14.怪しい教会に侵入しました
「教会って……なんで言い切れるんだ!?そもそも教会でそんな人攫い神様が許さねぇはずだ」
「教会と言ってもあの新しく出来た方ですよ、あそこは教会の見た目をしているだけの建物ではないかと私は考えています」
「いやしかし、教会を作るには領主の許可がいるはずだ!ゲルド様がそんなもん許可するはずがねぇ!」
ゲルド様というのはこの街の領主らしい、あのつり目の男の父親か…
「しかし実際に教会はできて公園の男が教会に出入りしている事は明確な事実です。」
俺と師匠が黙ってギルマスとボックさんのやり取りを聞いていると奥からこちらに走って向かってくる人影が見えた
「ギルマス〜!ギルマス大変です!」
「なんだ!こんな時に!」
「大変なんです!子供たちが帰ってこないと街の住人たちが冒険者に捜索依頼を出してきていてその数が多くて」
息を切らせながら報告するこの男はギルドのスタッフなんだろう
「な、エリだけじゃないのか?!」
「決まりですね、同時に子供が攫われたということはあの公園で魔法を習っていた子達なんでしょうね」
「いやしかし、俺の娘も……」
大規模な捜索隊を出すなら組織のトップの許可がいるのは当然だろう
「ギルマス、俺たちが教会には探しに行くのでギルマスは冒険者立ちを使ってそこ以外を探してください」
俺がギルドマスターにそう提案すると少し悩んだ素振りをしたがそれが最善だと判断したのだろう「わかった」といいスタッフを連れて戻ろうとするがスタッフは戻らず
「待ってください」
と俺たちを引き止める
「なんだ!一刻の猶予もないんだぞ!?」
「それが、それだけじゃないんです。街の外の南の方で謎の大きな爆発がありまして魔獣の群れがこの街に向かってきているんです!」
爆発?つまり……
「つまり、その魔獣の群れの方にも人手を割かないといけない分捜索の方に人手が回らないということだね」
「なんでこんな、一気に色んなことが」
ここまで来るとさすがにその魔獣の群れも人為的な思惑を感じてしまうな
「仕方ない、私が魔獣の群れは引き受けるからダグマは冒険者と街の捜索コハクとボックさんは教会を調べてきな」
師匠のその提案にそれしかないかと納得したものが二人、理解出来ていないものが二人
「な、魔獣の群れというのは十匹やそこらじゃないのですよ!?」
「コハクくんを連れていくなんて教会がいちばん怪しくて危ない可能性があるんですよ!?」
俺と師匠それぞれのことをあまり知らない二人からすれば当然の疑問だ
「この二人はどっちも大丈夫だ、常識外れな魔法使いに見た目詐欺な坊主だからな」
ギルドマスターがなんとも失礼な言葉を並べるので師匠と二人してギルドマスターを睨みつけると
「庇ったんだよ…ほんとのことだろ?」
慌てて言い訳をする
それを聞いたギルドスタッフとボックさんは納得はしきれていないようだがギルドマスターが言うならと渋々と了承する
「さて、魔獣の群れが終わったらすぐに私も教会に行くからくれぐれも無理するんじゃないよ」
そう言うと師匠は魔獣の群れのいる方向に向かって翼は出さず風魔法で飛んでいく
「よし、俺達もいそぐぞ!」
ギルドマスターもスタッフの人を連れて走っていくので俺もボックさんと一緒に教会へ向かった
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走りながらお互いのことを話し合う
俺から言わせればボックさんこそ戦えるのか疑問だ。師匠が判断したんだから間違いは無いと思うが
「ボックさんはどれだけ戦えるんですか?失礼ですけど魔法をほとんど使えないと聞きましたが」
人攫いを倒したことは聞いているが武器も持たず魔法を使えないとなると心配になる
「大丈夫ですよ、よく言われますので。魔法は使えませんが魔力は人並み以上には持ってるので肉体を強化して戦うことが出来ます」
なるほど、俺がこの前冒険者ギルドでやったみたいな事か
「コハクくんこそ、戦えるのですか?ダグマさんは心配ないと言っていましたが……」
まぁ、信用ならないだろう。見た目は完全にローブを着た子供だからな
「自分の身は守れますのでご心配なく」
冒険者ギルドで倒した男がどんなもんかは分からないがあの程度から多少上振れしたところで問題は無い
そう短く返す
「それは心強い、しかし教会もなにか罠をしかけているとは思うので注意して進みましょう」
程なくして教会には着くことが出来た。
たしかに前回行った教会のような空気感はなく至って普通の建物という感じだ。
しかし教会と名乗っているだけありあちらこちらに石像が置いてありなんだか視線を感じる
「見られてますね」
ボックさんも視線は感じたようで小声で教えてくれる
止まっていてもしょうがないので二人並んで教会の中を歩く
コツリコツリと二人の足音だけが教会内に響く
予想が外れたか?
