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28.旅の途中の障害

(くら)がりの街、(やいば)の影


夕暮れの空が鈍色(にびいろ)に染まり、オレンジ色の雲がゆっくりと暗闇に沈みゆく街の上を流れていく。

ソニアとザラビスは、犯罪多発地帯として知られる西地区へと続く狭い歩道を歩いていた。


ソニアは身を縮こまらせ、ジャケットを強く握りしめた。

「くそ…この地区、変な臭いがする…何かいるみたい。」


ザラビスは足を止め、その紅い瞳を細めた。静かだが、確かに危険な光を宿している。


「止まれ。気配がする。」


ソニアがゆっくりと振り返った瞬間、それは起きた。


廃車の陰から、一人の男が飛び出してきた。手には鋭いナイフが握られ、ソニアの首を狙っている。


ソニアはただ、

「え…?」

と呟くことしかできなかった。


その時だった。


ゴオオオオッ!!


黒い影が(ひらめ)いた。

ザラビスが隕石(いんせき)のような衝撃で男の頭を叩きつけたのだ。男の身体は吹き飛び、街灯に激突し、そのまま動かなくなった。


ソニアは唖然(あぜん)としていた。

「…あ、ありがとう。」


ザラビスは振り返らず、静かに言った。


「ソニア…準備はいいか?」


ザラビスの身体が黒い粒子となって崩れ始めた。無数の粒子は集まり、二本の長く伸びた線を描き、やがて結合し、


巨大な二本の(かま)となった。刃は長く、広く、まるで死神の翼のようだ。


鎌は生き物のように、ゆっくりとソニアの手に吸い込まれていく。


ソニアは思わず一歩後退(あとずさ)りした。

「な、何これ…(かま)!? 大きすぎ…でも…軽い?」


鎌はソニアの握りに呼応(こおう)するように、(かす)かに(ふる)えた。


ザラビス(頭の中の声):

「ソニア。よく聞け。

おれたちに向かって、20人の犯罪者が迫ってきている。

正面、左、そして屋上からだ。

全員、武装している。」


ソニアは鎌を強く握りしめた。

心臓は激しく鼓動しているが、その瞳は既に炎を宿していた。


「準備はできてる。」


「100%の準備で握れ。

…油断するな。」


戦闘開始


銃撃と鉄パイプ


パン!パン!パン!


最初の銃弾が放たれた。


ソニアは身体を(かが)め、ジグザグに走り抜ける。銃弾は紙一重で彼女の頬を(かす)めていった。


「左の頭!」

ザラビスがテレパシーで叫んだ。


ソニアは体を(ひね)り、鎌を振るい、男の手から銃を叩き落とした。


バキィ!!

ソニアの蹴りが男の(あご)を捉え、男は廃車の向こうへと吹き飛んだ。


別の二人の男が鉄パイプを振りかざして襲い掛かってくる。


ソニアは(ひざ)を折り、低く跳躍(ちょうやく)し、鎌の刃で男たちの足元を払った。


二人は体勢を崩し、倒れ込む。ソニアは鎌の(つか)で手早く二人をKOした。


屋上からの襲撃


「屋上だ。3人。」

ザラビスが(ささや)いた。


ソニアが見上げると、三つの影がナイフを振りかざし、飛び降りてくる。


ソニアは鎌を高速で回転させ、

キン!キン!キン!

全ての攻撃を同時に(はじ)き返した。


地面を()り、(わず)かに(ちゅう)()かび上がり、回転蹴(かいてんげり)を繰り出し、一人を叩き落とした。


男は転がり落ちていく。


ソニアの鎌は風車(ふうしゃ)のように回転し、残りの二人に叩きつけ、吹き飛ばした。


狙撃手(スナイパー)


ソニアは狭い路地(ろじ)へと走り込んだ。

銃声が途切(とぎ)れることなく(ひび)き渡る。


パン!パン!パン!パン!


