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異世界学園いざなぎ高校園芸部  作者: 桂虫夜穴


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21/27

21、美少女アイドルとゆるキャラ

七草とヨッシーは商店街のイベントの

アイドルオーディションの舞台に飛び出した。


「えーっ…私達、アイドル目指してますぅ

よろしくぅ…」


「よろしくっ…って、アンタ!

ウチら、ロボットやで!アンドロイドや!

アイドルと、ちゃいまっせ!」


「ええっ⁉︎ 何でっ!⁉︎

何でアイドルオーディションの

パフォーマンス審査で漫才をやってるんですか?

しかも、下手くそな関西弁って…

普通…歌とダンスでしょ!


応援に来ていた短亀ちゃんがビックリして

部長に尋ねた。


「そっ、それが‥七草さんが…

歌もダンスも…やはり…

からっきし、だったようなんですよ。

それで、もう、しょうがないから…

一番得意なお笑いで、いこうって

なったらしいですよ。

でも、これも、どうかなぁって感じですわね。

もう、合格する気は、なさそうですから

楽しもうって言ってました。


「でも、思いっ切り、スベってるじゃないですか!

部室では、あんなに、おもしろいのに…

舞台と、なったら、途端に、これですよ!」


「七草さんの、あの棒読みボケではねぇ…

ヨッシーさんも、顔、真っ赤ですね。

本来、恥ずかしい事が大っ嫌いな人ですから…

美しくてカッコ良くないと

本領発揮できないのですよ!」


「まぁ、それでも、頑張りましたもんね。

良い思い出になったのじゃないですか…」


「そのようですね!」






「ヤッターッ!合格だーっ!」


「マジかーっ!」


「奇跡だーっ!」


「いや、そうとも言い切れん!

審査員席を見ろ!

部長のお父上に、七海の親父に、

短亀ちゃんのパパだ!」


「冬本産業に夏木果樹園と短亀うどんか…

毎回いいのかね?

スポンサーの権限を振りかざして

審査結果まで、意のままにしてしまうなんて…」


「いや、それは、こちら側の推測に過ぎん…

そう、確定した訳じゃない。

ここは、取り敢えず

素直に喜んでいいのじゃないか!」


「そうだよ!又、大人の事情って、ヤツだろ!

そこは、もう、お父上達に、任せよう。

後は、全力でアイドル業に取り組むしかないな!

がんばれよ。ヨッシー!」


「おい!七海!私に励ましの言葉は、ないのか!」


「ああ、そうだな…

ヨッシーの邪魔をせんように…

足を引っ張らないように…

なるべく目立んように…

オマエのできる範囲で、精一杯、がんばれよ!」


「何だ!七海!その言い草は!」


「七草!オマエ…

結局、歌もダンスもできなかったんだろ。

ヨッシーは通常運転で合格確実だった。

しかし、オマエこそ、お父上達にゴリ押しで

合格にしてもらった、張本人だろ!

合格できなかった

他の、アイドルを目指してる子達に

少しは申し訳なかったと言う気持ちを

持たんとだな。」


「ああ…うっせぇ、うっせぇ!

歌もダンスも凌ぐ程

私が可愛くて

いかしたお嬢さんって、事だったんだろ!


「でたよ!私の事ばっかり、言ってるけど…

アンタの自画自賛も相当なもんだよ!」


「まぁ、まぁ、もう、そのへんにして…

折角、合格したのですから…

仲間割れはなしですよ。

ヨッシーさんは完璧なスペシャルパフォーマンス。

七草さんは未成熟な果実。

これから、育てあげる楽しみをファンの方たちに

与える事ができるのでは、ないですか?

凄く相反する二人。

その方が、個性が際立って、良いのはないですか!」


「そうだよ!さすが部長!わってるぅ!

私は個性の人!個性の女だからな!」


「ところで、ヨッシーさん…

何か、活動の予定は入ってるのですか?」


「ああ、今度の週末は隣町の道の駅でイベントだ。

そこで、みかんで作った新作スイーツの

発表会をやるんだ。

そこで、販売促進の宣伝のお手伝いをやるんだ。」


「まあ!それは、楽しみですね!

新作スイーツもですけど…二人の活躍。

もちろん、応援に行きますよ!」


「あっ、ああ…いや…いいよ…そんな…

部長も週末は色々、忙しいだろ…

七海とチョメチョメとか…」


「もう、七草さん!そんな事!致しません!

それは、卒業まで、お預けです!」


「何だか、七海のヤツ。飼い犬みたいだな。

ペット化しとる。」


「そっ、そんな…今年は大学受験なんです!

その為の、配慮です!」


「まぁ、いいけど…たまに、ガス抜きしてやれよ!

馬七海の馬並みが、それまで、持たんだろう!」


「ご忠告、確かに承りましたぁ…」


「部長!何だか…事務的だな。

まっ、いいか…そう言う事で

今週末のイベントの応援は無し!‥と、言う事で!」


「ナクサ!何が、そう言う事で…だぁ!

折角、主催者がカワイイ衣装まで

用意してくれたんだぞ!

