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私たちは、あなたの輝かしい過去を一冊の本にし、夢を通してお見せします。  作者: 夢乃めちあ


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36/45

36話 メッセージ

★主な登場人物★


・ベル (本名 ???)

現代人。鈍感な本の書き手/164cm


・来栖恭介

未来人。爽やかな医者/177cm


・百目鬼弓月

未来人。真面目な護衛兼リーダー/185cm


・七彩七海

未来人。チート級つよつよギャルの護衛/155cm


・服部半蔵

過去人。純粋な心の忍者。護衛/172cm


、若王子王子

未来人。七海の兄。自称天才・実際天才/167cm

 服部さんの治療のためのスペースを確保できて、キョウは、「服部さん! 今治療をするからな!」と言うと服部さんは「ありがとうでござる。でも、ベル殿を……」って平気を装って言ってくれた。


「ごめんな、一瞬くれ」と服部さんに断ってから、私の方を向いてくれた。


「ベル、ごめんな……服部さん最優先だ。処置は後にさせてくれ。もしできるなら俺特製の痛み止めがあるから塗ってくれるか?」


 私はワンピースのボタンを外して、半分脱いで肩を確認した。見えにくいけど、庇ってもらったから幸いそんなに酷くない。


 でも痛い……服部さんはもっと痛いのに、こんなことで泣き言をいってられないんだからっ!


「痛みはあるけどそんなに深くないよ! 大丈夫!」


 キョウが安心した顔をして、一瞬こっちを見たけれど逸らした。服部さんに目線を向けたまま、「良かった。ナナ、ベルに薬塗ってやってくれ。あとタオルとか……かけてくれるか?」


「キョウ兄! はいっス!」


 ナナは、キョウのバッグから応急処置セットをすぐに持ってきてくれて、さらに、バスタオルをかけてくれた。


 しまった、今半裸だ! 普通に脱いじゃった! 忘れてた! みんな見ないようにしてくれてたんだあっごめんなさーいっ!


 男性陣が見ないようにしてる……。だからキョウも目を逸らしたんだ……。


 ナナは天使のように優しく消毒してくれた。


「ベルっち、よしよしっスよ。……ファイトっス」


 意外にも慣れた手つきで消毒してくれる。

 うぎゃーッ! 痛いけど我慢! 根性!


 ナナって、いざって時にすぐ動いて必要としてることをしてくれてる……。こーゆー訓練もしてきたんだろうなぁ。前に『しごでき』って言ってたの、本当なんだと実感する。


「ナナありがとう! ここ自分じゃやりにくくて」


「ベルっちのお手伝いできてウチは嬉しいっス! でも傷は悲しいっスよ……ハンゾーっちの治療が終わった後でキョウ兄にちゃんと診察してもらってほしいっス」


 二人でキョウを見ると、もう服部さんの傷を縫っていた。手際が良すぎる! そっか、倍速で治療をしてるんだ。疲れが出ないか心配だなぁ…。


 王子くんは――あれ? 服部さんのスマホを見ながらびっくりしてた。なになに気になる! あとで聞こう。


 服部さんは、みるみるうちに華麗に縫い終わっていて、出血もさっきより抑えられてた。

 包帯をくるくる巻かれながら、「次郎殿とメッセの交換をしてるでござるよ」と平気そうに答えた。


「じろうどの……? えっ! 総理か?」


 キョウがびっくりして包帯を巻く手を止めてしまった。でもまた真剣になって巻き始める。


「そうでござる。文字を打つ練習にもなるでござるから助かってるでござるよ」


 えー! 総理とメッセ交換してるのやば! 仲良さそうだったもんね〜! ……いやそれどころじゃなくて!


「依頼人との関わりは持ってはいけないんだがな……服部さんが断れなくてどうしても交換してしまったらしい。僕からも"本"や未来のことに関わることは一切話さないという条件で上から了承を得てる」


「ユヅ殿、申し訳ないでござる」


「あの総理ならしょうがないだろ、な? ユヅ先輩」


 断りきれない服部さんが目に浮かぶ! 


「ああ……。それより恭介。服部さんは大丈夫なのか?」


「しばらく無理は禁物です」

「拙者は大丈夫でござる」

「ハンゾーっち、顔をしかめてるっスよ。ウチとユヅパイセンに任せるっス!」


 本当に……傷痛そうだよ……。なんとかしてあげたい!