身を低くし、(かべ)沿()って素早(すばや)移動(いどう)する。銃弾(じゅうだん)()(かえ)り、一部(いちぶ)(たて)のように回転(かいてん)させた(かま)によって(ふせ)がれた。


「いいぞ、ソニア。」

ザラビスが(ささや)いた。


三人の狙撃手(スナイパー)が車の(かげ)から姿(すがた)(あらわ)した。


ソニアは車のボンネットに飛び乗り、強く()()んだ。


ドォン!

彼女(かのじょ)はまるで隕石(いんせき)のように(かれ)らに()かって()()んだ。


ドガァン!!

(かま)最初(さいしょ)犯罪者(はんざいしゃ)(むね)()(くだ)いた。


彼女(かのじょ)着地(ちゃくち)すると、(かま)(つか)二人目(ふたりめ)犯罪者(はんざいしゃ)心臓(しんぞう)()()した。


三人目(さんにんめ)犯罪者(はんざいしゃ)()()そうとする。

ソニアは(はし)って()いかけ、(かま)地面(じめん)()きずった。


彼女(かのじょ)(おとこ)背中(せなか)()()たり、(かれ)(たお)した。


()げられると(おも)ったか?」


正確(せいかく)(かま)一振(ひとふ)りで、(おとこ)(たお)れた。


(のこ)り7(にん)襲撃者(しゅうげきしゃ)


(かれ)らは(くさり)小刀(しょうとう)、そして(じゅう)()って、()れをなしてやってきた。


ソニアは(しず)かに(いき)()()した。

「よし…()わらせよう。」


彼女(かのじょ)(ひざ)()げ、そして


ドォオオオム!!

アニメのキャラクターのような素早(すばや)いダッシュ。


彼女(かのじょ)(かま)一人(ひとり)(てき)()らえ、(からだ)回転(かいてん)させ、水平(すいへい)回転(かいてん)二人(ふたり)()ちのめした。


キン!キン!バキ!


一人(ひとり)犯罪者(はんざいしゃ)背後(はいご)から彼女(かのじょ)(なぐ)ろうとする。

ザラビスが警告(けいこく)した、「後ろ(うしろ)!」


ソニアは素早(すばや)()をかがめた。

打撃(だげき)(はず)れた。

そして彼女(かのじょ)(かま)(つか)攻撃者(こうげきしゃ)(あご)()()げた。


(のこ)りの三人(さんにん)同時(どうじ)攻撃(こうげき)しようとする。


ソニアは(かま)二度(にど)回転(かいてん)させた。

シン!シン!

そして(みじか)いジャンプをし、(つよ)打撃(だげき)正確(せいかく)(やいば)()りによって、一人(ひとり)ずつ(かれ)らを()ちのめした。


全員(ぜんいん)(たお)れた。


最後(さいご)犯罪者(はんざいしゃ)


最後(さいご)(おとこ)(ふる)え、背中(せなか)(かべ)()けていた。

()にしていたナイフは恐怖(きょうふ)()ちていた。


ソニアはゆっくりと(ちか)づいた。

(おお)きな(かま)()きずられ、(おとこ)をますます(あお)ざめさせるシュルルという(おと)()てた。


「ち、(ちか)づくな!そ、それはボスからの命令(めいれい)だ!(おれ)たちはただ…」


ソニアは(おとこ)(かお)(まえ)でぴたりと()まった。

彼女(かのじょ)()(こおり)のように(つめ)たい。


「お(まえ)たちがやったこと(すべ)ての(あと)で、(わたし)(だま)っていると(おも)ったのか?」


彼女(かのじょ)(かま)(かた)(たか)さまで()()げた。


「これは(わたし)復讐(ふくしゅう)だ…」


彼女(かのじょ)(うす)(わら)った。


「このスケベどもが。」


ドゴォオオオ!!

