王宮騒動
今、千葉に仕事で来ているのだが、この前の台風で泊まっていた宿の屋根が吹っ飛んでしまい、泊まれなくなってしまい、色々ゴタゴタして更新が遅れてしまいました。
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非常にめんどくさいがミーシェルさんに睨まれて俺達は家を出る。
後から家を出てきたライオットがドヤ顔で「では俺が案内してやろう」などと言ってくるのがウザい。
とは言えせっかく案内してくれると言うなら、王宮への案内を任せる事にした。勿論、グライド内に入れる
訳ではないので肩に乗せて飛ぶ事にする。
外で寒いだの、落ちるだの色々文句を言っているようだが一切無視する。
「いいんですか、ライオットをあのままにして」
などとエリシエルが言ってくるが、あまり気にしない。
「いいんだよ、たまにはいい薬だ」
「ただの仕返しのような気がしますが…」
などと言っている間に王宮にたどり着く。
青白い顔をしてガタガタ震えているライオットを肩から降ろす。俺のことをギロリと睨みつけてくるが気にしないで王宮に向かう。
門の前までくると衛兵が俺達を止めるが後ろからやってくるライオットに気がつく。
「これはライオット殿下。失礼致しました。どうぞお入りください」
流石に王子だけあって顔パスである。
衛兵の案内で王宮の中を歩いて行く。王の私室まで来ると衛兵が扉をノックして言う。
「ライオット殿下をお連れしました」
すると中から小姓が現れ、俺達を招き入れた。衛兵は一礼すると持ち場に戻っていった。
入った先は控えの間らしく、王の部屋は更に中にあるらしい。
「こちらでお待ちください」
と小姓に言われたので椅子に腰掛け待つ事にする。程なくして小姓が帰ってくる。
「王がお会いになるそうです。どうぞ」
ライオットが扉を開けて中に入る。その後ろから部屋に入ると
「だから私は行かなくちゃいけないの。早く帰してちょうだい!」
いきなりユリーシアの怒鳴り声が聴こえる。
「ユリーシア、そう言う訳にはいかないんだ。大人しく王宮に居てもらわないと…」
王がオロオロしながらもユリーシアをなだめようと必死になっていた。王もユリーシアには甘々の様である。王の貫禄もあったものじゃない。
「む、ライオットか。よく戻った」
ライオットが入ってきた事に気がついた王は、取り繕い貫禄を保とうとしたが、今更手遅れである。
「はっ、お父様。ただ今戻りました」
ライオットは膝をついて帰還の挨拶をする。さっきの様子を見ていたはずだが、見なかったふりをしている。意外と出来たやつなのかもしれない。
「後ろの男は誰だ」
王が俺を見て尋ねる。
「ケーチ」
ユリーシアが俺を見つけて叫ぶ。
「ユリーシアが出奔した元凶になった男、ケーチを連れてまいりました」
ライオットが言う。おい、それじゃ俺が全ての原因みたいじゃないか。
「貴様がケーチか」
王が俺を睨み言い放つ。不味いなあ。怒ってるよ。一応謝りに来たはずなのだが、このままじゃ謝る間も無く処刑とかされそうな勢いである。俺は周囲を見渡し、いざとなったらすぐ逃げれる様に逃走経路を計算する。
「父上、ここは私にお任せ下さい」
後ろで座っていた黒い服の男が立ち上がり、俺の前まで歩いてきた。背は俺よりも高く、長い髪を後ろでひっつめにして縛っている。
「彼がアレックスの様です」
エリシエルが小声で伝えてくる。そうか奴がライオットを上回るシスコンのアレックスか。父親も甘々だし、兄貴は二人ともシスコンだし、ユリーシアがワガママ放題に育てられたってのもわかるなあ。
「さて、こいつをどう処分するか」アレックスが言う。
へっ?。こちらの話も聴かないでいきなり処分ですか。
「お待ちください、兄上。確かに彼がユリーシアが王宮を出た原因だとは言いましたが、外にいる間、彼がユリーシアを守り、保護していたのも事実です。どうか落ち着いて彼の話を聞いていただけないでしょうか」
お〜、ライオットが一応俺の為に弁解しようとしている。
「うるさい。ユリーシアが出奔している間、奴がずっと一緒だったんだぞ。奴がユリーシアに何をしたのかわからんのだぞ。あんなことやこんなことを、うらやまし、もとい、とにかく決して許す訳にはいかんのだ」
うわ〜、アレックスはライオットよりダメダメな感じで妹を溺愛している様だ。ちょっとならず、めんどくさい事になりそうだ。
「そいつを引っ捕まえ、牢にぶち込んでおけ」アレックスが叫ぶ。
部屋の隅に待機していた警備兵が俺を捕まえようとにじり寄ってくる。
「ケーチ!」
ユリーシアが俺に走り寄ろうとするのをアレックスが止める。
まだ一言も話していないが、どうしようもなさそうだ。スーツの倍力機構のスイッチを入れる。
近づいてきた警備兵を薙ぎ払うと、ユリーシアの所に一気に駆け寄る。
「あんたに恨みがある訳じゃないが、話を聞いてもくれないのではどうしようもないからねえ」
俺はそう言ってユリーシアをかばおうとしたアレックスを蹴飛ばし、ユリーシアを抱きかかえる。そしてそのまま、窓をぶち破って外に飛び出す。
「馬鹿な、下まで三十mはあるぞ。死ぬつもりか」
アレックスが慌てて窓に駆け寄る。
「すまないね。ユリーシアは貰っていく」
窓のすぐ下に光学迷彩をかけて待機させていたグライドの上で、俺は子馬鹿にした様にアレックスに手を振ってやる。そして光学迷彩を解除すると、コクピットのハッチを開ける。
「ごめんね、アレックス兄様」
ユリーシアが済まなさそうに、アレックスに話す。
「ユ、ユリーシア」
アレックスが窓際でガクンと膝をつく。
「何をしている。機人を出して奴を取り押さえろ」
王が警備兵に指示するが、機人ではグライドに追いつけないだろう。
「気が向いたら帰って来いよ」
ライオットがユリーシアに言う。
ユリーシアはうなづくと、大きく手を振って言った。
「お父様、アレックス兄様、ライオット兄様、またね〜」
俺達はコクピット内に入ると、グライドを高く飛翔させた。




