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LOVERSコード  作者: 蒼貴みかげ


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30/58

code04:vision02 AIモンタージュ

 4月25日14時。

 奈守班が大城の家宅捜査を行ったが。

 凶器や被害者の所持品は出なかった。


 室内は不自然なほどに片づいており、

 それが三係に不穏な空気をもたらした。

 

     ***

 

 白石班によるAIモンタージュ生成。

 当初の懸念通り、難航している。

 時刻は15時、開始から2時間――。


『そこは……いや、もっと目が長かったような』

『さっきと言ってることがちがうぞ』


 新堂がノートPC越しに大城をにらむ。

 白石班班長、新堂保津巡査部長。


 大城は供述を二転三転させていた。


『いやだって、あんな暗いトコで見た、

よく知りもしないヤツの顔なんて覚えてないでしょ』


 態度が不遜なものに変わっている。

 奈守じゃないので舐めてるようだ。


 本人がモニター前で頭を抱える。

 

「あー、もう。助けてやれたらいいけどねえ」


 壁にもたれる高桐も同感だが。

 

「まあ見てみよう。

疲れさせたら引き出せるかもしれない。

新堂の経験にもなるしな」


 モンタージュは不確定要素が強い。

 人の記憶に頼る、嘘か誠かも不明。

 カメラやビデオのようにはいかない。


「しかし、テキトー言ってやがんな」


 明らかにイラだちの混ざった声。

 初日の聴取から奈守は怒っている。

 高桐もいい加減うんざりしていた。

 

「完全に誤魔化そうとしているな。

逆にはっきり覚えている可能性も高い」


「知らないヤツなら、捕まったって関係ないもんな」


「仲間なのを隠している、

という口ぶりでもなかったからな。

喋るとマズい事情があるのかもな」


 奈守がかみ砕くように頷く。


「……そうだよな。組織がらみってことは」


「報復でもあるのかもしれない」


 画面の中の新堂が限界に見えた。

 一歩出て、奈守の横に立った。

 

「そろそろ手、貸すか?」


「ああ、十分だよ。ちょっと言ってみるわ」


 手元のスイッチを押す。

 わずかに新堂が反応した。 


「奈守だ。新堂、頑張ったな。

こう訊いてみろ。『なんで庇うんだ』って」


 新藤の目つきが変わる。

 そのまま大城を睨みつけた。

 

『おまえ、庇ってるのか』


『な、』


 急に慌て始めた。


『何をだよっ』


『その2人、それと運転手だよ。庇ってるな』


『ち……はっきり覚えてないだけだっ。

何度も言ってるだろっ』


 新堂が手元のキーボードを少し叩く。

 『何かありそうですね』と表示された。

 

「まちがいないな」


 高桐が言うと。

 奈守はまたスイッチを押した。

 

「もうちょっとだけ粘ってみて。

俺があとで追及入れる」


 モニターに『了解』と表示され。

 質疑応答がつづけられた。

 奈守が足を組む。


「これでも正確に、とはいかないだろうけど」

 

「正確にできたとしても、

そこから辿れる保証もないからな。

夜の聞き込みで使うしかないが」


 不意に奈守が袖を捲り時計を見る。

 黒くてゴツい、高価な腕時計。


「もう4時半か。何時に出るの?」


「5時半ごろかな。行く前に本庁に寄るから」


「まあ、がんばってよ。店には話つけといたからさ。

全面的に協力しますって言わせといた」

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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