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黒龍、動き出す

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俺達は修理の終わったドーントレスに乗り試験飛行を行う。


「やはりバリア発生器のリアクターの出力がやや足りない様ですねえ。これでは黒龍(ブラックエンペラー)のブレスに耐えきれません」艦長席に座った雪風が計器を見ながら言う。ロボットなのに椅子に座る必要があるのだろうか、とか思ったがそこは形式なのかもしれない。


魔導反応炉(マジックリアクター)を増加した方がいいんじゃないか。リアクターを使える人材に一人思い当たる人がいる」俺は言った。

「マリエちゃんですか?ですが彼女の両親が許してくれるとは思えないのですが」とエリシエル。

「普通の魔法陣を使うなら、簡単に暴走したりしないだろう。そこをキチンと説明すればわかってくれると思う」

「どうですかねえ。一度無くした信用はなかなか取り戻せませんよ」エリシエルは不安そうに言う。

「ひとまず、ハイパーキャパシティを追加して様子を見て見ますが、設置スペースが足りるかどうか」雪風が言う。

「村に行くなら早くした方がいいよ。そろそろ奴が動き出しそうだ」その時いきなりゼクトールが言った。

「え、黒龍(ブラックエンペラー)はまだ、寝ぐらに居たままですが…いや、マーカーに動きがありますね。奴が活動を開始しました」雪風が慌てて言う。

「このタイミングで来るとは。一度ドックに戻らないと。エリシエル、アーメスを出す準備を」俺がそう言うと。

「大丈夫ですよ。外を見てください」雪風が大型スクリーンに外を映し出す。

スクリーンにはアーメスがドーントレスのすぐ横を飛んで、手を振っているのが写っていた。その後ろにはシュバルツの姿もあった。

「妙に準備がいいな。まあいい。行くぞギオルギーネ」

「へいへい」


俺達は急いで艦橋を出て、外に出る通路に向かう。外部ハッチを開けると、轟々と外の風が吹き込んでくる。すぐ下にアーメスとシュバルツが見える。


「よし、ここから飛び移るぞ」

「ええ、マジかよ」ギオルギーネがギョっとした様に言う。

「うるせー、つべこべ言うな」俺はそう言ってギオルギーネを蹴り出す。

「うぎゃ〜、くぁwせdrftgyふじこlp」ギオルギーネは訳の分からない悲鳴を上げて落ちていった。

下を見るとシュバルツが上手くキャッチした様だ。

俺もハッチから外に飛び出す。

アーメスに乗り込んだ俺は黒龍(ブラックエンペラー)のマーカー位置を確認する。

「てめー、後で絶対殺す」ギオルギーネの声が無線から聞こえたが無視してグライドを加速させる。

「ちょっと、私を忘れていかないで」無線からユリーシアの声もした。

急いでいたのでユリーシアを置いてきてしまった。

「あ、済まない。今は時間が無いんでドーントレスで待ってて」

「ふざけないで、こらケーチ、ケーチ」無線からユリーシアの声が響く。

「戻ってからが楽しみですねえ〜」エリシエルが嬉しそうに言った。


ーーーーー


「なんでユリーシアを置いてきたのですか?」エリシエルが聞いてきた。

「ユリーシアが乗ったままじゃ、黒龍(ブラックエンペラー)に近づけないからな」

「素直にそう言えば良かったじゃ無いですか」

「そんなこと言っても、ユリーシアは無理矢理ついて来そうだったからな。説得する時間が惜しかった」

「なんか素直じゃ無いですねえ。危ないから乗らないでくれって言えばいいのに」

「お喋りはやめだ。そろそろ黒龍(ブラックエンペラー)が近いぞ」俺はそう言うと会話をうち切った。


俺がここまで急いだ理由は人里に降りた奴を出来るだけ早く止めて、被害を減らすためだ。奴のブレス一つで何百、何千もの人が一瞬で死に至る。近づいただけで人が死ぬ様な魔力の塊のモンスターが黒龍(ブラックエンペラー)なのだから。


「居たぞ、奴だ」黒龍(ブラックエンペラー)の姿が見えた。幸運な事にまだ近くには村や町などは無い。


「来たな、カラクリ人形どもが」黒龍(ブラックエンペラー)が怨嗟のこもった声を上げる。


「奴をどうやって撃退するつもりですか」

「ゼクトールから聞いたのだが、黒龍(ブラックエンペラー)には其処を撃ち抜くとしばらく動けなくなる場所、逆鱗があるらしい。レーザーを使ってそこを撃ち抜く」

「簡単に行くんですか?」

「奴も用心しているだろうし、簡単にはいかないだろうな。囮を使って、注意を引いてもらいその間に奴を攻撃する。ギオルギーネ、聞いているんだろう。囮を頼むぞ」

俺が無線を使いギオルギーネに問いかける。

「……」

ギオルギーネは拗ねた様で答えてこない。


「まだ、さっきのこと怒っているのか」

「最近、私の扱いが軽く無い?」ギオルギーネがそう言った時


「高エネルギー反応。ブレスが来ます」エリシエルが叫ぶ。

「今は戦闘中だ。話は後で聞いてやる」

「チッ、仕方ない。やるぞシュバルツ」

「了解、ギオルギーネ様」


シュバルツは背中に背負った大剣を振り上げ、黒龍(ブラックエンペラー)に突っ込んでいった。

黒龍を封印した装置について。


二百年前に黒龍を封印した時に使った装置。今回もまたそれを使えばいいんじゃ無いか。と言われそうなので予め説明します。実はあの装置には神威の重要なパーツを使って作られており、そのため神威はまともに動けなくなったため使用されず保管されています。

黒龍を封印した時の戦いが神威の最後の戦闘になっています。

じゃあ、アーメスかシュバルツから、その部品を取って使えばいいんじゃないとか言われると、それは最後の手段としてとってありギリギリまで使いたく無いのでとしか言えないです。

主人公達の機体が使えなくなるのは、ちょっと問題なのでw

最悪、シュバルツをバラすか…

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