強烈(きょうれつ)一撃(いちげき)


そして最後(さいご)攻撃者(こうげきしゃ)(たお)れた。


ソニアは(うご)けなくなった20(にん)犯罪者(はんざいしゃ)()(なか)()っていた。

(いき)(あら)いが、その()(するど)い。


ザラビスは人間(にんげん)姿(すがた)(もど)り、彼女(かのじょ)(となり)(あらわ)れた。


「…すごいな、ソニア。」


ソニアは(あせ)(ぬぐ)った。

「ありがとう。」


先程(さきほど)(たたか)いの(けむり)がまだ(ただよ)っている。

ソニアは(いき)()()みながら()ち、(ほほ)(ほこり)(よご)れていた。


ザラビスは(ふたた)人型(ひとがた)姿(すがた)(あらわ)れ、(たお)れた犯罪者(はんざいしゃ)(やま)(うえ)気楽(きらく)(こし)()ろした。


「ふむ~お(まえ)もなかなかやるな。(ころ)んだり、()ちたりするかと(おも)ったが…まあ、ほとんどつまずいてたな。」


「ちょっと!(わたし)はそんなに(よわ)くないわよ!サタンのくせに」


最初(さいしょ)のダッシュの(とき)にほとんど(ころ)びかけたじゃないか。」


「それは(かま)がデカすぎるからでしょ!」


ザラビスは(わら)()した。

「アハハ!…でもお(まえ)には似合(にあ)ってるぞ…」


ソニアは(にら)みつけた。

「まるで市場(いちば)のおじさんみたいな()(かた)ね。」


ザラビスはさらに(わら)みを(ふか)めた。


(なに)()って()しいんだ?『うわー、すっごーい』って子供(こども)みたいにクルクル(まわ)りながら()えばいいのか?」


「まあ…(すこ)しなら…いいかも…」


(かれ)らは()つめ()った。

するとソニアは(ほほ)(あか)らめた。

ザラビスは(むね)(なか)(なに)か…奇妙(きみょう)なものを(かん)じた。


(「ガキめ…なぜ(おれ)は「ガキ」という概念(がいねん)反応(はんのう)しているんだ…」)


ザラビスは(あご)()()てた。


()かった…お(まえ)はさっきとてもクールだったぞ。満足(まんぞく)か?」


ソニアは微笑(ほほえ)み、()(すこ)(うる)ませた。

「ありがとう…サタン。」


(あま)瞬間(しゅんかん)

突然(とつぜん)、ブルゥウウウウウン!!


(おも)金属(きんぞく)(おと)地面(じめん)()ちつける。

(けむり)(りゅう)吐息(といき)のように()()した。


ザラビスとソニアは同時(どうじ)()(かえ)った。


路地(ろじ)(はし)から…

(だれ)かがゆっくりと(あゆ)いてくる。(なが)(くろ)(くさり)湾曲(わんきょく)した(かま)()って。


(たか)(からだ)には、ルーン文字(もじ)のタトゥーがびっしりと(はい)っている。

その殺気(さっき)()(きり)のように()い。


「それで…(おれ)の20(にん)(ねむ)らせたのは、お(まえ)らか?」


ソニアは(ふたた)びザラビスの(かま)(にぎ)りしめた。

ザラビスは彼女(かのじょ)(うし)ろに()ち、()をソニアの(かた)()いた。


()をつけろ。こいつは(ちが)う。」


(かん)じるわ…」


リーダーはソニアを(あたま)からつま(さき)まで()つめた。

小娘(こむすめ)。お(まえ)があいつらを虐殺(ぎゃくさつ)したのか?」


ソニアは(するど)()つめ(かえ)した。

「それが(なに)問題(もんだい)か?」


リーダーはニヤリと(わら)った。

(おれ)問題(もんだい)(ひと)つだけだ…

(まえ)二人(ふたり)今夜(こんや)()ぬ。」


突然(とつぜん)


ドォオオオッシュ!!

(なが)(くろ)(くさり)稲妻(いなずま)のように()んできた!


(ひだり)!!」


ソニアは()をかがめた。

(くさり)彼女(かのじょ)(かみ)(わず)か1センチ(かす)めていった。


リーダーは瞬間移動(しゅんかんいどう)したかのように、ソニアの目前(もくぜん)(あらわ)れた。

「ポジショニングが(わる)いな。」


キン!!

ザラビスの(かま)がリーダーの湾曲(わんきょく)した(かま)打撃(だげき)()()めた。


ソニアは2メートル(うし)ろに()()ばされた。


(はや)すぎる!」


()まるなソニア、(みぎ)

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