code02:vision08 クラブストリート
――4月19日 22時――
月岡町。
クラブストリートに到着した。
いたる所に若い男女の輪があった。
あふれる光と、地響きしそうな音楽の中。
むせかえる酒の匂いと色香の気配が。
笑顔の会話に、交錯していた。
一応、服装は気をつけてある。
悪目立ちしないよう、スーツは避けた。
それは、高桐も――。
通りですれ違う女性の、そのほとんどが。
高桐を見て息を飲む――そう見えた。
グループごとに話を聞いてまわって、
三朝は高桐と、一旦、合流した。
「どうだった!」
三朝の耳に顔を寄せて、高桐が叫ぶ。
音楽が煩くて、接近しないと聞こえない。
三朝も背伸びして、高桐に顔を近づけた。
かすかな香りを感じてしまう。
「だめです! 車は見たそうですが!」
「こっちも被害者は見たって!」
「え! なんですか!」
「被害者は見たが、店に入る時!」
「目立ってたんでしょうか!」
「通ってたから知ってるヤツが多いんじゃないか!」
「じゃあ、もう少し聞いてみますか!」
「こっち側はほとんど聞いただろ!」
「それじゃ向こうのっ」
反対通りを振り返ろうとした時。
通行人が、思いきりぶつかって行った。
三朝は高桐に抱きとめられる形になった。
腰のあたりに手が添えられている。
「すみませんっ」
慌てて離れようと見上げると。
間近に目が合って、止まってしまった。
凄まじかった音楽が、一瞬、消える。
本当に、静かな音楽に変わっていた。
「通りの向こうで訊いてみるか」
いつのまにか手も離れている。
「そうですね」
歩き出した高桐に続いた。
鎮めようと、思わず息をついていた。
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