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『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜  作者: 五十嵐紫
第1章:意識が戻ったら、そこは「愛の沼」でした

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視界が開けたら、絶世の美男美女が泣いていた

「ああ……ああ、神様! ありがとうございます!」


(……うるさい。誰だろう、さっきから大音量で泣いているのは)


前世の私は、某IT企業で馬車馬のごとく働くシステムエンジニアだった。

締め切り前のデバッグ作業中に、意識が遠のいた。おそらく過労死、というやつだろう。

「次はもっと、ゆっくりした人生がいいな」なんて願った覚えはあるけれど。


ゆっくり目を開けると、視界がひどくぼやけていた。

ただ、そこには二つの大きな人影がある。


「見て、ルナ! レティシアが……私たちの愛娘が、目を開けたよ!」

「ええ、なんて美しい瞳……。まるでお父様そっくりの、燃えるような紅玉ルビーの色だわ」


(え、誰。お父様? レティシアって私のこと?)


私は状況を把握しようと、腕を動かした。

しかし、自分の意志に反して、視界に入ってきたのは——。


(……え? 短かっ。っていうか、ぷにぷに?)


そこにあったのは、大人の指の付け根ほどしかない、ちいさな、ちいさな「赤ん坊」の手だった。

その瞬間、私の頭の中に無機質な、けれど懐かしい響きの声が響いた。


《確認完了。固有スキル【慈愛のマスターアナライズ】を起動します。対象:周囲の環境および人物》


混乱する私の頬に、温かくて、とても良い香りのする何かが触れた。

母親らしき、銀髪の絶世の美女が私を抱き上げ、涙を流しながら微笑んでいる。


「……レティシア。私のかわいい、天使のような宝物」


耳元で、とろけるような甘い声が聞こえた。

目を開けると、そこは天蓋付きの豪華なベッドの中。私を抱いているのは、銀の髪をなびかせた、神話の女神様のような美女だった。


(えっ、綺麗……。この人が私のお母さん?)


《解。対象:ルナ・ド・グランヴェルのステータスを表示します。》

《状態:娘への狂信的な愛情(最大値)。「この子のために世界を浄化したい」と思案中。》


(お母様、思想が極端だよ!?)


「ルナ、私にも……私にも抱かせてくれ! レティシア、パパだよ! ほら、君のために隣国を一つ買い取って、レティシアランドを作ってあげよう!」


(……パパも極端だった!)


どうやら私は、とんでもなく高い地位にあり、かつ、とんでもなく親馬鹿な家族のもとに転生してしまったらしい。

前世の社畜生活では考えられなかった「過剰なまでの愛情」の波が、私を飲み込もうとしていた。

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