第82話
穴に落とした冒険者達、で俺は何をするかというと。
【フィル】
これは水を溜めるだけの魔術、ちょっと魔術の使える人なら誰でも使える。穴の中に水が湧きだして瞬く間に女性冒険者たちの腰位までの水位になった。
ただ、この水に関してはただの水ではない。
エレメンタルウェアでミルクを纏い水に聖属性を付与してある、そう所謂
『聖水』
聖水の効果で、姿形を魔術的に変化させていればそれが解除されるし、魔国の出身者には聖属性にアレルギーのようなモノを持っている連中が多く聖水を浴びると皮膚が荒れていくと聞いている。それに変身や幻覚といった魔術も解除できる。
「俺が指名手配ね、どこの誰が俺を指名手配なんてしたんだろうね」
「ちょっ!この水何」
「・・・・・・ぃ・・た」
「このまま私達溺死させられる?」
「やっぱり、こいつ」
「あぁ、先に言っておくけど。この水はお前らそこから引き上げるのに必要だから入れてるだけ、そのまま土を入れたらお前ら生き埋めだからな」
「い、生き埋め?!」
どうにも弓使いの女の様子がおかしい、こいつが仕掛けたのかね。
着々と水嵩はまして胸の辺りまで来ている、魔術師の子は装備のローブで急に胸の辺りを隠した。なるほどそう考えるか、だがな俺には外崎という首輪が嵌っているからどうにも出来ないんだけどね。
「さて、でどこの誰が俺を指名手配した?ナナレシオンでは俺の指名手配なんてかかって無い、テスタロトでもな、ランサイワか?レアリアか?」
「え?でも確かに手配書を」
「でもそこの弓使いってレアリアの奴だろ」
「そんなわけ・・・ねえリッドあんた」
肌の色が日焼けをしたように黒くなり綺麗な金髪は二次元キャラの様にピンクに変わっていった。本人は気付いていない、何故かってこんなに大量の聖水が用意できるわけがないと思っているから。特に何も考えずに落としたけど、物騒な事を言われたらそりゃね。
他の3人は特に変化はない。
「でその子がギルドで見た手配書のやつだみたいに言ったのかな?」
「あんた、本当に」
「な、何?どういうことよ」
「あの男が幻覚系の魔術を使った痕跡はないし、それなら私の装備でレジスト出来るんだよ。」
「な~んだ、バレたのか。全くどんだけの量の聖水を使ってるんだか」
そう、この世界で聖水はかなりの高額商品、教会で3か月近く光(聖)属性による浄化をかけてけて完成するもので、時間もコストもかかり過ぎるのだ。
でも、ミルクとディーネのおかげで一瞬で作れる
「まぁいいや、失敗は失敗だからね。私の肌ボロボロにしてくれたお返しはちゃんとするから!」
転移魔術を使われたらしく、冒険者の子達が何かをする前に消えた。逃がした以上ここでグダグダ考えてもしょうがない、意気消沈している子達を回収しようかと水嵩を一気に増す。
「ちょっ」
「あっぷ」
「泳げってこと?」
完全に穴を聖水で満たす頃には3人とも水から上がって俺に凄い勢いで文句を言ってきたけど、さすがに濡れたままいるのはどうかと思ったのか宿へ向かってしまった。
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