code04:vision10 地下駐集合
午後8時45分。
本部地下駐車場に行くと。
すでに何人かが集まっていた。
「お」
班員と話していた奈守が、
三朝を見つけて寄ってきた。
「似合ってんね。遊び服も」
「奈守さんこそ」
いや、ほんとに遊び慣れた服。
黒い七分袖ニットに、黒いパンツ。
シルバーのネックレスの定番スタイル。
「あーっと。ホストに見えるとか言うなよ」
「言いませんけど、ダメですか」
「聞き飽きてるから」
ワックスで流した髪が、良く似合う。
「にしても」
三朝の顔を覗き込んだ。
目線が細部に散らばっていく。
「メイク変えると印象、変わるねえ……見たらどう思うかな」
訊きかえそうとしたが、
白石が歩いてくるのが見えた。
奈守がさっそく、声をかける。
「いいよ。いつもより大人に見える」
「落ち着かないけどね。サイズはいけた」
黒いタートルニットに、
濃い青のピンストライプジャケット、
黒い細めのパンツで足長に。
白石の印象にはない服だ。
「俺の」
服を貸した、という意味らしい。
ふり向いて、にやっと笑った。
また、すぐ向き直る。
「白石くんさあ。立樹、頼むよ。
けっこう絡まれる店って聞いたからさ」
「なんかあったら守るよ」
こちらは見ずに答えている。
「白石くんなら大丈夫だけどね。
祝日で人も多いだろうし。
白石だって、気をつけなきゃいけないけどな」
「仕事だからね。何とかやるよ」
そう言った白石が、視線をすっと流した。
本部地下駐車場、通用口のほう。
「行けそうか」
高桐の声だった。
ふり返って、三朝は。
正直に、見とれてしまった。
一瞬、目が合うが、逸らせない。
奈守も驚愕の表情で迎えている。
「なんだ、お前。ズルいよ、それ。決まりすぎだろ」
「普通だろ。いつものスーツだぞ」
たしかに、いつもの黒いスーツだが。
インナーを白いTシャツにするだけで、
そんなに……。
ここぞとばかり奈守が絡んでいく。
「いやあ、どうかなあ。ふつうって。
普通じゃないよ? あの店。大丈夫か?
……いや、危ないよ。なあ、立樹」
「なんで振るんですかっ」
みっともないほど取り乱してしまった。
「いや、止まってるみたいだったから、時が。
高桐、お前。
今日も声かけられまくるぞ、狙ってんじゃないだろうな」
「いいから。奈守こそ頼んだぞ。ホストのふりしてもいいけど」
「そりゃもう任せといて」
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