異世界旅行7日目最終日 2
いつもより長くなりました。最後は力尽きました……
「リア様、どちらに行きましょうか」
「………もうどちらでも…」
カメラも無いスパイ眼鏡もない…こんなのこんなのつまらん!っというかさこれあれじゃない?私が相手ってのもあれだけど客観的に見て漫画とかなら結構いいシチュエーションじゃない?騎士と移転者的な?私は召還だけど……え、美味しいよねこれ?でも、写真とか動画とかの記憶に残らない…。こんなのあんまりだわ。
「どうしましょうか…」
いやこのシチュエーションを出来る限り覚えてもうこれは友達にネタとして話すのもありか?と言うことはちゃんとしたデートをしないといけないよね?
幸い馬車で来ていたみたいなのでそれで移動なようだ。さて……よし、これはネタと思って楽しもう!!
「よし!そうと決まれば、とりあえずヒューバートさんは私のこと梨愛って呼んで。私はそのままヒューバートさんと言うから……あとそうですね…敬語は無しで。……はて、こっちのデートって何するのかな?あ、そう言えば坊ちゃんもデートするって………むむ、これは覗きに来いって言うあれかな??覗いて写真とって寄こせって言う…そして見つかったら私達もデートしてましたとか何とか言わせて……」
「り、リア様」
「だから、梨愛だって」
「え、あ、リア?」
「はいはい、そうですねではとりあえず携帯あるし……ヒューバートさんは殿下達が今日どこに行くかご存じで?」
「ええ、それは…勿論」
「では行きましょうか」
「え!?どちらに?」
「決まってるじゃないですか、殿下達を後ろから尾行しますよ!!そして、写真撮りますよ!」
「え!!!?カメラ取られてたでは…!」
「甘い!!!このご時世誰もがいつでも写真を撮れる時代なのよ!」
なんとも言えない顔をしたが無視をしてさっさと馬車に乗り込んだ。え?よくあるあれ?お手を的な?その前に乗り込みましたよ?続いてヒューバートさんが乗り込んでた。
「で、彼らはどちらに?」
「もう、御者に伝えております」
その後、話が続かず静かな空気が漂い何だか居心地が悪い。ふむ……何話そうかなー。この間いろいろ聞いたし……。そう言えば昨日の坊ちゃん寝る前はいつもどおりだったけど帰ってきたときはいつもと違ったな……殿下もかな?そう言えば殿下も違ったのかな…?気になる……
「ヒューバートさん、昨日の殿下はいつもと同じでしたか?」
「え?」
「いえ、あの、昨日アンジュ様とレイチェル様が、ご様子が変だと申され、それに昨日坊ちゃんにお会いしたのですがいつもと何か違う気がしまして……あと敬語になってますよ?」
「そうですね…確かに少しいつもとご様子が違った気が…リアさ…リアも敬語になってますよ」
ふむ…何で敬語になるんだろう…そう言えば同い年だと聞いた気がしないこともない…いや、年下だったかな??
「そう言えばヒューバートさんがおいくつでしたっけ?」
「24歳だ。リア何歳なんだ?」
同い年か…老け顔とか思ったけど年相応な顔してるね?と言うか何で私、殿下達にパシリ扱いされてるんだろう?
「あ、同い年ですねー…何でこっちの人は大人びているんでしょうね?何ですかね…私の扱い酷いのは何でですかね?」
「それは、貴方の行動がとても自由だからでは?」
「つまり、子供と仰りたい?」
聞き捨てならない…私の何処が自由なんだ?行こうと思ったところを邪魔するのはいつも若造達だよ?私に自由があったのか?多少自由にはさせてもらってはいるが節度ある行動はしている!…はず!!
「そうではなくて……何というか……」
あー、口ごもっちゃった。これじゃぁ、聞き分けの悪い子みたいじゃん私?はぁ、話変えようかな?
