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魔の増す間に  作者: 負けうさぎ
冒険者、はじめました

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38/50

36.ペットは責任もって飼いましょう

今回からタイトルをつけることにしました。

以前出したものにもこれからつけていこうと思うのでよろしくお願いします<(_ _)>

周りに魔獣が集まり俺を囲むように動いているのがわかる。


試しに動いている魔力体に氷を飛ばしてみると「ギャン!」と鳴き声がした後、動かなくなり少し魔力が薄くなっていく。


どうやら今の魔法で一体魔獣を倒してしまったみたいだ。仲間だったのか分からないが周りの魔獣が俺の前に姿を現した。


魔獣は角の生えた虎のような姿をしていた。しかしサイズ感が虎の二倍ほどはありそうだ。


そんなでかい身体なら俺を襲っても満たされなさそうだけどな


とりあえず俺を囲みながら睨みつけている魔獣をどうにかしなければ前に進めないのでまた氷を出そうとしたらいっせいに襲いかかってきた。


そりゃすんなり倒されてくれるわけないよな

まずはこの囲まれている状況から抜けないと!


すぐに目の前の一匹の魔獣の頭に向かって『コエダー』を投げつける。魔力を込めたため折れることなく魔獣の頭に突き刺さった。


そのまま真っ直ぐ走り刺さった『コエダー』を抜き振り向くとこちらに向かって飛びかかる魔獣が三匹、地面魔法で左右の二匹は貫いたが真ん中の一匹がそのままこちらに飛びかかってきている。


体勢を低くし飛びかかってくる魔獣の下を走る。すれ違いざまに喉を切りつける。


残り二匹!


残った二匹は仲間が呆気なくやられたことに警戒しているのか動いてこない。


俺から行くか


そう思った時魔獣は森の奥に逃げ込んで行った。

わざわざ追う必要は無いので俺は周りに転がった魔獣を師匠に貰ったアイテム袋に詰め込んでいく。


森に入ってすぐこれならちょっと時間がかかりそうだな……


うっすらと道はあるので迷うことは無さそうだがこうも魔獣に襲われてたら日が暮れてしまう。


でも飛行は禁止されてるしなぁ、そもそもこんなところに道なんて誰が……


そこまで考えてそんなことが出来るのは一人しかいない事に思い至る。


今日中には着きたかったけど明日になるかな?


とりあえず考えても仕方が無いので魔獣をアイテム袋に詰め終わった後はまた道を歩く。




あれから何時間たったか分からないが日がだいぶ傾いてきた。


あの後も何回も大きい魔獣や群れに襲われその度に返り討ちにしてを繰り返した。


お腹がすいたのでここら辺で一度食事にしようと思い地面を軽く整えて椅子を魔法で地面から作り座ってアイテム袋からパンを取り出す。


なんかこうやって一人で食事するのは久しぶりだな


この世界に来てからはずっと師匠がいたので前世以来の孤食だ。

少しは寂しさも感じつつ風が木の枝や葉を揺らし森の音がするのでその音を聞きつつ食べるのもいいなと思いながら食事をしていると道の脇の方から一つ魔力が近づいてくる。


食事中は遠慮して欲しいな……


そんな魔獣にとっては無理な願いをしながら魔力体のある方を見ていると草むらから蛇がでてきた。


蛇の体は大きくはなく至って普通のサイズ感で白色だがよく見てみると身体中いたるところが傷だらけだ。


ヘビはオレに威嚇をする訳でもなく目の前を通り過ぎようとして倒れた。


え?


