閑話2-2
石で出来た牢の中、戦い以外の時間を過ごす。こんな時間は初めてだ、目の前に現れた細い男を眠らせる為、俺は駆け出しそして囚われた。
あいつを眠らせる事が出来なければ俺には食事すらない、日の光も入らなかった部屋に奴は食事を持ってやってきた。それは今まで食べたことのない美味さだった、誰かを眠らせないでこんなに美味い物を食べれるとは思わなかった。その日はもう何も考えられずに寝た。今日も奴は飯を持って来た柔らかいパンに干し肉の入ったスープにいくつかの甘い木の実、奴は部屋の中に用を足すのにここを使えといって何やら作っていた。そして部屋の壁に小さな穴を開け日の光をいれた。
俺は食事を食べ再び眠た。
「ちょっと起きなさい、あんた」
知らないの声がする、しかも俺を呼んでいる。
「誰だ」
「誰でもいいでしょ、あんたもあいつに負けたの」
負けた?負けるとはなんだ?あいつというのは俺を穴に落とし食事を持って来てくれた奴だろう。
「何よ?このまま負けっぱなしで捕虜になるの?」
「負けるとはなんだ?」
「・・・は?負けるって、そりゃね、あの戦って殺されたりする側の事よ。殺した側は勝つっていう・・・・」
俺は負けた・・・俺は今まで勝ち続けてきたのか。だが負けた、あいつに負けた。
なんだ、この腹の中をグルグルと回る不快な物は負けて俺は美味い物を食ったしかし、美味い美味くない以前に何か物足りなかった。
・・・・そうか、負けたからか。まともに戦いすら出来ず、ここに入れられた。それは受け入れられない、断じて受け入れらない、ならば何をする。奴に勝てばいい、再び戦い勝てばいい。
「ちょっと、聞いてる?・・・様の処に行くわよ」
「何故だ、俺は奴と戦う」
「また負けるわよ」
「なに?」
「だから勝つ為に必要な事を教えて貰いに行くのよ」
こいつは何を言っている教えて貰うとはなんだ?そうか訓練か、また藁にナイフを刺すのだろうか、まぁいい奴に勝てれば。
早く戦いたい、戦えないことにイライラする。負けたことにイライラする。それを今まで知らなかった俺自身にイライラする。
俺の中で何かが弾けた。
「さっさと行くわよ」
目の前のやつが何やら呟くと見慣れた場所に居た。そう、闘技場だ。
「ほぉ、戻ったか」
「・・・様」
「負け犬が俺の前に顔をよく出せたな」
「俺は勝ちたい、負けた俺に価値はない、勝つ俺にしか価値がない」
「ならば怒れ、憤怒の如き怒りで自分の殻を割れ」
「・・・・・・怒り・・・」
なんと心地の良い言葉、怒りそれは今の俺を表すには相応しい。奴を倒そう、勝のだ。
戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って戦って
頭の中は再び戦う事で埋め尽くされていく。怒りによる闘争なんと甘美な
「そこの負け犬、名は」
「ナァマと申します」
「よく、こいつを連れてきた。褒美にその首を落としてやろうかと思ったが、そやつに快楽を教えてやれ」
「承知しました。」
今まで倒してきた奴らの姿が浮かぶ、奴を同じように眠らせてやる。
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