「王子くん! 服部さんの傷を治すのに時間を巻き戻しちゃダメ?」


 王子くんは悲しそうに目をつぶった。


「……残念だけどオススメできないよ。ベルちゃんの能力は完璧じゃない。今は怪我もしてるから、もしかしたら不安定になって、二人とも傷が大きくなるかもしれないし。――嫌な例えだけど、今のベルちゃんの能力はソシャゲのガチャに近いって感じだから」


 うわ、いまは星が一つのカードしか引ける気がしない。確か私の能力って、精神状態で左右されるって言ってたよね。


 今、超痛いし、私を守らなかったら服部さんは怪我してなかったって、自分を責めてるから、多分、能力を使わない方が良いんだ……。


「ごめんね半蔵くん。勝手にスマホ見ちゃって」


 キョウのお手伝いをしてた王子くんが謝る。


「返事が気になっていたでござるから、気にしないでほしいでござるよ。次郎殿が隣国から友人が来ているゆえ、是非、拙者の手裏剣捌きを見せてほしいという話が出てたでござるが、断ってしまったでござるよ……」


 隣国から友人⁈ いやそれもう外交じゃん!!


 一度ネット環境に繋ぐとその日のニュースをダウンロードしてくれるアプリを立ち上げる。でかでかと記事がトップページに書かれてた。


【ハッピーニュース! ダンス・マーチ大臣がプライベートジェットで総理のお孫さんのお見舞いに来た件について】


 うっっっそ! 総理って色んな国の人と仲良いけどそんなにフッ軽で大臣が来るの?


 王子くんが羨ましそうにキラキラとさせていて、耐えられなくなったのか服部さんの怪我をしてない肩に顔を乗っけた。距離ちっっか!


「えー行きなよ〜勿体無いよ〜」

「今は行けないでござるから……」

「ねえねえ、明日とかさぁ〜空いてないの? オレもついて行きたいの♪」

「それは王子殿の都合でござるな⁈」


 ユヅさんが王子くんからスマホを取って、服部さんに戻してあげた。


「王子くん、今はこの状況を打開しないといけないだろう。現実逃避されては困る」


 ユヅさんに真実を突きつけられた王子くんは「はい……すいませんでした」と謝ってた。


 あ、会いたいよね、大臣さんだもんね。王子くんは総理にも会ってないもんね。気持ちはわかるけどさぁ……。


「それにしても一秒で肩を貫くなんて何者だ?」


 キョウの疑問はもっともだ。また時間停止を解除したら、その人も戦いに加わってくる。恐ろしい脅威だ。


「ハンゾーっち。ベルっちを守って立派だったっス。師匠のウチは鼻が高いっス! でもハンゾーっちがやられるなんてマジで強いっスね?」


 あっ、ナナの鼻が高くなってる! にゃふんって言いながらどんどん高くなってる! アニメみたいだね!


「刺された瞬間に拙者も脇差で刺したでござるよ。そうして動きを止めたでござる。それゆえ脇差が刺さっている人物でござるな」


 一秒の間にそんなことがあったの⁈


 時が止まってるので、敵をよく観察できる。

 みんなで探すとすぐ見つかった。


 王子くんが「あーーーーっ!」って大声を出して指をさした。


「アニキ! 人を指さすのってダメなんスよ!」


「あの人っあの人っ! 沖田総司くんだ!」


「えーーーーーーーっ!」


 凛々しい歌劇団の男役みたいな人だなって思った。身長も高い! 長い髪はサイドテールをしてまとめていて、服部さんに刺されたから髪を揺らしながら後ずさってる。服はセーラー服に着物を羽織ってた。美人! えっ女子高生? JKなのかな! きゃーっ!


