code02:vision03 エレベーター
――同4月19日 午前10時――
地下駐車場から本部に入る。
高桐班班長=倉橋が待機していた。
「警視」
「なんて?」
「あと10分で到着と連絡ありました」
「わかった。来たら案内、頼む」
「はい」
短く交わして、エレベーターに向かう。
到着した箱に、高桐に続いて乗り込んだ。
『3』を押した高桐が、壁にもたれる。
天井を仰ぐように、つぶやいた。
「なんか疲れたな……」
三朝は言葉を返せなかった。
高桐が体を起こす。
「ショックだったか」
三朝は、高桐を一瞬だけ見た。
現場で見た被害者の顔がよみがえる。
「目の当たりにすると……ちがいますね」
「わかるよ。迫るものがあるな」
「高桐さんでも?」
意外に思って、訊いてしまった。
高桐が薄く笑う。
「人を感情がないみたいに」
慌てて否定した。
「あ、じゃなくて……
どうしても慣れないなって、自分が」
薄い違和感の事は言わなかった。
音が鳴って、エレベーターが停止した。
高桐が外へ踏み出した。
「慣れるもんじゃない、現場で遺体を見るっていうのは。
顔には出なくなるけどな」
言いながら奥へ進んでいく。
少しだけその背中を見送って――。
あ、と気づいて後を追った。
聴取室の前に着く。
ファイルを抱えた制服警官が立っていた。
こちらを見つけて警礼する。
高桐は警官を見下ろした。
「10分で到着だ。たぶん長引くと思う。
立樹と倉橋で当たらせるから、録音も頼むな」
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