↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOVERSコード  作者: 蒼貴みかげ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/58

code06:vision01 帰りの月

 異世界に鳴る音楽、喧騒。

 横目に外界を見る思いで、

 月岡町を抜けた。


 コインパーキングには濃い影が落ち、

 街から切り離された静寂があった。


 高桐は、清算機にスマホをかざすと、

 さっさと車に乗り込み、ドアを閉めた。

 

 三朝だって乗らないわけには行かない。

 気後れしながら、助手席に乗った。


 すでに電子煙草を手にしていた高桐は、

 ベルトを締めると、静かに車を出した。


 高速経由で、本部まで40分。

 車が市街地を抜け、ETCゲートに入る。

 よく晴れた夜空に、うっすら星が見える。

 大きな月は、今度は黄色く輝いていた。


 蒼い、あの廃ビルの部屋が思い出された。

 知り合って2年――。

 一目惚れにも近かった、塗りこめて来た、

 その想いが、尋問にかけられた。

 それも並みの腕じゃない、あの目に。


 こうなる予感が、あったか、なかったか。

 なかったと言えば噓になると自覚していた。


 最初から……と、振りかえる。

 再会してからの高桐に、どこか、なにか。

 あの頃と違うものを、感じていた。

 

 あの夜、何も話せず、それきり別れた。

 触れた一瞬の感触だけが烙印のように。

 

 どちらからも連絡は取らなかった。

 無いものになったと思っていた。


 それこそが、逆に都合のいい解釈――

 だったとしたら。


 蒼い部屋で、応えなかった。

 逃げてしまった。

 それが何をもたらすのか。

 どこへ堕ちてしまうのか。


 どうすれば――。


 熱い感触の残る腕をさすりながら。

 三朝は本部までの道を、

 窓の外の景色を見て、流れた。

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。