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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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苦労

 あたしの料理をねぇねが見に来ていた時の話です。料理の話がひと段落したところでねぇねがふとお兄ちゃんの話をし始めました。


「妹ちゃんのお兄ちゃんって何でもできそうよね」


 そう言われて、鍋をかき混ぜながらあたしは答えます。


「そうですね。家事ならだいたいできると思いますよ。あたしがまだ小学校の低学年の時には全部お兄ちゃんがしてくれていましたから」


 あたしの答えを聞いてねぇねは「そうなのよね~」と腑に落ちないような声で言います。あたしとしてはせっせと家事をしているお兄ちゃんの方が見慣れているので違和感はないのですが、ほかの人から見るとそうではないのでしょうか。


「ねえ、妹ちゃん。お兄ちゃんに何か弱点とかないの?」


 何やら期待しているような目でねぇねはあたしを見ますが、お兄ちゃんの弱点ですか……お兄ちゃんは本当に何でもできるイメージなので特に何も思いつきません。


 でも、何かないかと思い出していると、一つ思い浮かびました。


「そうですね。弱点とは違うんと思うんですけどあーにぃは割と独り言が多いです」


「独り言が?」


 ねぇねがそういって小首をかしげるのであたしは思い出しながら続けます。


「昔聞いたことがあるんですが、確かあたしがまだ喋れなかった頃の長期休暇に何かあったらしいですよ?」


 何があったのかは教えてくれなかったような気がしますが、ねぇねは急に黙り込むと何か納得したように「ありがとう」と言ってリビングの方へ戻っていきました。


 その入れ違いでお兄ちゃんが来たのですが、不思議そうな顔をして「今、アイツに『アンタも苦労してんのね』とか言われたんだけど、何か言ったか?」と言っていました。

夏休み→子守と家事→ほぼひきこもり→話さない→……

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