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LOVERSコード  作者: 蒼貴みかげ


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code05:vision13 反応

 蒼い月灯りが、わずかに陰る。

 縫い留められたように、動けなかった。


「さっき」


 声は響かず、ダイレクトに届く。

 何を言おうとしなくても、唇が震えた。


「何て言いかけた? クラブ・アリアで」


 にわかには信じられず、ただ見返す。

 高桐の目は”探して”いるようだった。


「言いかけたよな、さっき。イヤですって。……何が?」


 飲み下す、喉の音は聞かれただろうか。

 掴まれた腕の熱さが増していた。

 何かが、もう――変わってしまっている。


「言えよ」


 焦れたようではない、いつもの口調。

 平然と、ただ目の奥だけが、深い。


「立樹」


 少しだけ、揺らいだのを感じた。

 月灯りに蒼い、この高桐は。

 知っている高桐では、なくなっている。


 出しても、いいのか……?

 蓋をし、重石を乗せ続けた。

 なのに消えない、どころか膨らみ続けた。


 動けない、三朝のこの揺らぎを。

 高桐は、目の前で待っていた。

 この目だけは知っている。

 相手を逃さず、堕とし処を探っていく。

 聴取の時に見せる、あの―。


 三朝は逃れるように、顔を背けていた。


「行きませんか」


 声が上ずるのは、抑えられなかった。


「帰って診てもらいましょう。

早い方が良いです。案外……深いですよ」


 腕の手が強くなることも、

 揺さぶられることもなかった。

 ただ静かに、手と体が離れ。

 翳りが晴れた。


 高桐は黙って立ち上がり。

 ゆっくりひじ掛けのジャケットを取る。


 三朝が立ち上がると、

 顔を見ることなく、歩きはじめた。


 受け取れなかった自分が招く応え。


 その恐怖と、

 どちらが勝っていただろうか――。

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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