばい。固まっちゃったよお!
服部さんはくすくす楽しそうに笑って畑作業に戻った。
あっ私たちをからかったなー? お茶目なんだからっ!
ってまた飛んでるし! たっかーい!
***
手を繋ぎながら「トマト……」「トマトなぁ……」ってぶつぶつ言いながら二人で歩いてると、小さなログハウスに到着した。三つ並んでるの。でも、全然住めるし快適な空間!
ここって一体、何坪あるんだろ……?
ナナとユヅさんは、シェルターでも寝泊まりするけど、土日は『離れ』で二人で過ごしてる。事実婚のご夫婦は、二人の時間を大切にして欲しい、っていうみんなからの提案なの。
私とキョウも用意してもらってるけど、二人で行くと意識してドキドキしちゃうから、私の執筆部屋みたいになってる。むむぅ。
「一応二人きりだし、いきなり訪問するのも悪いからな。ユヅ先輩に確認取ってみる」
「そうだね、だってもしナナと……」
「言うな、ベル! 想像するな! ……って返事早っ」
『ちょうどいい、二人に教えたいことがあるんだ』
「何を教えてくれるんだ?」
「とりあえず……行こっか? あ、お茶とかお菓子持ってく?」
「いや、多分逆に用意されちまうから手ぶらがいいな」
確かに! ユヅさんならかえって気を遣っちゃいそう!
ちゃあんとインターフォンがあるので鳴らしてみると、ナナが出て来てくれた。あっ、髪下ろしてる! 珍しい! 綺麗! 天使!
「いらっしゃいっス! パイセンが授業するって張り切ってるっスよ!」
授業……?
「良いから来い。恭介。全部覚えていけ。ベルもだ」
「はっはい! 先輩」
「うん、わかった!」
一部屋にベッドや台所があって、別室にシャワーがある感じだから、唐突に寝室へお邪魔しました! みたいになっててごめんなさいだ……。ナナのギャルグッズと、ユヅさんの仕事の書類や観葉植物がお部屋を分断するように二色に分かれてた。すごい空間……ってユヅさん横になってる⁈
「まず、恥ずかしさを捨てろ。ほら、来い恭介。横になれ」
「は? なんですか」
「パイセンの言うこと聞くっス!」
あああっ! ナナが華麗にキョウを背負い投げたー!
ベッドに横になってるユヅさんの横にボスっと落ちる。
「ナナ! なにす、」
抗議しようとした刹那。ユヅさんは、キョウの肩を押して仰向けに寝かせた。
「いいか、ここからは――」
「うわ、近い! 何するんですか!」
「お前らは進展が見えない……見てるこっちの身になってくれよ。ほら、手ほどきしてやる」
「い、いいですって。うわ、ななななに顎に手を当ててるんですか!」
「帰るな逃げるな現実から目を背けるな! ベルと愛を深めたくないのか! 恭介! お前は純粋すぎて知らなすぎる! ベル! 目を瞑るんじゃ――なんだ、開いているな」
キョウがユヅさんに押し倒されてるみたい!
いやらしくなくて、すごく絵になってる……!
「あの……そのままでお願いします」
私が写真を撮り始めると、二人から拒否の声がばしばし飛んできた。
「誤解が生まれるだろ! 僕はそんなつもりじゃ」
「ややややめろベル! 俺とユヅ先輩は誰得なんだ!」
「キョウ兄! ウチのユヅパイセンをとるなっス!」
ナナが「ふにゃぁあぁぁウチだけのユヅパイセンんんん」って泣き出しちゃったから、私は抱っこしてユヅさんにお渡しした。
「七海がすまない。これから『謝罪』をする」
――『謝罪』と聞いて、ナナに愛を送るんだ! とわかっちゃった私たちは、顔を真っ赤にしながら「お邪魔しました!」「失礼します!」と後にした。
うわ、うわ、色っぽかったなぁ……!
ユヅさんの周りに薔薇が咲いてた。すご。
『謝罪』何するの〜〜? 気になるけど見ちゃダメ!
***
どっと疲れたキョウを背負うようにして、今度は私たちのログハウスに移動した。お休みしようね、って私が連れてく。ついでにかわいがってみようかな? ふふっ楽しみ♪
私たちのログハウスは、うさぎのぬいぐるみがたくさん置いてあって、キョウの医療道具も一緒に置いてある。ほぼ私の部屋って感じ。でも好きな本は共通してるからここに置いてるの。
ベッドもあるけど、ダブルベッド。どちらかが徹夜の仕事が入った時に仮眠する時にしか使ってないの。むむ。
「そろそろ一緒にねーよーおーよー!」
「ダメだって……」
「押し倒しちゃうよ⁈」
「やっやめろベル! ったくユヅ先輩のやつ、変なこと教えやがって……あー、疲れた」
キョウはベッドに飛び込んで、しばらくしても起きないなって思ったら寝ちゃってたみたい。
いつもと違って力の抜けた寝顔は癒される。なんといってもキョウはイケメンだし。横に並んで添い寝ごっこしちゃお。
昨日、未来医局からの書類を朝までやってたみたいだから疲れてるはずなの。ほっぺとか触りたいけど起こしちゃうのはやだなあ。
よーし! 休ませてあげよっと。
私がスマホで「添い寝中! 私は起きてるけどねっ!」ってナナに送ったら、ユヅさんから『天使が昼寝中だ』ってお返事が来て、写真が送られて来た。
ナナの寝顔かわい〜っ! 『謝罪』は大成功だったんだね。
『恭介はいくじなしだからな。眠れそうならベルも寝てみたらどうだ?』
『キョウがまだ、って言ってるの。寝顔見ながら読書してるよ。あ、そうだ、お紅茶いる? 持ってくよ?』
『僕は七海で満腹だ。ありがとう』
きゃあーっっ!!! やばい、スマホ落とす!
ユヅさんは年が一つ違いだからかな。
なんとなく話しやすいし相談もお互いにするの。
『私も同じ。キョウの寝顔見てたらお腹いっぱいになれるよ! またね、こちらこそありがと!』
私はキョウを起こさないようにベッドから降りようとしたら、キョウに「ベル!」って呼ばれた。
「はっはい⁈ ベルです!」
「ぁ?……俺、寝てたのか……? うわ、その、変なことしなかったか?」
やだっキョウったら寝言で私の名前叫んでたの? きゃー! 嬉しい! 好き!
「え? してないよ? あ、あと私も何もしてないよ? 寝顔は撮ったけどね」
「ばっ……消せ消せ消せ」
「やだあ! やだやだ」
キョウは私の寝顔全削除してくれるの? って脅したらしゅん……って落ち込んじゃった。犬の耳が見えてきた。
私はめいっぱい頭を撫でてあげて、髪を整えてあげたらすっかり元気になった。嘘お⁈ キラキラしてるよ? 光放ってるよ!
「しぇ、シェルターの案内できそう? 疲れてるでしょ?」
「ベルの『なでなで』で回復した。行こう」
あっまた急にそーゆーことを言っちゃうんだから! 最近、私のほうがドキドキしちゃう。
「じゃあシェルターの中を改めて見るか? あんまり行かない部屋あるだろ。緊急時の為にも把握してほしい」
「わかった、行こっ!」
腕を組んだら、嬉しそうにしてくれた。タコになってるけど最近頑張って『照れ』と戦ってくれるんだ〜!
シェルターは広い。人数も多い。
大好きな人と大切な人がいる。
私たちの居場所、さいっこう!
完結しましたが、たまにこうして番外編を書いちゃいますね!
ナナのハッピーにこにこセットがお気に入りです〜




