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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
198/229

18 幽閉(エド王子視点)

俺は、他家の見合い話を壊し、父上に叱られて、

城内にある塔に幽閉されてしまった。


前のことも持ち出された。

2年前のレベッカの時の事だ。

あの時は、風子に気持ちが向いてしまって、

イザベラとの婚約を解消しようと試みた。


レベッカの強さに近づこうと修行に出たりして。

結局、レベッカの中身のヒナタと行動することになったんだよな。


後でイザベラとの婚約は解消になり、彼女も今では人妻だ。



うーん、今回の幽閉…って、何でだ?

俺をここから出られないようにする意味が何かあるのか?

……なんとなく気になる。



普通に閉じ込められたところで、

今の俺なら魔法を駆使して塔の1つや2つ壊せるだろう。

でも、見張りをつけられてしまった。

ベンジャミンを。

くそー。

あいつ、魔法を無効化してくるんだよ。

そういう術をかけられた部屋に入れられてしまったのだ。



「ベンジャミン。俺に気があるならここから出せよ」


部屋のドアに付いている、鉄格子の嵌った小窓から外へ声をかける。


「ダメです」


「なぁ。どうしたら出してくれるんだよ?」


「どうしたらも何もありませんよ」


いつもの奴とは違って、つれないな。


そういえば…

「あの指輪があればお前の相手をしてやれないこともないのにな」


俺は、なんとなく呟いた。

巨乳のレベッカに変身する例の指輪だ。

風子に使ったまま置いてきてしまった。


「あの指輪って何ですか?」

「うわっ!」

目をギラギラさせたベンジャミンの どアップが目の前にあった。

怖かった。



俺は、女に変身できる指輪があり、

今は学園にいる風子がそれを持っていると説明した。



「ああ。兄さんが前に風子に使ってたやつ。レベッカに変化してた。

…だったら、レベッカ(ヒナタ)にでも借りるからいいわよ」


「風子が持ってるのは特別だ。俺の好みのナイスバディの…」

「じゃあ今すぐ風子から貰ってくるわ!!」


食いついた。


「ダメだぞ。

あれは誰が使ってもいいものじゃないから、管理は厳重にしないといけない。

風子でもお前には渡さないだろう」

俺は踏ん反り返って言った。


「じゃあどうしたら?」


「ここから出せ」


「………」


ベンジャミンはしばらく考えた。


「ダメね。それはできないわ。

あるかどうか不確かなもののために、エド様を逃がすわけにはいかないもの」


やっぱりダメか。


「それによくよく考えてみれば、変化魔法も中和させる可能性が高いから、

私にその指輪が使えるのかわからないわ。

中和魔法の使い手は、大抵どんな魔法でも普通の人間の倍の魔力を必要とするのよ。残念だけど、変化に必要な魔力には足りない可能性の方が高いわね」


変化の指輪自体、異性への変化に使う魔力が元々膨大な物だ。

ベンジャミンやルーナにとってはさらにその倍の魔力を必要とするようだ。

個人によって、得意な魔法にも左右されるらしいが、

およそ4倍以上の魔力が必要となる計算だ。



コリンから女体化した風子は相当魔力を持っていかれていたし、

俺もレベッカに変化したからわかる。

あの倍の魔力が必要と言うならば、相当負荷がかかるはず。

そうだな。

かなりの魔力を持つベンジャミンにも、指輪を使いこなすのは無理かもしれない。

取り引きの材料には使えないか。いい考えだと思ったのにな。





「お前さ、気配は探れるか?

北のほうで何かが起こってることはわかっているんだろう?」


「まぁね。禍々しいオーラを感じるわね」


「こういう時、俺が何とかすべきだと思わないか?」


ベンジャミンは無言で俺を見つめる。


「王族として、安全な場所から黙って見ていていいとは思えないんだ。

頼む。ここから出してくれないか」


結局俺は、正面から切り込むことにした。



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