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頑張りすぎた俺たちは、今度こそ異世界でのんびり暮らしたい!  作者: 花藤 歩


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2/11

家造り

空気が澄んでいてとても心地よい風が吹いている。


「そういえばこの世界の名前を聞き忘れたな」


 もしかしたら俺が1人目の住民でまだこの世界には名前がないのかもしれないが。

それよりも大事なこの世界のルールを決めたい。


 第1に眠くなったら無理をしないで寝る。

 第2に作業や仕事は余裕があるときにする。

 第3に誰かが働きすぎていたら全員で止める。


 この3ヶ条を大事に生活していこう。


 よし、まずは簡易的な家や畑を作っていきたい。

 俺のステータスや持ち物はそのままだと言っていたからインベントリにテントが入っている。家が出来るまではテントで野営生活をするのも悪くはないだろう。


 この周辺を歩いて食べられそうな生き物や植物も探したい。モンスターも出るのだろうか?


 元居た世界より明らかに物資が足りず、不自由な生活が始まるというのに俺の心はワクワクしていた。


 だがまずは……


「たくさん寝よう。今まで寝られなかった分、今日は無理せずに寝る。この世界のルール第1条だ」


 俺はまだ明るいというのにテントを設置し、異世界転移1日目はご飯も食べすに朝まで寝て過ごしたのだった。




 ◆◆◆




「こんなに寝たのは生まれて初めてかもしれない」


 すっかり朝日が昇り目が覚めると、今までにないぐらい頭がスッキリしている。今ならわかる、睡眠不足でダンジョンに行くのは絶対に効率が悪いと。


 さすがに昨日何も食べずに寝たからお腹が空いた。インベントリには災害の時やダンジョン用に水や保存食などが入っているが、これらはもう買うことは出来ないからなるべく緊急事態用に取っておきたい。


 近くに森とかがあればいいが、マップで調べられないだろうか?


 俺はスマホを取りだしてマップが使えないか確認をすると、女神様が対応してくれていたのかスマホ自体が俺の魔力で充電されるようになっていて、マップもこの世界に対応されていた。これはありがたい。


 歩いて30分ぐらいの距離にまだ名もなき森があり、俺はその森を目指して歩き出した。


 走ったらすぐに着くが、俺はのんびり頑張りすぎないと決めたんだ。


 そして時々鑑定を使いながら食べられそうな植物も採取していく。


 そんな時、近くでモンスターの気配がした。


「これはホーンラビットか。この世界にも日本と同じモンスターが居るんだな」


 これで2日分ぐらいの量にはなるだろう。俺は剣でサクッと首を切り落とすが、日本とは違ってドロップ品ではなく死体そのままだ。


「やはりここは異世界なのだな……」


 俺は本当に違う世界にやってきたのだとようやく現実味が帯びてくる。


 嬉しくなり追加で3匹のホーンラビットを狩ってしまったが、インベントリに入れておいてこれはちゃんと後日美味しく頂こう。


 食料も集まったことだしこのままテントに帰ってもいいのだが、どうせなら拠点用の木材も持ち帰りたい。


 俺は剣ではなく、インベントリに入っていたミノタウロスの斧で木を切り倒していく。

初めてのダンジョンボスがミノタウロスだったのだが、記念に取っておいてよかった。


「ふんっ!ふんっ!」


 斧なんか今まで振ったことはない。

 力任せに振っているだけだが、勇者という名の器用貧乏のお陰でなんとなく使えているだけである。


 こうして俺は食料とある程度の木が集まり、テントまで戻ってきたのだが……どうやって家を造るんだ?


 さすがに器用貧乏の俺でも家なんて造ったことがない。木は必要だろうと思って切ってきたが、もう少し計画的に行動するべきだったかもしれないと反省中である。


 こういう時はGoTubeで調べればなんでも載っているだろう。




俺はそれから造り方を調べまくり、2週間かけて何とか家が完成したのだった。


 石を敷き詰めて基礎を作ったり、型枠もしっかりしてなんとか家と呼べる物を造り上げた。最悪、屋根さえあればなんとかなる。


 これでやっとテント生活とはおさらばだ。

 この2週間スローライフどころか働きすぎだった気もするが、達成感が凄い。


 そう意気込んで家の中に入るが、もちろん家具などは何もなく結局家の中で寝袋を敷いて寝る羽目になるのだった。

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