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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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冬と桃

 転校してきてから数週間。わたしとしてはそろそろクラスメイトからの物珍しげな視線から解放されて、時折愛想よく級友に挨拶などをすれば後は一人でいられるようになってもいいのではないかと思っていました。


 しかし、実際は放課後クラスメイトがまだ学校で遊ぼうと言っている中先に帰ろうとするとどうしてもとある子と一緒に帰ることになってしまいます。


 その子の名前は桃花《とうか》。漢字は違うけれど私と同じ名前の子です。だからクラスではわたしは冬、この子は桃と呼ばれています。


「まだ蝉が鳴いてるんだね」


 桃がそういったので、わたしも意識して耳を傾けてみると確かに蝉の鳴き声が聞こえます。とはいっても、蝉は蝉です何が面白いのでしょうか?


「そうだね」


 よくわからないのでそれだけ返してみましたが、ふと尋ねてみたいことがあったのでもう一度口を開きます。


「桃は虫とかが好きなの?」


 わたしの質問に桃はぶんぶんと首を振ります。その小さい体も相まってとても同級生には見えません。


「虫は嫌いなんだけど、昼間に蝉が鳴いてて夕方になるとコオロギが鳴いてて。丁度夏と秋の境目なんだなあって思って」


 でも、たまにこうやってどこか大人びたことを言います。それがとてもアンバランスで、だからわたしはこうやって柄にもなく質問をしてしまったのでしょうか。


「だけど、蝉とコオロギが同じ日になくって変な感じだなって言われたな~」


 そんな桃のつぶやきを聞いてわたしは思わず誰に言われたのかを聞きそうになりましたが、何とか聞こえないふりをすることができました。

冬子にはツッコミ役になってほしい(願望)



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