「殿下達は多分というか、ほぼ確定で変わってきたと思いますが、それは学年が上がってからでしょうか?」
「そうですね…明確には言いがたいのですがそのようだったと記憶しております?」
「敬語…」
いやまて私も敬語か…難しい。これじゃぁ、ネタにならないな…
「殿下の弟君は問題はない?」
「何かあったというのは聞いたことないで…ないな」
ふむ、やはり強制力が働いているのか…と言うか弟君は頭がいいと言ってたしもしかしたら学園では殿下達には近づいていないのかも知れない。
まぁ、きっとドジっ娘の周りだけかな?ドジっ娘、実はこの世界では癌なのか?いやまて、身近で乙女ゲームを見られるのは素晴らしいことだよね?でも、それだとあの殿下とか坊ちゃんが結ばれたハッピーエンドの後は破滅しかまってない……?いや、あの子が実は計算高い子で…いやいやでもでも、それだと修行的な何かあるし婚姻を結ぶ前にボロが出るかもしれない、そうなったらもうさよならになるよね?寧ろここゲームの世界では無いんだしそもそも強制力とか神の悪戯でない限り……ここ、魔法のある世界。いやまてまてまて…そんな都合よくあるわけ……
「ヒューバートさん、つかぬ事を伺いますが、不特定多数の異性を惹きつける魔法とか何かありますか?」
「え……あることはありますが、それは禁忌となってるので」
と言うことはまさかまさかまさか……?え、いやでも、自分で?でも何でそれならドジっ娘にしたのかな?だって、あれだけ可愛かったらドジ踏まなくても落とせたはず…何で?
「まぁ、私には関係ないか」
「?」
「それより、今から行くのはどんなとこ?」
「そうですね…ハーリア邸まではいかないが、素晴らしいお庭がある屋敷の近くに行く」
「それは…屋敷には入っては駄目と言うことかな??」
「まぁ、招待はされてないし先触れも出していないから、出てくるのを待つしか無いかな?」
もしかしたらあの時いた子達の誰かの家なのかもしれないね?そう言えばあの子達の名前知らないなぁ…誰だったっけ…あ、ドジっ娘言ってた気がする…車屋さんみたいな名前に船みたいなのが着いたような名前だったような……誰だ?まぁーいいかな…
「その次は何処に行くの?」
「その次は女性に人気のお店だった気がするな…そう言えばサリア殿がリアとも行ったことあると言っていたな」
え…つまりあの超ゴテゴテのメルヘンなお店に行くの……料理は美味しかった気がしないことも無いけど……そっかぁ…あの店人気なの……
「居酒屋行きたいなぁ…」
最近飲んでないなぁ…居酒屋の料理美味しいし、酒は進むんだよね。
「イザカヤ…?それはどんなところなんだ?」
「んーー…お酒を飲むところ?いや、仕事終わりとかに同僚とかとお酒飲んだり食べたりするとこらかな?」
「あー、なるほどな。お酒はいける口なのか?」
「それは勿論、と言うか社会人になって分かったけど、お酒飲まないとやってられないよ」
「まぁ、分からんでもないが…そう言えば今、ハスーラ様の所に居てるが、仕事はどうしたんだ?」
「そ、れ、が!事業縮小とかでクビになったんだよね…まだ転職して半年だってのに!!」
「た…大変なんだな…次は決まってるのか?」
「んー、今日で帰るよ?明日から就活…仕事探し始めるの」
「あ、もう帰るのか…そうか…」
「でもまぁ、用が出来れば来るし、ま、それも坊ちゃん次第かな?」
「エルリック様次第?何でだ?」
「何でって…」
もしかして召還されて主従関係なの知らないのかな?えー、何て答えようかな…面倒くさ
「親戚とかではないのか…?いやでも、全く異なる容姿だしな…」
「まぁ、そうですね、言えば知り合い?利害の一致?いやまぁ、恩を売って、今恩を返して貰い中?……あ、着いたみたいだよ」
ちょうど馬車が止まった。助かった……
ささっと、ヒューバートさんが降りて手を差し伸べてくれた……
降りられるよこれくらい!凄く困る!!でもこれを無下にしちゃいけないんだよね…恥ずかしい……
つい下を向いて顔が赤くなっているのを隠した。
「あ、ありがとう」
「どう致しまして」
くっそ!!爽やかな顔して!辞めてよね本当に!!!もう、さっさと行こう……
さっと歩こうとすると腕を出された……え、そこに手をかけろと?え?私達交際してませんけど!!!
凄くキョドル私に、困った顔をしたヒューバートさんが声をかけてきた。
「これはデートですからね?もしエスコートしてないと殿下に知られてしまったら、私が咎められてしまいます。私を助けると思って…」
くっ!!殿下のくせに!!!生意気なのよ!!いやまて、これはネタよネタ!ネタのために頑張る……、いや無理かも……
挙動不審な私の手を取ってさっとエスコートしてくるヒューバートさん…もう無理帰る…前向けない、下しか向けない!絶対に顔赤いよ!もう恥ずかしい…穴があったら入りたいよぉぉぉ!!
