code04:vision02 AIモンタージュ
4月25日14時。
奈守班が大城の家宅捜査を行ったが。
凶器や被害者の所持品は出なかった。
室内は不自然なほどに片づいており、
それが三係に不穏な空気をもたらした。
***
白石班によるAIモンタージュ生成。
当初の懸念通り、難航している。
時刻は15時、開始から2時間――。
『そこは……いや、もっと目が長かったような』
『さっきと言ってることがちがうぞ』
新堂がノートPC越しに大城をにらむ。
白石班班長、新堂保津巡査部長。
大城は供述を二転三転させていた。
『いやだって、あんな暗いトコで見た、
よく知りもしないヤツの顔なんて覚えてないでしょ』
態度が不遜なものに変わっている。
奈守じゃないので舐めてるようだ。
本人がモニター前で頭を抱える。
「あー、もう。助けてやれたらいいけどねえ」
壁にもたれる高桐も同感だが。
「まあ見てみよう。
疲れさせたら引き出せるかもしれない。
新堂の経験にもなるしな」
モンタージュは不確定要素が強い。
人の記憶に頼る、嘘か誠かも不明。
カメラやビデオのようにはいかない。
「しかし、テキトー言ってやがんな」
明らかにイラだちの混ざった声。
初日の聴取から奈守は怒っている。
高桐もいい加減うんざりしていた。
「完全に誤魔化そうとしているな。
逆にはっきり覚えている可能性も高い」
「知らないヤツなら、捕まったって関係ないもんな」
「仲間なのを隠している、
という口ぶりでもなかったからな。
喋るとマズい事情があるのかもな」
奈守がかみ砕くように頷く。
「……そうだよな。組織がらみってことは」
「報復でもあるのかもしれない」
画面の中の新堂が限界に見えた。
一歩出て、奈守の横に立った。
「そろそろ手、貸すか?」
「ああ、十分だよ。ちょっと言ってみるわ」
手元のスイッチを押す。
わずかに新堂が反応した。
「奈守だ。新堂、頑張ったな。
こう訊いてみろ。『なんで庇うんだ』って」
新藤の目つきが変わる。
そのまま大城を睨みつけた。
『おまえ、庇ってるのか』
『な、』
急に慌て始めた。
『何をだよっ』
『その2人、それと運転手だよ。庇ってるな』
『ち……はっきり覚えてないだけだっ。
何度も言ってるだろっ』
新堂が手元のキーボードを少し叩く。
『何かありそうですね』と表示された。
「まちがいないな」
高桐が言うと。
奈守はまたスイッチを押した。
「もうちょっとだけ粘ってみて。
俺があとで追及入れる」
モニターに『了解』と表示され。
質疑応答がつづけられた。
奈守が足を組む。
「これでも正確に、とはいかないだろうけど」
「正確にできたとしても、
そこから辿れる保証もないからな。
夜の聞き込みで使うしかないが」
不意に奈守が袖を捲り時計を見る。
黒くてゴツい、高価な腕時計。
「もう4時半か。何時に出るの?」
「5時半ごろかな。行く前に本庁に寄るから」
「まあ、がんばってよ。店には話つけといたからさ。
全面的に協力しますって言わせといた」
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