みんなにも見て貰おうぜ!」


「ああ…それは、また次回で、いいじゃないか…

今回は小さなイベントだし…

わざわざ応援に来て貰う程の事じゃないよ。」


「何、言ってんだ!

みかんは、この辺じゃ大きな産業だ!

それを使った新作スイーツの発表会だぞ!

思いっ切りデカいイベントだよ!

テレビも取材に来るらしいしな。」


「まあ、凄いじゃないですか!

それは、張り切らないと…

七草さんの衣装も、さぞかしカワイイのでしょうね。

ミニスカートかしら…」


「ぶっ、部長…そっ、それが…」


「ヨッシー!黙れ!シャラップ!ハウスッ!

アンタは本当に、おしゃべりなんだから!

お口を慎みなさい!

本当にもう、嘆かわしい!」


「ハハハハッ!だって…

散々、泳がせてやったのに…

アンタが自分から言わないから…

私が言ってやろうってんじゃないか!」


「あー、うるせーっ!うっせーっ

聞きたくなーーい!聞こえなーーい!

ここは、どこーーっ!私は、誰ーーっ!

知らなーーい!わかんなーーい!」


「どうしたのですか?

全く…何なのか…サッパリです。

とにかく、ヨッシーさん。

説明して頂けるかしら…」


「ワーーッ!ヨッシー!やめろーーっ!」


「アンタ、イベント会場で

サプライズでも、やるつもりかい?

ここで、事前に話しておいた方がいいだろ…」


「うう…わかったよ…

ヨッシー…お手柔らかに…」


「何だそれ⁉︎ 意味わからん!」


「‥で、何ですの?」


「それがな…七草の衣装なんだが…」


「ええ…」


「クククッ…それが…

アーッ、ハハハッ!

おかしい…‥ちょっと、待ってケロッ!」


「どこの方言だっ!」


「ヒヒヒッ!腹イテーッ!」

それがさあ…衣装って、言うより…

ズバリ…」


「ズバリ?」


「き、ぐ、る、み、なんだ!」


「ワーーッ!部長ーーっ!

ヨッシーがぁ!ヨッシーがぁ!」


「もう、七草さん!

わかりましたから、そんな、しがみつかないっ!

それにしても、着ぐるみって、ご当地キャラとか?」


「さすが部長!察しが早い!」


「本当だ!さっしー並みの早技だ!」


「アンタ、泣いてたんじゃなかったか!」


「エーーン!ヨッシーがぁ!」


「もう、いいから!

その見苦しい泣き真似いらんから!」


「あの…もしかして…「みきゃん」ちゃんですか?」


「おっ、短亀ちゃん!正解!

まぁ、愛媛県民なら知らん者はおらんだろうが!」


「そうですよ!

2015年のやるキャラ準グランプリを

獲得しているんです。

全国的にも、一躍有名になったんです。

ゆるキャラ界のエリート、貴公子ですよ!」


「言い過ぎだろ!

だいぶ前だし…もう、十年前だ!

それに、「準」って、ところが、いまいちだ!

ただのミカンみたいなワンちゃんだろ!」


「もうっ!あの、かわいさ、わからないのですか!」


「アンタの一押しは「くまモン」だろ!

また、アンタの悪いクセが…

そんな若い時から浮気性じゃ

イイ大人になれんて…前にも、言っただろ!」


「別に浮気じゃないですよ!

「くまモン」が一番好きなのは変わりませんよ!

ただ、「みきゃん」ちゃんもカワイイって

言ってるだけですよ!

あんなカワイイゆるキャラになれるなんて

最高じゃないですか!」


「短亀ちゃん!

私はアイドルに応募したんだよ!

ゆるキャラを目指した訳じゃないよ!

折角の私の、この美貌をファンの皆様に

お披露目できんではないか!」


「いつ、ファンが、できた!

今度が、初めてのイベントだぞ!」


「まぁ、まぁ、ヨッシーさん!

でも、ゆるキャラもアイドルも

人々を癒して和ませてくれる

愛されるべき存在ではないですか…

根底は、同じ精神が宿っているのではないですか…」


「そっ、そうだな!

わかった!部長。

今回はゆるキャラの着ぐるみ着て、がんばるよ!」


「ハイ!応援しますよ!」


ヨッシーが小声で部長に耳打ちした。


「部長…ありがとう…

ナクサを言いくるめてくれて…」


「ええ…ああでも言っておかないと…また

「イベント行かなーい!」

…とか、言い出しかねないですものね。」


「ウヒョーーッ!やったるでーーっ!」


そんな二人の会話も知らず

七草は飛び上がって全身でやる気を表現した。



そのイベントの七草の、ゆるキャラぶりは

中々、好評だった。

姿を隠した事で、いつものアガリ症は影をひそめ

伸び伸びと「みきゃん」ちゃんを

演じ切ったのだった。

おかげで、スタイル抜群の

美少女アイドル、ヨッシーと

ゆるキャラ「みきゃん」ちゃん、七草の

絶妙ユニットが完成したのだった。


その後、七草とヨッシーは

各地のイベントに参加したが

七草が「みきゃん」ちゃんの着ぐるみを脱ぐ事は

とうとう一度もなかった。


チャンチャン♪


「なんでやねーーん!」


七草。心の叫び…



続く


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