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LOVERSコード  作者: 蒼貴みかげ


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14/58

code02:vision06 WHITE BASE

――同4月19日 午後13時――


 高桐は、8階の捜査部に出向いた。


「どうだった」 


 白石彼方が顔を上げる。

 机に向かったまま的確に報告した。


「叩き起こして出させました。

すごく迷惑そうにされましたけど」


 さっそく熱心に解析していたらしい。

 足元のデスクトップに繋がったノートPCを

 器用に操作していた。


 捜査部奥のサイバー空間――

 通称『WHITE BASE』。

 パソコンとサーバーが囲む黒いスペース。


 白石は、ここに常駐どころか。

  『第二の自室』といっていいほど

 しょっちゅう寝泊まりしている。


 もっとも白石本人がホワイトベースと

 呼ぶのを聞いたことはなかったが。


 パツパツとキーを叩いて、

 ノートPCの画面を見せた。


「これです」


 クラブエージェントのカメラ映像だった。


 遺体発見現場の防犯カメラについては。

 廃倉庫となった時に撤去してしまって……

 と管理会社に言われてしまった。


 高桐はすぐ白石に命じ、エージェントの

 店内カメラ映像の回収に向かわせていた。

 昼間は寝ている店長を店に呼び戻し、

 無理やり提出させたものと思われる。


 エージェント退店後、遺体発見までの

 被害者の足取りが不明である以上。

 これが被害者を写す『最後の映像』

 ということになる。


「ここからですね」


 被害者の入店シーンを白石が見つけ。

 一緒に、超倍速で確認していった。


 さきほどの聞き取り調査のとおり。

 数人で飲み明かしていた被害者は、

 23時半に、ボックス席で1人になった。

 

 そして23時54分。

 フロアを横切って、画面右端に消えた。

 

「ここでトイレに行ったはずだ」


 高桐の言葉に、即座に反応して。

 白石がキータッチで映像を切りかえる。


 次の店内カメラは、通路を映していた。

 左側に男子トイレ入り口がある。

 

 画面下から現れた被害者は。

 奥へ行って、角を左へ折れた。

 その先が女子トイレだろう。

 5分ほどして、また奥から出てきた。


 ほかに出入りした客は映っておらず、

 被害者が行って帰っただけだった。


 高桐は白石を見た。


「どう思う?」


 画面を見つめて考えこんだまま、答える。

 

「ちょっと長いでしょうか」

「5分……か」


 口元に手を当て、映像を思い起こした。


 再び、フロアカメラをチェックする。

 トイレから出た秋葉美波は、

 席には戻らず、画面の上へ歩き去った。


 記録の時刻は午前0時3分。

 首尾よく、白石がブラインドタッチする。


「出入口カメラ、チェックします」

「そうだな」


 午前0時4分――。

 退店時の映像でも。

 やはり被害者1人しか映っていなかった。


 だが。

 

 見下ろすと、白石も高桐を見上げていた。


「聞き込み準備だな」


 もし現地で有力な目撃証言があったら、

 白石班の手を借りることになる。

 

「一応、車両用意します」


 さすが心得ている白石の返答に。

 

「頼む」


 白石の肩に軽く手を置いて。

 捜査部を後にした。


『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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