墓標
短めです
暗い暗い階段を延々下り続ける二人、明かりとなるものはフォールが途中で見つけた松明だけ階段を下りきった先に見えたのは錆びついた扉だった。
「・・・・・・大きい、けれど」
「・・・・・・古いな建てつけ大丈夫か?」
古い古い幾星霜の時を経てそこに存在する扉、誰も触れることのない場所にありながらその扉には人の手によるものとおもわしき傷がつけられていた。
「ねえ、フォールこっちにある傷は新しいよ。しかも、何か文字みたいになってる。」
「ん?なんて書いてあるんだ?」
「えっと、宣誓文みたい『私は誓う、私の護りたいものの為なら全てを賭すと』って書いてある。名前は書いた後に消されたみたい」
「こっちにもある『一生など一夜の夢、一杯の酒のように儚いものだ』書いた人はグリード先々代の王だな。」
「先々代ってことは、これは歴代の龍が刻んだものってこと?」
「たぶんな、そしてブランカが読んだ一番新しいものはゲペスのものだろう」
『全てを賭す』かゲペスが恥ずかしがって自分の名前を消すわけだ。さて、俺はなんとかこうか・・・
「『今なき貴女を想い続け幾星霜小さきややこも逞しくなり、五つの宝に恵まれた。心残りは貴女と宝をみれなかったことだ。』」
「ん?誰が書いたんだブランカ?」
「書いた人の名前はないけど、この言葉は彫ったんじゃなくてこの扉ができた時に押されたものみたい」
「それは初代の言葉かもな、初代が今際に行ったのかもな」
「初代は自分と彼女の寿命の差にとても涙したらしい」
「・・・悲恋なのかな」
「・・・それを俺達が決めるものじゃあないだろう」
「そうだよね、それよりフォールは何を書いたの?」
「それは秘密だ」