第86話
朝早く宿を出て、2日かけて次の街に向かったけどそこも変わらず宗教勧誘が激しく行商人なんか商売どころじゃ無くなっている。
元々こんな感じの国なら常に争いが起こっててもおかしくないので、話の出来そうな人に聞いてみた、まとめてみるとこんな感じ
首都に教義調整機関なるものがあってそこでは日々説法という名の口論が繰り広げられているとのこと。
法律によって他宗教を貶めるような論法での勧誘は行ってはならないので安易な宗教戦争は起こらないみたいだけど、投げ過ぎだろうこの国。
で結局のところこの国の運営は教義調整機関が行っているとかで、ある意味で議会制政治が成り立っている。便宜上の国王はいるが他国とのやり取りをするための外務大事的な役職だそうだ。そこが何故に戦争を?というのが今回の指名依頼の肝だ。
そのまま2週間かけて中央都市・リアンネまで来たけど、これまでの街や村とは全く雰囲気が違った。さながら野戦場である。道にはボロボロになった男共が転がっているし、何処の家も、店も扉を固く閉ざして全く機能していない。
「大丈夫ですか」
倒れているが比較的軽症そうな人に話を聞こうと思い、傷薬を取出して手当てをしつつ話しかける
「・・・・お、・・お前は、何処の派閥だ」
「旅をしてまして、ついさっきこの街に来たんですが」
「どこの派閥だ」
「そうですね、多分無信教ですかね」
「な、んだと。神を信仰しないなんて」
「俺は神を信じてないですよ、どちらかといえば精霊信仰のマイナーな部類ですから」
「精霊信仰か、すまない、手当てには感謝する。今すぐこの街、いやこの国を出るんだ、宗教戦争が始まってしまう。」
「どういうことです?」
「怒りの神が使徒を遣わされたのだ」
使徒は闘争君の事だろう、どうやらこの国の政治中枢は敵さんを神として扱っているみたいで面倒な事になりそうだ。
「もう、いくつもの教会や寺院が怒りの使徒により破壊され、様々な派閥、宗派の宗教団体が武装蜂起してこの街の中でお互いに殺し合いをしているんだ」
「で怒りの使徒でしたっけ、そいつは?」
「殺し合いが始まった場所へ駆けつけ周囲にいる者すべてを惨殺していくだけだ」
成程、闘争君はもしかしたら別の方向で芽が出てしまったんだろう、俺には無い物、外崎に植え付けられ、俺が排除したもの。
彼はきっと【憤怒】を開花させた。きっと俺の所為だ、逃げられたのは痛かったな魔術障壁とかも今度からはきちんとしておこう、闘争君に会う為に小競り合いをしえいる場所へ行こう、そうすればきっと戦うことになるけど彼を止めよう。とにかくこの街というか、この国の争いをどうにかする必要がある。
じゃないとナナレシオンはテスタロトの二の舞になってしまう。




