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36/54

何でもやり過ぎって良くないよな

前の話を読み返してみたら、学園の名前が間違ってることに気づいたので、修正しました。

34


「さあじゃんじゃんダンジョン攻略するわよ〜」


次の日の朝、ユリーシアは妙に機嫌が良かった。


「何であんなに元気なんだ?」


俺はエリシエルに小声で聞いた。


「Sだから、ライオットと景一をボコ殴り出来て、生気を取り戻したんじゃないんですか」


「聞こえてるわよ」


クルリと後ろを振り向いてそう言ったユリーシアだが、それ以上は突っ込んで来ずまた先頭を軽い足取りで歩き出した。


「口は災いの元ですねえ。桑原、桑原」


何故だか古風な受け答えをするエリシエル。


「ケーチがユリーシアちゃんを取り返しに来てくれたのが嬉しかったんでしょうね、きっと」


俺達を見送りに外に出てきた女将がぽつりと言った。


「ほら〜、早く来ないと置いていくわよ」


先頭を歩いているユリーシアは、なかなか追いついて来ない俺達に焦れて声を荒げた。


「それじゃ気をつけてね」


女将に手を振って別れると、俺達は冒険者組合に向かった。


組合に着いた俺達は早速ラングレストについて調べ出した。

ダンジョンの内部のわかっている限りの精細な地図。ダンジョン内に巣食っているモンスター達のデータや生息域。とにかく組合でわかる限りの情報を集めた。


「やはり厄介なのはドラゴンですねえ。ダンジョン内部のドラゴンは大きくてもせいぜい30m程ですが、数は多いです。知能も高いようでダンジョン内部に色々なギミックを作って冒険者達を妨害しているようです。他のモンスターも油断なりません。ゴーストも勿論存在しているので注意です」


流石に国内最大で最強のダンジョンだけあって、一筋縄ではいかないようだ。


「しかしこれ、どうやって作られたんだろうねえ」


と俺が思わず呟いてしまうほどこのダンジョンは特殊な構造をしている。

まず中央部分には巨大な縦穴があり、ドラゴン達はここを通路にしてダンジョンの出入りをしている。

縦穴は直径が100m程はあり、いびつな形をしている。深さは測られたことがないので正確な数値は解らないが何千mも有ると言われている。最深部はマグマのある層まで達しているはずだ。よく噴火しないな。

縦穴から無数の横穴が伸びており、これが膨大な数があるため攻略が遅れている。


「さてダンジョン攻略方を考えよう」


「縦穴に高エネルギー弾を撃ち込めば、一気に攻略です」


「アホか、そんなことしたら噴火してこの国どころか周辺国まで被害が出るぞ」


「それじゃ逆に超低温で冷やしてしまうってのは?」


「それが出来れば一番良いが、どうやって冷やすんだ。熱を起こすより冷やす方が難しいんだぞ。排熱は何処に捨てるんだ?エリシエルは考え方が乱暴すぎる。もっと真面目に考えろ」


「文句ばかり言って。それじゃ景一には良い案があるんですか?」


「今考え中だ。そもそも簡単に出来るならとっくにここは攻略されてるよ」


「焦らないで地道にモンスターを倒して、数を減らしていくしかないんじゃないの?」


とユリーシア。


「結局そうなるか。モンスターごとの攻略チャートを作って効率よく倒せるようにしよう」


「ゴーストはどうします?」


「あれは諦めよう。出くわしたらゼオフィールドの変動場で吹っ飛ばしていくしかないな」


「了解。では私はモンスターの攻略チャートの制作と武器のセッティングを行なっています」


「頼んだよエリシエル」


「私達はどうするの」とユリーシア。


「腹が減っては戦は出来ず。飯でも食いに行こう」


と言うことで二人で街に出る。ユリーシアは王族なので食にうるさいかと思ったが、以外に庶民の食べ物でも気にせず何でも食べる。アルコールには極端に弱いのでお酒は厳禁だが(笑)


「ユリーシア、何が食べたい?」


それでも一応お伺いを立ててみると


「あそこの店がいいんじゃない?」とおしゃれな感じのカフェを指差す。


う〜ん、俺みたいな男はああいう場所は苦手なのだが。そもそも元の世界では碌にカフェに入ったことすらない。


「ダメ?」


「いや、そんなことはない。行こうか」


覚悟を決め、カフェに向かおうとした俺達の前に黒ずくめの女が現れた。


「二人でデートとかいいご身分だな」


「お前、ギオルギーネじゃないか。生きていたのか」


「勝手に殺すな。っていうかこの前のことは忘れてないからな」


「誰、この人?」いきなり現れたギオルギーネに不信感を持ったユリーシアが聞いてくる。


「ほらオリエンテーラ鍾乳洞の入り口で、俺達がボコボコにした機体があったろう。あの機体のパイロットだよ」


「ああ、シュバルツの機構騎士なんだ。そう言えば声に聞き覚えが」


「お前こそ誰だ。このチンチクリン」とギオルギーネ。


「ち、チンチクリンって失礼な。私はケーチのパートナーよ」


と二人でうるさく言い争う。ユリーシアとギオルギーネは相性悪そうだ。


「ギオルギーネ様、そろそろお時間ですので行かないと」


ギオルギーネの胸の通信端末から声がする。どうやらシュバルツらしい。ちゃんと様付けで呼んでくれるなんてエリシエルより素直そうだな。羨ましい。


「景一、何か変なこと考えていませんか」


エリシエルが俺の心を読んだかのように話しかけてくる。


「しかし二人目のパートナーも幼女か。景一、ロリコン趣味も程々にしておけよ。じゃあな」


「別に俺の趣味でパートナー選んだわけじゃないのに…」


「あ、そうだ」去りかけたギオルギーネだが、こちらを振り向くと言った。


「ゴースト対策はちゃんとしたからな。もう貴様に遅れはとらん。じゃあね、バハハーイ」


ギオルギーネはそう言って人混みの中に消えていった。


「なによ、あの女。胸が少し大きいくらいで偉そうに」


いや、胸だけじゃないだろうと幼児体形のユリーシアを見ながら思ったが、あえて口には出さなかった。


その後、飯を食い終えて戻ってきた俺達だが。


「なんじゃこりゃ」


「今まで作った武器を、この際だから積めるだけ積んでみました」


背中に大量の武器を背負ったグライドはさながら五条大橋の弁慶のようだった。


まあ、一応準備は出来た。俺達の戦いはこれからだ。



まだ連載は続くからね。打ち切りじゃないよw

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