 服部さんは敵の刀にもかかわらず、唐草模様のハンカチ……いや、手ぬぐいで綺麗に血を拭き取っていた。


「確かにこの刀は、見覚えが……大和守安定でござるな。切れ味にも納得でござる」


「えっうそ、見たい見たい」


「こら、ベル! その前に手当てだ!」


 キョウに怒られちゃった。


「ごめんなさい、だって本物だもん」


 私と服部さんはキョウの前で隣同士で座って語りはじめる。


「ベル殿も『刀でとうっ!』をやってるでござるか?」

「やってるよ! でも私は一番ミュージカルが好きなの」

「成程でござる。拙者は見たことがないでござるよ」

「ストーリーも面白いよー? 殺陣も迫力あるし」

「拙者も見たいでござる!」


 キョウにこらこら、って言われちゃって私と服部さんのオタ語りは解散して、治療を受けることにした。


「ナナが綺麗に手当してくれたの」


「そうだな……血も止まってる。良かった! 縫うほどではないな。これを貼ろう。毎日消毒とガーゼ交換するからな」


「お、お願いします。そういえば、倍速でやってたね。申請なしでもできるんだ!」


「ああ。……って無意識だった! 俺、能力に目覚めたのかもしれないな。便利でいい。――それはまあいいか。今度未来で能力測定してくる」


 良くないよ! 掘り下げようよ!


「そうだ、ニキビが目立たないように軟膏の上から被せる良いパッチを貼ってやる。さっきできたんだ」


「あ、嬉しい……。いつのまに作ってたの? わっニキビ目立たなくなった!」


 コンパクトミラーを出して確認すると、見事にニキビが目立たなくなってた! てかわかりにくい! 私は、キョウの能力のことが吹っ飛んでしまった。


「お礼したいなぁ……。そうだ、疲れたでしょ? 私に何かできることないかなあ?」


「俺は医者だから当然だ。でも、正直に言うと確かに疲れてはいるかもな。というか、ベルこそくたくただろ?」


「くたくたでもできることはあるもん! ほーら、キョウおいで?」


「ベルっ……!」


 キョウを抱きしめようとした瞬間――甘い声が飛んできた。


「ベルっち〜! キョウ兄〜!」


 ナナがぱたぱた飛んできた。 羽生えてる! 輪っかもある! 天使だー! 捕まえちゃお。


 ナナをハグしたら、キョウもナナをハグしてた。


「およ? キョウ兄もウチにいいこいいこしてくれるんスか⁈」


「はあ? 今、俺、ベルと……ベルと……」


「なんスか! ウチのベルっちっス!」


 わ、わ、喧嘩になっちゃうー!


「きょ〜おっ! 後でいっぱいしよ? ね?」


 耳元でこそこそ言ったら、解決したけどまっかっか事件になっちゃった。あちゃー。でも、ナナに「ベルの治療さんきゅな。しゃーねーからご褒美やるよ」って言って、ナナの頭を撫でてた。


 ふふっ仲良しでいいね!


 私とキョウは、ナナのツインテールをくるくる指で遊びながら後ろを振り返ると、ユヅさん、王子くん、服部さんが会議をしてた。


 あーあ、これならナナが飽きるはずだ。


「ナナ。みんな何話してるんだ?」

「難しいことわかんないから来たっス」

「思考を放棄するなよ……地頭いいんだから使え」

「ウチは護衛とマスコット役っス。他になんかしたら疲れるっス」

「ほいほいっと。ほら、みんなのところ行くぞ」



 私たちは合流すると、王子くんと服部さんがわいわい話してた。


「沖田くんは欲しいよね」


「『刀でとうっ!』で有名でござる。是非仲間に欲しいでござる」


 二人とも興奮気味だった。


 キョウが「何話してるんだ?」と訊いて、その流れで私とナナも近くに座った。ナナは私のお膝に頭を乗せてごろごろにゃーってしてる。いつまでも居ていいよ!


 ユヅさんが助けを求めるようにキョウと私を見る。


「沖田総司の捕獲について二人が話し始めたところだ。だがな、恭介、ベル! 今はそれどころじゃないだろう⁈」


「やだ! 仲間にほしい! ね? ベルちゃん!」

「沖田さんいーなぁ。美形だしね! 私、友達になりたい!」

「実は女の子に生まれたけれど、剣士になるために性別を隠してたんだ。友達にバラしちゃダメだよ? ここだけの秘密! 歴史上は男性ってことになってるんだからね♪」

「うそー! だからあの服装なんだ! 逆に良い! 推せる!」

「よし、ベルが言うなら一旦捕獲して車に詰めるか!」

「ふざけんな恭介! お前まで馬鹿になったら僕はどうしたらいいんだ!」

「ユヅパイセン〜〜バナナ食べたいっス」

「僕は持ってないぞ!」

「ふぇぇ……何で持ってないんスかぁ」

「ああっナナおいでーっ! よしよししてあげる」

「ベルっち〜〜〜〜」


 纏まらないまま話し合って、やっと現状をどうするかまで辿り着いた。ふう。沖田さん捕獲は諦めることになって、敵対する時はナナが日本刀で相手をすることに決まった。


「一秒解除しただけでこんなに敵が来る。僕達はまだ狙われてるから、警察に匿ってもらおう」


「え? 現代の警察でいいの?」


「オレの予想だとここの署は未来人の上層部が多いの! だって、山神がいるくらいだからね♪」


 なるほど? でも守ってもらえるのかな?


