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伯爵令息転生女子  作者: くるみ
第4章
194/229

14 避難開始

あれから、数時間おきに地震が起きた。

夜中二回ほど揺れで目を覚ましたぐらいだ。


揺れていると、じんわりと不安な気持ちが湧き起こってくる。

やっぱりイベント…起きてしまうのだろうか。




ーーーーーーーー




次の日。

アル先輩と魔物狩りに出かけた。

王都郊外で増えてしまった魔物を狩りに行こうと誘われたのだ。


ガイアも一緒に行くことになっていて、

待ち合わせ場所までの道すがら、アル先輩と話をすることになった。



私はまず、ゲームに出てくるエド王子のイベントの事を話してみた。


「地震を起こしているのは地竜だったよね」


さすがに、アル先輩にはすんなりと話が通じた。

イベントならば回避した方がいい、

エド王子を学園から遠ざけた方がいいんじゃないかと言った。


「うーん、そうだね…

彼が僕らの言う事を聞いてくれればいいんだけどねぇ…」


やっぱり難しい様子だった。

ある程度レベルが上がっている今、自由人のエド王子が、

そんな珍しい生き物を見逃すはずがない。




そして、もう一つの話もしてみることにした。




「ヒナタのことなんですけど…」


「ああ。答えは出た?」


「結論から言うと、ヒナタを譲ることはできません」


「うん」

先輩は真剣な顔でこちらを見た。


「ヒナタは誰のものでもないですし……

彼の気持ちを尊重しようと思います」


「そっか〜。なるほど」


そして、しばらく沈黙が落ちた。

先輩はなんとなく、私の続きの言葉を待っているようにも見えた。


私は考えていた。


ヒナタは誰のものでもない。


でもどちらかというと、逆に、

ヒナタは私のことを『俺のものだ』って思っていそうだ。


彼は案外、そういうタイプなのだ。

グイグイ来るのをやめないし、私にとっては適度な加減だったりする。

だからこちらも遠慮はしなくてもいいと思っている。

そういう関係だった気がする。



「風子は、ヒナタのことが好きなの?」


「えっ…えっと…」


いきなり聞かれて焦る。頰が熱くなってきてしまった。


「ひ、人として好きです」


「恋愛の好きじゃないってこと?」


「……わかりません」


私にはわからなかった。


好きという焦がれるような気持ちを知らないわけではない。


だけど、100パーセントの好きな気持ちを出さないと手に入らないというのならば、私はヒナタに対してそこまでの感情はなかったような気もする。

好きという気持ちは思い込みで、ずっとそれを保ち続けられるものではなく。

一方的な気持ちでは成り立たないものだと思うからこそ、答えも慎重になってしまうのだった。

追いかけても、うまくいかなかったから。


「先輩としては受け入れられないかもしれませんが、

私なりにヒナタに思い入れがあり、大事に思っています」


「そう。わかった」


先輩の表情は淡々としていたけれど、

少しだけ口元が笑ったように見えた。気のせいかな?



そこまで話したところで、ガイアと合流した。



ガイアが会った瞬間に

「お姉ちゃんごめんね」


そう謝ってきた。


「えっ。何?」


「とにかくごめん!理由はまだ言えないけど…とにかくごめん!」


「う…うん?」


何なんだろう?

まぁいいや。





その後、私と先輩とガイアで、次々と現れる魔物を倒した。

魔物の数が多く、ガイアの護衛という感じではなくなっていた。


でも、ガイアはそれが当然という感じの強さにまでレベルアップしていた。

さすが、この子も攻略対象だなぁと思う。

すでに『この子』っていう感じではなく、最初に出会ってから背も伸びたし、大人びたものだ。



私たちはその次の日も魔物狩りに出たが、

3日目から、魔物の対応は騎士団が取り仕切ることになった。

森への一般の人間の立ち入りは禁止になったので、本来なら学園生活を送ることになるのだけど。


学園とその周辺での地震は、数時間置きに相変わらず続いていた。

以前にドラゴンの騒動があった時のように、ひとまず1週間の休講という措置が取られた。

1週間の間に様子を見て、その後の状況次第で対応を変えるのだ。


それに加えて、今回の場合では、学園全体を封鎖することになった。

生徒や職員も学園から避難することが命じられ、敷地内である寮にもいられなくなる。

用意ができた者から順次、学園の外に避難をすることになったのだった。





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