綺麗に目の前で倒れられてしまったので一瞬油断させて攻撃してくるタイプか?とも考えたがどうも本気で倒れてるっぽい


だいたいこの森にいる魔獣にそんな手は通じなさそうだしな……


今まで襲ってきた魔獣は出会い頭襲ってくる輩ばっかりだったので倒れている魔獣がいたら有難く頂くことだろう。


目の前で倒れられてそれを知らんぷりして食事を続けるのはさすがに無理だったのでちょっと魔力を与えてみる。


魔獣の動力源は魔力なため魔力を与えれば多少は元気になるはずだ。


そう考えれば最初に出会った虎みたいな魔獣の群れもその後に来た魔獣たちも俺の魔力量に惹かれて来たのかもしれない。


あまり与えすぎて元気に俺を襲われても困るので程々の魔力を渡すと蛇はゆっくりと起き上がる。


いつもが横たわりな蛇に起き上がるという表現が正しいかは分からないがとにかく頭を持ち上げ起き上がった。


蛇は周りをキョロキョロとし、俺を見つけるとじっと見つめてきて助けたのが俺だとわかったのか「シャーン」と鳴いて擦り寄ってくる。


ちょっとかわいいかも……


足に頭を擦り付け絡みついている姿にはちょっと庇護欲を掻き立てられた。

しかし可愛く感じても魔獣は街には連れて行けないし師匠のところに戻る訳にも行かない。


可哀想だが置いていくしかないな……


俺は気持ちばかりのパンと先程倒した魔獣のお肉を少し切って蛇の近くに置いてあげ、また街に向かって歩く。

幸い蛇はお肉につられたのか俺が歩いていってもついてくることはなかった。


そのまま歩いていると今度は人型の大きな魔獣が四体でてきた。


こいつは本で見たな、たしかオーガだ


師匠の持っていた本に絵付きで載っていたためこいつは直ぐにわかった。逆に今までの魔獣は載ってなかったから名前は分からない。


昨日食べたオーガ美味しかったなぁ、じゅるり


お肉の元を見て献立が浮かんできて少し食欲が湧く。


俺のそんな様子に何か危機を感じたのかオーガたちが後ろに下がる。


「おいおい、逃げないでくれ。せっかくのご馳走なのに」


もう完全にオーガが昨日の角煮に見えて仕方がない俺はオーガに飛び掛り魔力で強化した『コエダー』で一匹の首を切り落とす。


仲間が殺されたことと俺から何かを感じとったのかオーガたちは背を向けて逃げだした

しかし今回は逃がす気はないので俺も走ってオーガを追って一匹ずつ確実にしとめていく。


最後の一匹の頭を氷魔法で貫いた俺はアイテム袋を出し今まで倒したオークを回収しながら元の場所に戻る。


やった、オーガの肉だ!


知ってる肉が手に入ったことに嬉しさが込み上げてくる。

街に降りたら宿屋に頼んで作ってもらうか?それともどこかでキッチンを借りるか……?


角煮の味が忘れられない俺は街に降りた時の楽しみが出来たと思いながらオーガを回収していると見覚えのある魔獣が一匹。


「シャーン、シャーン!」


ヘビが一番初めのオーガの首に巻きついて俺に向かって鳴いている。

しっぽをぶんぶんと振っている姿は前世で見た犬みたいだ。


ヘビってあんなにしっぽを振るものだっけ?


この世界と前世を同じに考えても仕方が無いのだがどうしても違和感を感じてしまったのだから仕方がない。それよりも


「お前、なんでここまで着いてきてるんだ?」

「シャーン、シャーン!」


俺の話が通じているのか分からないがヘビは俺の足に巻き付き頭を足に擦り付けて来る。


相変わらず攻撃してくる様子もなくむしろ懐いているように見えたので俺はとりあえずヘビがいたオーガをアイテム袋に回収してまたヘビに話しかける。


「頼むから離れてくれ、お前は連れて行けないんだ」

「シャーン!」

「お肉が欲しいのか?ほらさっきの虎の肉だ、やるから離れろ」

「シャン、シャーン!」


俺が虎の魔獣の死体をアイテム袋から出してみせるも蛇は首を横に振って離れようとはしない。


それにしても言葉がわかるのか?


先程から俺の意思が伝わっているようにヘビが返事をしている。


「シャーン!」


するとヘビはコクコクと頷く。

言葉がわかると言うより俺の心を読んでる?


「シャン、シャン!」


また頷いた……

どうやら心を読んでるで確定らしい。


そうなってくるといよいよ置いていきずらいぞ……


そもそも今までどうして生きていたのか分からないがこんなところに置いていけばほかの魔獣の餌になるのが目に見えている。


しばらく俺は立ち止まって考え、結局連れていくことにした。


このまま置いていっても後々気になってしまう気がするし何よりここまで懐かれたら置いていけない。


理由はともあれ旅のお供ができた。

『コエダー』も意外と使えるしいい拾い物だったな。


「シャン、シャン!」


自分の方が使えると主張しているのか体を伸ばして鳴いてくる。

ちなみにヘビは今俺の首に緩く巻きついている。

街中ではローブを被ってマフラーのように首にいてくれれば誤魔化せないかなと考えた結果である。


「そういえば『コエダー』で思い出したけど名前をつけなきゃな」


「シャーン!」

「うーん、白色……ヘビ……スネーク……」


名付けなんて『コエダー』が初めてでほとんどしたことが無いから難しい。

そう考えると師匠のコハクという名付けはセンスがいいんだな……


いや!俺も師匠の弟子なんだからきっといい名前が……!


「し、シロークなんてのはどうだ?」

「シャン、シャーン!」


気に入ってくれたみたいだ。

しかし自分には名付けのセンスがないことはよくわかった、白とスネークでシロークなんて小学生でももっとマシな名前を着けそうだ。


思えばなんだ『コエダー』って、ただの小枝じゃないか。

自分の名付けのセンスにガッカリしながらもシローク気に入って貰えて良かったと思う。


「シローク、街に行ったら大人しくしてるんだぞ?じゃないと追い出されちゃうからな」

「シャーン!」


任せて!というような表情をしているが不安だ……




森に入って数時間、『コエダー』とシロークが仲間になった!

今回も読んで頂きありがとうございます。

どんな評価、感想でも励みになりますので良ければお願いします。

次回も是非よろしくお願いします( ´ ▽ ` )

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