「でも、警察は事件が起きないと動けない。だから――車を署の手前で停めて、時間を解除しよう。攻撃を受けたらすぐに助けを求める。それしかない」


「えー。無視されないっスか? この間見たアニメで警察は悪いヤツとグルだったっス」


「あのな、七海。アニメと一緒にするな。警察も面子があるしこのSNS社会だ。そんなことが露見したら世間から大ブーイングが起きるだろう」


「そもそも警察署のこんな近くだと敵は攻撃しないんじゃないか?」


 キョウの言ってることはもっともだ。敵が攻撃するなら警察の前でなんて――え、だったら……


「ねえっ! さっき警察署内で攻撃されたのはどーゆーこと⁈」


「敵の中には捕まってもいいヤツがいる。オレ達を消せれば良いっていう考えなんだよ……」


「こここ怖すぎるっス!」


「また僕達は瞬時に囲まれるのか?」


「そうかもしれないね。ユヅくん、試しに時間を飛ぼうとして見て。エラーの点があるでしょ。それがベルちゃんを示してる。エラーの点は逆に見つけやすいから、オレ達の所に飛ぶのはすぐってワケさ」


「うそ……だからあんなピンポイントにいっぱい人が来たんだ。こわい……私のせいでごめんね」


「大丈夫だよっ! 改めて戦闘力を測って、配置や装備を考えよう♪ 良いものがあるんだ〜っ!」


「良いものといえば、車にバナナがあるっス! 車に行きたいっスよ〜! ユーヅーパーイーセーンー!」


「ああ、そうか。七海、お前腹減ってたんだな。突然バナナって泣いても困るだろ? 理由を言え、理由をな」


 そうだ――能力を使ってステッキを支えてくれたからお腹が空いたんだ! それでバナナが食べたかったんだ。百本でも千本でも食べさせたい!


 ユヅさんがため息をつきながらポケットから何かを取り出した。あっ! いちごのパッケージだ!


「ほら、栄養補助食品だ。いちご味でいいか?」


「いちご……! ユヅパイセンあざっス! いただきますっス!」


 バナナを持ってないなんて理不尽なことで泣いちゃった、と思ったけど、疲れたりお腹が空いたりしてたんだね。お疲れ様、ナナ! 口を拭いてあげると「ありがとっス」とキラキラの笑顔で言ってくれて、私はスマホで激写した。ギャルピースしてくれた! ナナったらアイドル!


 キョウが辺りを見て、提案する。


「確かに、銃を持ってたりするヤツとか若返った山神がいたりして精神的に良くない空間ではあるよな。車に移動して休んだほうがいい」


 私と服部さん、ナナはそれぞれ移動前に沖田さんに手紙を書いた。


【沖田さんへ ファンです! 友達になってください! あと襲わないでください。私たちは戦いを望んでません。戦わないで平和にしませんか? "書き手"のベルより】


【沖田殿へ 先ほどは見事だったでござる。戦いをせず、過去人同士友達になれたら嬉しいでござる。服部半蔵。】


【おきたさん かたなはうちがあずかったっす。わたすからかかってこいっす。さいきょうのななせななみ】


 ナナは、にゃふんっ! とドヤって刀を持ち去った。


「ナナちゃん……漢字くらい使ったらどうなの?」


「伝われば良いんス」


「やだ、ナナかっこいい!」


「ベルちゃん! ナナちゃんを甘やかさないで!」


 私は、沖田さんにすいませんねぇと言ってセーラー服のスカートのポケットに手紙を入れた。時が止まってるから話せないけど、この感動を伝えたくて服部さんが手紙を提案してくれたの! かわいいからって便箋をカバンに入れてて良かった〜!


