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『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜  作者: 五十嵐紫
最終章:再起動(リブート)する世界:新しい標準規格(L-Protocol)で、真の平和をインストールします

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新しい物語のコンパイル:魔法と科学が融合した世界へ

「……お父様、お兄様。……これから世界を再起動(リブート)するわ」


私は、聖地の大聖堂を出て、領地に帰還してから三日後の朝、世界樹の根元に家族とユリウス王子を集めました。

空を見上げると、世界樹の枝葉が、かつてないほどに力強く光り輝いています。


「再起動……? ……レティシア、まさか世界を一度壊すのか?」


お父様が少し不安げに尋ねました。


「いいえ、違うわ。……世界という『プログラム』を、より効率的で、誰もが幸せになれる仕様(バージョン)にアップデートするのよ。……これまでの世界は、魔法という名の『非効率なコマンド』ばかりで、システムが重すぎた。……これからは、魔法と技術を統合した、新しい共通言語(ニュー・プロトコル)で、世界を回していくわ」


私はL-Padの実行キーを軽く叩きました。

その瞬間、世界中に張り巡らされた地脈ネットワークが、金色と緑色の光を交互に放ち始めました。


世界中のルーター(魔導端末)が、一斉に私の作った「新OS」へとアップデートを開始します。

これまでの「Holy-Link」のような閉鎖的な規格ではなく、誰でもアクセスでき、誰もが恩恵を受けられる、真のオープンソース・ワールド。


街の至る所で、魔導機械が以前よりも滑らかに動き出し、農作業を行う魔導ゴーレムたちが、最新のアルゴリズムで最適化された動作を始めました。

魔法と科学の垣根が消え、人々は『魔法』という名のソースコードを書き換えることで、生活を豊かにできるようになったのです。


「……見て。……世界が……軽くなっている」


シエルお兄様が、自身のデバイスでネットワーク負荷をチェックし、目を見開きました。


「……以前は、魔力供給のたびに発生していた『パケットロス(魔力の揺らぎ)』が、完全に消滅している。……レティシア、君の書いた最適化コードが、世界の魔導循環を根本から解決したんだ!」


「ええ、お兄様。……これで、過酷な魔力不足や、魔法の暴走による災害も激減するはずよ」


ユリウス王子が、街の方を指差しました。

そこでは、聖教国の権威に怯えていた人々が、自分たちの力で生活を立て直そうと、新しい魔導ツールを手に笑顔で働いています。

誰もが情報を手に入れ、誰もが正しく判断できる世界。


それは、私たちが目指していた「平和」の形でした。

「……終わったね、レティシア」


お父様が、私の頭を優しく撫でました。

その大きな手の温かさに、私は少しだけ泣きそうになりました。

三歳の身体に宿る、前世の記憶を持った聖女。

この不思議な旅も、一つの終わりを迎えました。


「ええ、終わったわ。……いえ、ここからが本当の始まりね。……これからは、私たちがこの世界の『開発者(メンテナンス・チーム)』として、この平和を維持していく番なんだから」


私は空を見上げました。

そこには、ただのファンタジーの空ではなく、無限の可能性を秘めた、私たちがコードを書けば書くほど広がる「未来」が広がっていました。


私の冒険は、まだ終わらない。

この、世界で一番自由で、世界で一番技術が愛される、新しいグランヴェル領の物語は。


「さぁ、みんな。……次はどんな機能(サービス)を世界に追加しようかしら?」


私の問いかけに、お兄様はニヤリと笑い、お父様は高らかに笑い、ユリウス王子は優しく頷きました。


聖女レティシアの「デバッグ」の旅は、今日も絶好調。

私たちは、愛すべきこの「世界」という名のプログラムを、これからも一生懸命、ハッピーエンドに向けてコンパイルし続けるのです。


【最終章 完】

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