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おれの彼女は、アイドルなのか?!  作者: とっぺん
④ももてぃんの秘密(闇闇ガールズ含む)
33/80

④-3

約束の1時間前に、待ち合わせの噴水広場についてしまったため、


そこが見下ろせるすぐ近くのカフェに入った。

窓に面したカウンター席に腰かける。


あたりは暗くなりはじめ、街灯がつき、カップルの待ち合わせもちらほら見るようになってきた。


その中に不安そうにたたずむ1人の女の子がいた。白いコートにブーツを履いて、スマホ片手に、あたりをきょろきょろ見回している。

彼を見つけて、走っていく彼女。とびつくなり、腕にすがりつくように組んで2人で歩いていく。


(ふふ…まるで犬みたいだな。りんたろう…いや、杏奈みたいな…)


ハッと俺は我に返る。なんでここで杏奈が出てくるんだ。

今考えるべきは、杏奈じゃないだろう。ももてぃんだ。

俺は、水浴びのときのりんたろうのように、ぶるぶるっと頭を振った。


時間をつぶすのに一応、参考書も持ってきたので、カバンから取り出そうと下を向いていたところ、


「持田くん?」

聞きなれた、マイスウィートエンジェル…

ももてぃんの声が耳に入ってきた。


(あれ、時間より早くないか?)


振り返ってみたところ、そこには変身前のももてぃんの姿があった。


「仕事が終わったから、早く来ちゃった」


ももてぃんは、隣の席に腰かけるとコートを脱いだ。


「今日は、イベント?」


「ううん……。そっちじゃなくて、OLの方の……」


照れたようにうつむくももてぃん。


これから、ももてぃんの秘密を少しずつ暴いていかなくてはならない。

(衝撃的事実が判明されるが、どうぞついてきて頂きたい!)


「もう…今のところで13年も働いているから、課長代理なんて役職もついちゃって」


「そう……なんだ」


「あ、やだ! 13年なんてひくよね……。持田くんは13年前は…」


「7歳で小学2年生だったかな」


「ヒッ!……だよね~」


ももてぃんは思い切り苦笑いをして、下を向いてしまった。


ももてぃんが俺との年齢差を気にして、前に踏み出せないのはわかってる。


でも……

「俺にとっては、17歳のアイドルのももてぃんと、33歳のリアルなももてぃん


は…一緒だし、どっちも……好きだから」


はっ! さりげなくどころか、素で言ってしまったぞ。

俺はカアッと顔が上気した。


隣でうつむいたままのももてぃんの反応は?


カウンターテーブルの上に水滴が落ちた。

「あ、り……がと……」


顔を上げて俺を見たももてぃんの頬には、一筋の涙が滴っていた。


「私も好き……、ずっと前から。会ったときから…」


両手で顔を押さえて、向こうをむいてしまった。

お互いにテレまくり、沈黙が続いた。


中学生の恋愛みたいだけど、しょうがない。

俺は、21歳になってはじめて、両想いになれた幸せにひたっていた。


「そろそろ場所、変えようか……?」


俺はさりげなく、ももてぃんの肩に手を添えた。


ももてぃんも真っ赤な顔でうなずく。


「持田くんさえよかったら、部屋にきませんか? 実は…いろいろ買ってきてあるの…手作りでよかったら…」


俺は思わず目を見開いた!


ももてぃんも、その気だったのか!!

俺と…この俺と……一緒に…一夜を過ごす気だったとな?


待てよ、先走るな!


ふうふう…と鼻息の荒くなった俺は、ひとまず深呼吸をする。


ももてぃんは立ちあがって、俺に微笑みかけた。


「か、彼氏に料理つくるのって私……夢だったの」


「……お、おお」


ももてぃんがそっと俺に手をさしのべてくる。

俺は、その手をとって……手を絡め合わせた。


恋人っぽい!

俺、ついに卒業しちゃうのか! しちゃうんだな!

魔法使いにならずにすむんだな!


さっき見た恋人同士のように、腕をからませあうにはまだ時間がかかるかもしれない。

だがこの……ももてぃんの…変身前の胸(巨乳)が俺の腕に当たる日も…そう遠くはないかもしれない。

いや、触るのが先だよな…いや待てよ…吸うのだって…。


うわあああ…俺のバカ俺のバカ!!


心拍数がこれまでにないくらいに跳ね上がっている。

どんどこどんどこどんどこ…

どこかの南国の祭り太鼓のようだ…!


「ねえ…持田くんのこと、瞬くんって呼んでいいかな?」


「ああ、もちろん! なんなら瞬って呼び捨てでもいいっすよ」


「それと…敬語使わなくていいからね……私のことは、本名である桃子って呼んでほしいな」


「桃子…」


ももてぃん、いや桃子さんは俺の手をぎゅっと握って、その声に答えた。


うおお…可愛すぎるぜ。


智毅がリリカさんにハマっていた理由がやっとわかりました!!


年上女性は、普段落ち着いているわりには…ふとするこんなしぐさがめっちゃ可愛い!ギャップがたまらんな!


「瞬くん…あとで……話したいことがあるの…」


「うん…俺も(ピロートークでな!)」


ああ…俺は本当にこの夜で死んでしまうのではないだろうか…。

頭にも血液がドンドコドンドコ流れ始めている。

電車に乗るというので、しばらく賢者モードになって、

下りたのは、俺の最寄り駅の2コ前の駅だった。


駅前には某有名焼き肉店くらいしかない寂れた駅だった。

夜道を手をつないで歩く俺たちは、どこをどうみても恋人同士だ。

このままあの電柱に桃子を押しつけて、キスしたっていいんだ!

なぜなら…恋人同士だからだ。


浮かれ上がっている俺に、桃子が衝撃的なことを言う。


「寮なんだけど、今夜は誰もいないの…」


「寮って?」


「闇闇ガールズと、大家である魔女の大石さんが住んでるの」


「も、ももてぃ……桃子も?」


「うん!」


「ほら、着いた」


ももてぃんが指さした先には、「大石荘」という古びた大きな館がど~ん!とそびえていた。


俺は思わず、ごくりと喉を鳴らす。



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