第70話
ラナリアの店で剣を回収して一度家に戻る。
外崎はまだ帰って来てないし、タリアさんは今日はギルドの同僚に捕まったまま呑みに行くらしく帰ってこない。
「ツカサ、おかえり」
「ただいま」
ルーには周りに人がいない時には『ツカサ』って呼ばれる。周りから見たらダメなんだけど、しょうがないかと許してしまう自分がいる。
正直、メイドとしての仕事を与えたことを正直後悔している、年齢的にはまだ全然子供で高校生の俺からすれば小学生位の年齢の子をこうやって働かせていることになる。この世界だと学校の行くか働くかみたいだから普通の事なのかもしれないけどやっぱり遊んだり学校に行って友達を作ってとか考えてしまう。
親か俺は?と思ったが妹が居たら・・・と考えたら有だ!
そう考えたら、色々有りな気がしてきたのでこの際暴挙に出てみよう!
「ルー、ちょっといいか」
「なに?」
「お前をメイド長から解任する」
「・・・えっ・・・・・・わた、わ、私・・」
一気に行き過ぎた!!!泣きそうに、ってか泣いてる!説明はしょり過ぎた
「あぁぁ、勘違いするな。これから説明と手続きをするが、お前を俺の家族にしようと思うんだけど」
「・・・・家族?」
「そう、俺の妹になってくれないか?」
「・・妹・・?妹って何?」
それから、家族とか妹とか今まで周囲に無かったであろう知識を教えていく。
向こうの世界でもこの世界でも天涯孤独(現在)な俺にキチンとした他人との繋がりを持つ覚悟が出来たのはルーと外崎の影響が大きいのだろう。
ボッチを卒業したいとか、将来孤独死は嫌だなとかそんなことを思ったわけではない。
「ただいま~・・・・・何ルーちゃん泣かしてるの?」
外崎さんやまた視線が冷たいですよ、そんなに冷たい視線を受けて喜ぶ性癖はしてないんで正直勘弁して下さい。
誤解を解く為に、ルーを戸籍上の妹にしようと思ってることや、間もなくギルドの依頼で長期間家を空ける事などを話した。
妹にって話をした瞬間、ルーが「嬉しくで~」って泣きながらいうので、涙の意味を理解した外崎からの視線の温度が大分上がった。
「そしたら、ルーちゃんは私の妹にもなるんだね」
っと、爆弾の火力を上げた気がしなくもないがもうそこは諦めよう、悟ればいい。
お姉ちゃんって呼んでとか言い始めててどうしたものかと思ったけど。とりあえずこの世界でのキチンとした家を持つ覚悟はした。そして簡単に死ねなくなった。
やる事は早い方がいいといって王城へ、衛兵さん達に止められたけどアポなしだけど重要案件で君らには話せない。とだけ伝えると俺のポストを知っている人はすんなり通してくれた。執務室にいるとのことでノックをして部屋に入ると書類仕事でだるそうにしている王様、顔を上げることは無い
「この辺の書類は片が付いている、持って行ってくれ」
文官が来たのだと思ったのだろう、普段からこんな感じなんだろう。書類の山と格闘するのはあの豚王子には無理そうだ。
「ナナレシオン王、少しお話が」
「ん?司殿!なんだ娘との婚姻を考え」
「その件ではないです。」
「最後まで言わせてくれてもいいだろうに、まぁいい、話を聞こう」
一応、ギルドからの指名依頼でランサイワの情勢を確認しに行くことを報告してこちらにも情報が無いかと聞いてみたけど、王の元に来た情報も冒険者ギルドからのもで変わりないものだった。
それから俺の本命のお願い、ルーの戸籍というか俺の妹に計画について話したらあっさりOKを貰った。その場で文官を呼んで、王様自らルーの後見人になってくれて公的にルーは俺の妹となった。
「カチュアやリィズの評価も高い、正直城のメイドになって貰いたいくらいだったんだが君の妹になった以上そんなことは頼めないな」
「何かしらの仕事にはつかせるつもりですが、今は王立の学校に通わせようかと思っています、あいつには色々足りてないですから」
「カチュアが勉強やら礼節やらは色々教えていたのでないかね」
「仕事以外で大勢の人と関わる事の出来る時間は短いですから」
「そうか、なら推薦状も用意しよう。サージも先月から通っている学校だ、やはり友を持つのはいいことだ。」
やめてください、友達居ない俺にそんな事を言われても!と心にダメージを負う事になった。俺が後悔している分ルーにはそんな思いをさせないで済むようにしよう。
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