↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おれの彼女は、アイドルなのか?!  作者: とっぺん
⑧静蘭と闇闇ガールズ
74/80

⑧-4

飯村さんが、ひやああああ…と声にならない悲鳴を絞り出す。


「いやっ、今のは…ご、誤解なのであって!」


俺は飯村さんの方へ行ってとりなそうとするのだが、


「来ないで! まさか…持田くんがそんなロリコン趣味だなんて…」


飯村さんはその場にストンと崩れ落ちた。


「ち…違うんだよ! ただの兄妹のじゃれあいなんだ!」


「兄妹?」


俺は杏奈の顔を見てうなずく。杏奈は…哀しそうな目をしたのち、そっぽを向いた。


「そう…俺たちは兄妹なんだ…」


「え?」


飯村さんのメガネが驚きとともにずり下がる。


「再婚同士で血はつながらないんだけど…。だからそんな…恋愛関係とかじゃなくて」


言っていて、胸のどこかがチクチク痛む俺がいる。


なんだろう…言っててなんか辛くなってきたぞ。真実なのに…。


杏奈とは義理の兄妹…決して恋愛関係にはならないはずの関係。

それは…自明だ。

親父だって都さんだって望んでないはず。

俺だって…ももてぃんという彼女がいるわけで。


杏奈はただの俺の義理の妹…。ただの…放っておけない…可愛い妹なんだ…。


「ただこのことは内緒にしてほしいんだ。頼む、飯村さん」


俺はそう言って頭を下げる。


飯村さんはコクコクコク…と高速で頭を上下にふったのち…

「良かった…」そんな言葉が口からこぼれ落ちた。


「そんな可愛い子が彼女じゃなくて……ほっとした」

そういって、顔をカアっと即座に赤らめた。


なんでほっとするんだ?

俺は意味がわからなくて、頭をかしげる。

俺の彼女が可愛いとか飯村さんに何か関係あるのか?よくわからない。


「でもいるけどね、彼女」


背後から…不気味な声が聞こえる。


俺と飯村さんは声の主の方向へ振り向いた。


「にいに、彼女いるからね。しかもアイドル。しかも巨乳」


きょ、巨乳~だと!!


いらん!そんな情報はいらん!!


杏奈はくすっと意地悪そうに笑うと、ベッドへそのまま転がった。


「きょ、巨乳? ア、アイドル? …持田くん、それ本当?」


飯村さんは自分の胸に目をやり(まあ…そこそこのカップではあるが)

下を向いたまま…ぼそぼそぼそと…俺に尋ねる。


「う、うん…」


「……アイドル。そう…アイドルなんだ……」


飯村さんはそうつぶやいて、きびすを返してそのまま立ち去っていった。


「杏奈~!!」


俺は杏奈の寝ているベッドに行くが、「来ないで!」と叫ばれた。


「いま…来ないで」


心なしか泣いているような涙声だ。


「にいに…のこと……今から大嫌いになるから……だから来ないで」


「元から俺のことなんて嫌いだろ?」


「……」


杏奈は身動きひとつもせず、そのままベッドに横たわっている。


もしかして杏奈は俺のことが好きなのか…なんて夢を見てはいけないのだ。


杏奈は、あの「お兄ちゃん」に俺を重ね合わせてるだけで…。


俺は別個の人間で、杏奈が好きになれるような…顔も体格もしていない。

性格だって、ただの陰気くさい男。

こんな俺を好きになるはずなんてないのだ。


だから俺は、ももてぃんを本気で好きになることに決めたんだ。


杏奈に対する好きは「妹」への好き。


だからもう…杏奈への情は必要以上にかけない。


「杏奈、ほどほどに休んで、授業に出てこいよ」


俺はそう言うだけ言って、保健室を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。