そう考えているとふと目の前に人影が現れる
「おやおや、こんな時間に如何されましたか?なにか、懺悔したいことでもあるのですか?」
見るからに怪しい太った男が本を抱えながら石像の後ろから出てきた
この男が魔法を教えていた男か?
そう思いちらりとボックさんの方を見るが違ったの首を軽く横に振り太った男に向かって話しかける
「私はボックというものです。この辺で少し人攫いがありまして、良ければここを少し調べたせて欲しいのですが」
「これはご丁寧に、私はここで神父させて頂いております、名をガルニ。しかし、人さらいとは物騒ですがここは教会ですよ?その疑いすら神への不義というもの」
ガルニと名乗った男は少し怒ったように視線が鋭くなる
「いえ私達もここ一帯を調べさせてもらってるのでここだけ調べないのは他の調べさせていただいた方々へ失礼かと思いまして」
「なるほど、考えは分かりましたがそれでも許す訳にはいきませんな。ここが疑われたとあっては権威に関わるのです。お引取りを」
頑なに調べさせないガルニにボックさんも苛立ち始める
「こちらとしても、大事な人の命がかかっているんです!無理やりにでも調べてもいいんですよ」
「本性を現しましたね、野蛮な男だ。だいたい攫われたとは言いますが勝手に出ていっただけなのでは?教育の問題ですよ」
ん?
「それに無理やりここを荒らしてみなさい、人の方での裁き神からの天罰があなたを裁くことになりますよ」
「あの子のためならそのくらい受けて立つさ」
「はは、暴力ですか。いいでしょう、残念ながら私は優秀な魔法使いでしてね、貴方のような愚か者を懲らしめるのも役目なのですよ」
既に臨戦体勢に入り始めたボックにガルニという男も体から魔力が溢れ出す
このままでは戦闘は避けられないだろう、それはいいのだがそれよりも気になることがひとつ
「ねぇ、なんでこっちは子供なんて一言も言ってないのにわかったんだ?」
そう、あの男こっちは攫われたのがどんな人かも言ってないのに教育どうこう言っていた。
「は?なんです、このちびっこは」
「さっき教育がとか言ってただろ?こっちは子供ともなんとも言ってないのになんでだろうな?」
「攫われると言えば子供に決まっているでしょう!」
そんなことないだろ、なんか面倒だな。
カマでもかけてみるか
「じゃあ奥にぼんやり見える魔力体がいくつも並んでるのはなんなんだ?」
「な、このガキ魔力視が……!」
はいかかった、当然俺はまだ師匠みたいに遠くの魔力が見えたりと精度のいい魔力視は使えないのだが引っかかってくれた
なんでこう言う男たちはすぐに、なっ!とか言うんだろうか
「バレてるんならしょうがない、大人しく帰っておけば死なずに済んだものを」
「コハクくんは下がっていてください、ここは僕が」
まぁ、ボックさんの実力を知るためにもここは見ておくべきだろう。この後まだ戦うことになるかもしれないからな
もし苦戦するようであれば途中から助けに入ればいい
「悪いですが、今の僕には手加減をする余裕は無いので」
「ははは、まさかその構え武器も持たずまさか魔法も使わないで挑んでこようと?よくもまぁ、それでそこまで強気になれるものです!まぁいいでしょう、一瞬で消し炭にして差し上げます!」
ガルニは呪文を詠唱を始めるとボックさんは構えたままダッシュでガルニの元へ駆ける
はやい!
「スピードはあるようで、しかし遅い!『ファイヤーボール』!」
しかしガルニも呪文を詠唱し終わり火の玉をボックに向かって撃ち込む
ボックはそれを大きく左に飛び避けそのままの勢いでまた駆ける
これは勝負は決まったな
「く、ならばこれです!『フィアスピア』!」
炎が円錐型を形取り先程の火の玉よりも早いスピードでボックさん目掛けて飛んでいくがそれもギリギリのところで避けるとガルニの元にたどり着き顔面に向かって拳を振る
「まっ!」
そんなガルにはなにか叫ぼうとしてたのか分からないが話す前にボックさんの拳によってガルニは体ごと後ろの壁に吹き飛ばされることとなった
だいぶ強いな
結果を見てみればボックさんは傷一つおうことなく勝負自体も一瞬であった
「さて、いらない時間を食ってしまいました、急いで先に進みましょう」
それにこくりと頷きガルニの横を通って奥の部屋へ向かう。
俺の出番あるかな……?
戦闘描写を書くのって難しい……( ; ; )
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