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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
201/229

21 ドラゴン2

私はヒナタと共に、学園の敷地内でドラゴンに対峙していた。


ドラゴンは翼を大きく広げて、こちらをじっと見つめた。

一瞬だったのだろうけど、とても長い時間のように感じられた。



「グワーッ」


一声鳴き声を上げると、ドラゴンは向きを変え始めた。


私を後ろから抱えるように立っていたヒナタが呟いた。


「先生……」


「ーーーー!!」


私はヒナタの顔を見た。真剣そのものだ。


先生?


「ヒナタ、それってどういう……」


「先生はドラゴンに変身することができる」



「えっ……」


あれが先生がドラゴンに変化した姿なのだろうか。


見ていると、ドラゴンは翼を羽ばたかせて、空に飛び上がった。

少し上空をクルクルと旋回し始める。


「グオー…グオー…」

下を向いて鳴いている。



あれが先生だとは。

最初に見た時は恐怖しかなかったけど、

言われてみれば、攻撃してくる感じではなかった。

紫の目は何かを思うように落ち着いていた。


「この世界のドラゴンの瞳は、だいたい金色か黒なんだよ。

学園で戦うのを避けるため、先生がドラゴンを山に誘導する手筈になっていて。

ルークがいたら一緒に対処するはずだったんだけど…」


「それじゃあ…」


ガクン、ガクンと、地面が揺れた。


さっき先生のドラゴンが出てきた地面からもう一体、別のドラゴンの頭が現れた。


「えっ」


目が合ってしまった。

さっきのドラゴンと比べて身体は黒っぽい茶色で、大きさも一回り大きいようだ。

その黒い瞳からは獰猛さが感じられる。


「グワーーーーーッ……」


私は怯んでいて、ヒナタは冷静にドラゴンを観察していた。


怯んでいる私がロックオンされているような気配が感じられる。

こういう時に狙われるのは決まって気持ちの弱い者なのだ。


そのとき……


「グワーーッ、グワーーッ」

上から鳴き声がした。

もう一頭を呼んでいる声だ。


その鳴き声につられたのか、二頭目のドラゴンも向きを変えて、

慣れた様子で空へと舞い上がった。



気がつけば、学園の周りに半円状のドーム型の結界が見える。

北の方角は開いている。

その開いた方角へと、二体のドラゴンは飛び去って行く。


私はドラゴンの標的から外れたことに心底ホッとしていた。


すると、ヒナタがおもむろにローブと上着を脱ぎ始めた。


「ちょっと行ってくる。

先生を援護してくるから。ここで待ってて」


「えっと…ヒナタ?」


ヒナタは何か指輪を取り出して自分の指に嵌めると、

身体全体が一回り小さくなった。

そして、背中から翼が生えていた。


「あの、ヒナタ…」


「あまりウロウロしないで、ちゃんと待っててよ」


呆然としている私を置いて、ヒナタは飛び去って行った。

何の説明もしないで。


もちろん、私もヒナタの背中から翼が生えて飛んで行ったという事実に驚いている。

身体が一回り小さかったことにも驚いたんだけど。



「あの〜………

地竜って飛ぶの?」


私は間の抜けた言葉を、1人になってからつぶやいていた。





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