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――確か、アクセサリ売り場辺りに居たとか言ってたな。移動していないことを祈るばかりだが。
エレベーターを使うのもまどろっこしく感じたレオンはものすごい勢いで非常階段を上がっていた・
――確か、六階だった筈――。
六階に着いたところで、扉を開ける。
まばゆい照明で目がくらみそうになった。
――ターゲットの……特徴は……。
さほど混み合ってはおらず、結婚を控えているであろう若い男女の客が多かった。
その中で浮いているというか、肥えた中年男と、長身の美女が目についた。
彼らは気になったアクセサリの前に停まり、手に取ったり身体に当ててみたりしている。
――目標の年齢は三十九歳、赤いスカーフを巻いているということだったが……。
男の方はスカーフどころかノーネクタイ。
スカーフを巻いているのは女の方で、ミニのワンピースを纏っていた。
ただ、少しばかり若い娘というには、薹が立っているというか、言葉は悪いが年増美女という表現が妥当だろうか。
――ターゲットの名は有馬五郎と言ったな。それらしき人物はほかにはないな――。
他の売り場も意識して見てみたが、スカーフをしている人物はいない。
――もう一度確認したいが、電話なんてどこにも……。
もしかしたら、あの中年男が身に着けていたスカーフを連れの女に渡したのかもしれない。
「ないな……」
しばらくその場にとどまって、周囲を見回すも赤いスカーフを身に着けた人間はほかに見当たらなかった。
――このフロアを移動したということも考えられる。しかし、いったいどこへ――
フロアの上下――この付近に居るというのなら、まだ探しようがあるだろうが、エレベーターなどを使われ、離れたフロアまで移動されていたら、どうしようもない。
――確信を得られないな。近くに電話できそうな場所もない……。あ、あれは――
そこでふとある場所が目に留まった。
『お客様のお呼び出しを申し上げます。有馬五郎様、有馬五郎様。大切なお話がございます。至急屋上庭園、インド象の石像前までお越しください』
放送に反応するよう、その人物が慌ただしく走り去ったことでレオンが驚愕の表情で固まっていた。




