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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
196/229

16 それぞれの思惑 2

《エド王子視点》



俺はあの日、男子寮にいるコリンを見つけた。


見た瞬間はヒナタのほうだと思ったが、最近のあいつだったら鍵を使わない。

ドアにたどり着く前に解錠して、ドアノブを回すだけ。


コリンの部屋にはよく行っていて、

風子がコリンだった時よりも訪ねているぐらいだ。

だからよく知ってる。

鍵をガチャガチャやってるところを見れば、中身は風子だなと思った。

本人は誤魔化していたが。


俺はチャンスだと思って、当たり前のように部屋に入った。

あいつを女体化させてやろう。

ソファに座って、4次元化させている内ポケットから指輪を取り出した。

レベッカに変化させる指輪。


風子はなかなか近づいてこない。不審がっているのか?


俺は仕掛けた。

指輪をはめさせることに成功し、眼鏡を外して正体を暴いた。

彼女は本気で逃げようとすれば逃げられたんじゃないかと思う。

俺よりもコリンの方がレベルは上なんだ。


でも、結局風子は巨乳のレベッカに変化して俺の腕の中にいた。


そして、好奇心からなんだろうな。

身動き取れないところに、見慣れない巨乳があったからだろう。

自分で触ったんだ、あいつ。隙がありすぎる。

そんなこと目の前でされたら、衝動が抑えきれなくなってしまった。

誘っていると思われるとか、考えないのかよ。



そうして風子に迫っている最中で、念話がかかる。


……ガイアだった。

着信拒否の状態にした。

今を逃すわけにはいかないと思った。

でもガイアのやつ、何回も何回もかけてきやがって。


あと少しというところで、風子にまた拒まれるし。


まだしつこく念話もかかっていたので、

俺は念話に出る方を選んだ。


「どうした?」


「エド様、大変だ。ルーナが結婚してしまうかもしれない!」


驚いた。

俺は何故だか、ルーナは結婚しないと思い込んでいた。

他の女に迫っておきながら、彼女のことも逃したくないなんて。

わがままだってわかってる。


後のことは後で考えることにして、俺はルーナの元に向かうことにした。



この前、前世のときの夢を見た。

前世で別れたあとに実際にあった出来事だった。

そのことを、部屋の外にいた風子に聞いてみたら、

ヒナタとあいつは手を繋いで歩いていたのに対して、

俺の方はなんと、女と抱き合っていたらしい。


そういえばそうだったかも。

パズルのピースがハマったような感じがした。

風子の相手は俺ではないのかも。


俺は風子に気があるけど、ヒナタのことも好きなんだよな。

同性として。友人として。


風子のことを、なかなか諦められなかったが、

この瞬間に何かが変わろうとしていた。



ーーーーーーー



ガイアに聞いてやってきた王都中心街のレストラン。

1組の男女が席についているのが見えた。

近づいて行って女性…ルーナに声をかける。


彼女は驚き、相手の男も驚いていた。


俺も驚いた。

「ベンジャミン…」


「エド様」



しばらく俺を含めた全員が黙った。

状況を理解するのに時間がかかった。


俺の場合は、

なんでベンジャミンがここにいるのか、見合い相手はどこだ?

もしや、見合い相手=ベンジャミン……か?

迷った。



最初に口を開いたのはベンジャミンだった。


「エド様。私のために来てくださったのですか?」

奴は目をキラキラさせてこっちを見た。


はぁ?

何でオカマ野郎のためにわざわざ。


「つーか、お前! 男が好きだと言っていただろう。

何でここにいるんだ?」


「男が好き…そんなこと言ったかしら?」


「言っただろ!」


「私は男も女も好きよ。オーラに惹かれるのよね」


立ち上がって腕にしがみついてくる。


「やめろ!離せ」


俺とベンジャミンが揉み合っているのを、ルーナがぽかんとして見ていた。




店内を騒がせてしまったので、結局場所を移すことにした。

侯爵邸に向かった。

ルーナは道中塞ぎ込み、自分の部屋に篭ってしまった。

いろいろ混乱したようだ。



ベンジャミンはルーナの従兄弟にあたる。

そして、クロウの弟でもある。


俺はベンジャミンと話をした。


ルーナはお見合いをして、いい出会いがなかなかないので、

従兄弟同士の結婚を勧められたそうだ。

ベンジャミンも、いい歳をして独身。

形だけの結婚…というのも、実は貴族ではありがちだし、

(愛人がいたりするのも珍しくない)

きっかけはどうでも、始めてみようかということで話がまとまりかけていたそうだ。



「ルーナもね。ちょっと地味だけど、強いオーラがあるのよね。

それに、中和魔法の使い手同士の結婚って、聞いたことがないし。

希少な魔法の使い手が増えるならば、この結婚に意味はあると思ったの」


「お前、本当にベンジャミンか?」

落ち着いて話す様子は見たことがなかった。


「どういう意味よ?

私は私なりに考えてるのよ。

……あーあ。エド様が私を迎えに来てくれたと思ったのになぁ。

迎えに来たのはルーナの方だったのね。

そりゃそうよね…」


さすがのベンジャミンも、意気消沈していた。




そうして結局、ルーナとベンジャミンの見合い話は無くなった。


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