 車に乗ると、ナナはバナナ三房を取り出してばくばく食べてた。


「それではッ! 久しぶりに戦闘力測りまーす♪」


 王子くんはサングラスをかけた。サングラスで見えるの⁈


 若干、いやかなり既視感があるのは気のせいだろうか……。


「そこらへんのチンピラ1人を戦闘力1としまーす。武器使用可能設定でえす♪」


「久しぶりだ。俺、強くなったかな」

「拙者もわくわくでござる」

「当然毎日鍛錬してるから上がってるだろう」


 ちょ、男子! めっちゃうずうずしてる!


「ナナちゃん! 安定の1000! からの上がって1100!」


「当然っス!」


 つっっっっっよ! ナナやばーい!

 みんなが拍手する。ナナはにこにこになってた!


「ユヅくん! 450!」


 ユヅさんが「50しか上がってない……」と言って項垂れた。ユヅさーん! 強いよ?


「キョウくん! おっ60上がって約200に上がってる!」


「っしゃあ!」


 嬉しそう! ガッツポーズしてる〜〜〜良かったね!


「半蔵くん! 約700! 強い!」


「……精進あるのみでござる」


「ベルちゃん! 2! 普通の女の子じゃ無理だよ、すごいねー」


「やったあっ! チンピラ2人倒せるぞーっ」


 王子くんはサングラスを外してナナに渡した。


「ナナちゃん! ねぇナナちゃん! 次! オレ! オレみてー♪」


 ナナはものすごく嫌そうに、だるそうな態度でサングラスを渋々受け取ってかける。


「は? 何スかこれ。わかんないっス。ユヅパイセン〜!」


 貸してみろ、とナナからサングラスを外してかけると、ユヅさんは、「うっ」と声をあげた。


「言いたくないな……」

「ユヅくん言ってよ! 計画も戦いのうちなんだ!」

「えっと、その……マイナス3だ」


「わあああああああん負けてる! ものすごく負けてるようううううう」


 王子くんはものすごく凹んだ後、最強のプランを用意してくれた。


 前方はナナが切り開く。元々持っていた村正という刀と沖田さんからかっぱらった刀、そしてマシンガンを装備。


 服部さんは槍と手裏剣、煙玉諸々装備。


 ユヅさんは安定のライフルで後方支援を担当。


 キョウと王子くん、私は三人の真ん中にいて、私はステッキで戦う。これ、銃でも壊れないんだよ! 便利だね!


 キョウはレーザーポインター付き麻酔銃とナイフを装備! 麻酔銃は栄養剤も投与可能で、ある意味ヒーラーみたいな役目もある!


 王子くんは大きい盾を持って私とキョウを守る役! 重いよ〜って言ってたけど、ナナに気合いが足りないっス! って言われてから燃えてる!


 警察署前にいる人を、よっこらせとみんなである程度の位置まで運んだ。主にナナが百人くらい持ち上げて移動してくれた! 助かるー!

 巻き込んだら危ないし、申し訳ないですから……!


 ナナはまた能力を使ったからお腹が空いたみたい。今度は焼きそばパンを五個平らげてた。この車は冷蔵庫なのかもしれないね?



***



「――全員位置に着いたな?」


 ユヅさんが確認する。


「先頭おっけーっス!」

「ユヅ先輩! 中間、問題ないですよ!」

「後方から見ても大丈夫だ。ベル。僕がまたカウントする」


「はいっ!」


 五、四、三、二、一!


「お願いっ時間停止を解除してっ!」


 チクタクと鳴ると共に、またさっきの人たちが来た!


「やべぇサツだ! 逃げろー!」

「捕まりたくねぇよ! さっきは室内だったからバレずに済んだのになんでなんだよックソッ」


 あっやっぱり警察は頼りになる!


 パン! と乾いた音が四方八方から聞こえてる。全員が逃げたわけじゃない! 私はステッキで顔を覆う。


 いやーッ! 人数は減ったけど残ってる人いるぅ!


 その中で、一瞬で風を切るように走ってくる影があった。


 セーラー服に着物……!

 ――沖田さんだ!


「ななせななみは誰だッ!」



服部さんは歴史を学ぶことが好きで、歴史のゲームやアニメを嗜んでいます。

沖田さんとは面識はありませんが、「ちょ、有名人じゃん」という芸能人を見たノリで喜んでます。かわいいですね。

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