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LOVERSコード  作者: 蒼貴みかげ


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code01:vision03 司令部第三係

――同4月10日 15時50分――



 去って行く、長い後ろ髪が揺れている。

 班長の風格がある倉橋の背中を見送って。

 

 三朝は、案内された先を見上げた。


 司令部第三係――。 

 廊下の中ほどにあるドアだった。

 片面ガラス張りの長い廊下。

 晴れわたる空と、広がる海。

 

『いいな、三朝。延期申請は今回限り。

異動は4月10日。これ以上のわがままは認めん』


 10日前に受けた怒りの電話。

 ここでも、そう思われているだろうか。

 

 ともかくもノックしようと、近づくと。 

 ドアはあっさり中から開いた。


「立樹?」


 出てきたのは知っている顔だった。

 一気にホッとして、笑みがこぼれた。


「奈守さん」

「何してんの? 声がしたのに入って来ないから」


 奈守は「座りなよ」と言って。

 部屋の奥のコーヒーサーバーから、

 紙コップを出しはじめた。


 三朝は、次なる職場に驚いていた。

 デザイン事務所のオフィスか、

 と言いたいほど。


 品のあるソファセットにテーブル席。

 パソコンを配した明るい木製のデスク。

 ダウンライトが照らす室内に、

 細窓から差す西日。

 

 警務にセンスのいい人が居るんだろうか。


 ためらいつつもソファに腰を下ろした。

 ローテーブルにファイルが置いてある。

 

「いつぶりかな……去年の7月?」


 懐かしい笑顔で、奈守が訊く。

 前職=警視庁からの知り合いだった。


「そのくらいですね。

奈守さんがこちらに来られる前でしたから」


「時田谷だっけ?

大変だってね、あの男の子。少しは話せた?」


「いえ、結局……

こちらへ来るのが遅れてしまいました」


「仕方ないよな。できれば見届けたかっただろうし」


 ひと口、飲んだカップをテーブルに置く。  

 手に取ったファイルをパラパラと確認して。

 また軽やかな笑顔を見せた。


「ゆっくり話したいとこだけど。これ、先に済ませようか」

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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