「それでは、ダームホワイエに行きましょうか」
「わぁ!私そこずっと行きたかったんですぅ!嬉しいです!ノア様」
「さぁ、お手をどうぞソフィア」
「ありがとうございますぅ、エルリック様!」
「ダームホワイエまで近いですからね、頑張って歩きましょうね」
「はい、ノア様!」
やばい見たくない物がある……やばい…でも見ないと……ぱっと声のする方を見ると、奴らがいる…公共の面前で何してるんだよ!
4人の顔がやばい……殿下やばい…?いや、うん、でも3人とも目が違う気がする…でも、ドジっ娘の片側を歩いている時点でしかも、腰に手を添えてる時点でアウトだな。歩きにくそうだな、ドジっ娘!片手は坊ちゃんで腰は殿下って……ありえねぇー。
ぱって、ヒューバートさんの顔を見ると非常に険しい顔をなさっていた。そりゃそうですよね?だって、これだと民衆にバレたり他の貴族にバレたら……
「ひゅ、ヒューバートさん……」
「はっ!すみません、りあ。ちょっと殿下に話しかけても宜しいですか?」
「構いませんが……」
少し急ぎ足のヒューバートさんに引っ張られて、小走りで殿下達の元に行った。
「殿下!これはいったい……」
「ん?何だ、ヒューバートか。何用だ?」
急に幸せの時を崩されてイラッとした顔をする殿下。それを気が付いてるのかついていないのか知らないが、ぱっと、こっちを見たドジっ娘が、二人の腕と腰を振りきってこっちに来た。
「わぁ!この方が殿下付きの騎士様ですか!!?お話しになっていた方より、とても魅力的じゃないですか!」
そう言って、殿下のほうをクルって回って向こうを見た。その時に、髪か服か分からないけど彼女から花のような甘ったるい香りがした。女子力高いな!!ってか、垂らしですか!?垂らしですか!?この年でもう垂らし!!?ヒューバートさんの顔を見ると、ちょっと複雑そうな、嬉しそうななんとも言えない顔をしている。えー…ヒューバートさんそれはないわ…
「はぁ…ヒューバート、お前今日の任務は……やってるな…とにかく私達の邪魔をするな」
そう言って、ドジっ娘の腰に手を回して4人で歩いて行った。去り際に忘れず、手を振るドジっ娘…いや、ソフィア嬢。何か…、これはこれで腹立つな!何男をそんなに侍らしてるの!!?……いや別に彼女に嫉妬してないよ?羨ましいとか思ってないよ?でもね、何か、鼻につくわ!
「不思議な方ですね、彼女は?」
「……顔がにやけてますよ?」
「い、いえ!…あの…その…魅力的とか言われたの初めてでして…」
口ごもるヒューバートさん……いやあのさ、一応私達デートだよね?相手そっちのけでそんな反応してたら、誰も好きになってくれないよ、ヒューバートさん?と言うかあのメンツとやり合えるのですか君は!!?
「まぁ、いっか、どうしますか?この後…」
「そうですね、彼らと同じダームホワイエに行きますか?」
「………ヒューバートさんはあの子に興味おありで?」
「い!…いえ!!」
焦りすぎだよヒューバートさん…別に私貴方の彼女じゃ無いから気にしないんだけどさ、目を覚まそうよ…
「ヒューバートさんは、あの4人を客観的に見てどう思いましたか?」
「どう…とは?」
「そうですね……皆婚約者が居る身で別の女性にうつつを抜かし、そして彼女もそれを知っていて彼らと出かけている。しかもあんなに密着して…駄目だと思ったから殿下に注意しに行ったのですよね?それに異性をあんなに侍らして……紛いなりにも貴族…と言うか貴族ですけど!周りを気にせず、あのようなこと貴方がた貴族はそういうことしていいのですか?」
「……すみません、ですが!」
「1度冷静になりましょう。貴方にとって嬉しい言葉だったのかもしれない。でも、男を侍らしたあの子の言葉に説得力ありますか?実際にそう思ったのかもしれない。でも、貴方は彼女の今している行動を貴族として許せますか?」
「…………」
「私帰りますね?失礼します」
ぁぁぁ!!何なんだ?イライラする!可愛いしドジっ娘でゲーム的キャラとしては立つけど周りに居る身になると鬱陶しいわぁ!!うらやまけしからん!!でも、リアルあんなにはなりたくない。
あとちょっとで馬車と言うところでヒューバートさんに呼び止められた。
「待って下さい、リア!」
「もうデートは終わりですので、呼び捨てを辞めて下さい。では失礼します」
と言うか私、異性に呼び捨てられたのなんて小学生以来なんだよね!やっぱり、駄目だわ!破壊力ある…異世界デートのネタ!とかいって呼び捨て頼んだの間違えだったわ…免疫力ないっす……
「先程はすみませんでした。不愉快な思いをさせて」
「いえ、別にヒューバートさんが不愉快にさせたのでは無くて彼らが不愉快にさせたんです。それに、任務確認は出来ましたし、これで角が立ちませんから、帰りますね?」
「待て。せっかくここまで来たんだし、一緒に街を歩こう」
「いや、昨日歩いたしいいですよ、別に…」
「いや、俺の気が晴れない。行こう、お詫びに何か贈らせてくれ」
「いやいらないし……!!」
逃げようと後ろに足を引いたらさっと、ヒューバートさんに腰に手を回されて連れて行かれた!やーめーてーー!もう、デートなんていいですから!
「わ、分かったから、手を離してくれるかな?」
「逃げるだろう?」
「逃げない逃げない、つか歩きにくい、辞めよう!!!」
腰にまわった手を離そうとするが余計にて力を入れられて、離れないわ、ヒューバートさんの逞しい体を押すが力負けするわ……もう私のHP0に近いよ!!!
1人アセアセしていたら、隣から笑い声がした。
「やはり、殿下が言うようにデートしたこと無いんだろ?」
「な!!!に…2次元で腐るほどしたわぁぁ!」
「ニジゲン?まぁ、なら、こうして歩いてもいいだろ?」
よくないわぁー!!って叫んだけど笑ってスルーされた……。辞めてよ、もう!!穴に入りたい!!
――――――――――
「お帰りなさいませ、リア様……どうでしたかデートは?」
いつも通りの顔のサリアさんが出迎えてくれた。口の端がたまにヒクヒク動いてるのバレてますよ?
「裏切り者に話す事はないよ!もう……」
「それはそれは…残念です」
残念そうな顔してるけどニヤニヤ顔隠せてませんから!!
「坊ちゃんは帰ってきてるの?」
「はい、リア様が帰られる少し前に」
「そっか…あ、夕食私も頂いていいですか?今日は食べたら帰るんで」
「畏まりました、それから、カメラは部屋に置いてますので…」
部屋に戻って帰り支度を始めた。庭で取られたカメラは机の上に置かれていた。まさかサリアさんがあんなにカメラを嫌いだったなんて…ショックだわ。
片付けると言っても、だいたいはいつもキャリーに入れてたから、すぐに片付け終わった。そしたらもう夕飯の声がかかり、さっと部屋を出た。
夕飯は今回の旅行が最終日と言うこともありとても豪華にしてくれた。皆の顔がほっとした笑顔になってるのは何でだろう…。まぁ、料理はやはり美味しいので文句は言わない。でもそろそろ和食が恋しくなってきました。
ご飯を食べた後、坊ちゃんの両親と屋敷の皆さんにお礼を行って部屋にキャリー二つ回収しにいった。その後、サリアさんにもお礼を言って坊ちゃんの部屋の扉をノックした。すぐに不機嫌な声で返事をしたのが聞こえた。
「失礼します」
「……リアか……今日は楽しそうだったな」
こっちを見ずに本を読んでいる。ドジっ娘とデートだったんでしょう?何で不機嫌なの?
「あれを、楽しそうに見えたの?いや楽しかったけど恥ずかしいが勝ってたわ。そんな坊ちゃんもたのしかったんでしょう?」
「まあな」
か、会話続かない…。何なんだ?今日の坊ちゃんは…帰る前に何か楽しそうに話してくるって思ったのに…何か悪いの食べたのかな…?
「七日間ありがとうね、今から帰るよ」
「あ、あぁそうか、そうだったな」
「じゃぁねー、また何かあったら呼んで?」
「あぁ……」
そう言って坊ちゃんのところからいつもの入り口である壁に入っていった。
その先にある私の部屋は煙臭かった。
読んで下さりありがとうございます!




