第61話
ルーが改まったように出迎えの挨拶をしてくれて、そのまま屋敷の中へ案内された。最初に来た時よりも調度品とか家具とか色々増えているし、なんかメイドさんいっぱいいる。
研修所みたいに使うとも言ってたからそういう事なんだろう。
「ルー、カチュアさんかリィズさんって今日会えるか?」
「カチュア総メイド長は今日は王女様と外出です、リィズさんは夕方にはこちらの屋敷にいらっしゃる予定です」
敬語とか上手くなってる事にびっくりした。
リビングに通されたけど家主なはずなのに場違い感半端ないな。
メイドの子が入れてくれたお茶を飲んでいるが今部屋にいるのは俺とルーとスースだけだ。
「司、様」
「ルー、様はいらないかな。前みたいに司でいいよ」
「そういうわけにはいきません」
「じゃあ、俺と二人ないしは俺の認めた相手だけの時限定でいいから様は抜きにして」
「畏まりました」
なんか1か月も空けて無い筈なのに、急に大人びた言葉使いをされると違和感と寂しさが出てくる。
「じゃあ、司」
年位相応の顔をして名前を呼んでくれる、妹が居たらこんな感じなんだろうか・・・・なんとなく思った、そして抱き寄せ頭をなでる
「おかえり」
「ただいま」
「ねぇ、私どうすればいい?」
感慨深げに再会を噛み締めてたのに・・・・・・。空気を読まないというかなんというか、ちょっと頬を膨らませたルーの顔が可愛い。
「司、これ何?」
「こいつはオークプリンセスって特殊個体で」
「そう、オーク・・・・・・なら」
ルーの爪が一瞬にして伸びたかと思うと、スースの懐に入りその喉に向け鋭いナイフのような爪を突き出していた。
「私も貴女も、司から名を与えられた従者であること。それを忘れないように励みなさい、それが出来なければ、司を貶める獣としてあなたを狩らなければいけない。一切の妥協はしません、その無駄に強い生殖本能なんて司の邪魔にしかならない。
それを理解しなさい、そして2度とそれを前面に出すような振る舞いをするな」
母親をオーク共に嬲者にされたルーの気持ちを考えれば確かに理解は出来る、でも実際にやったオークは俺が殺した。突き出された腕には、形見の牙の着いた腕輪がある。
個人の感情が上回ったとしても俺の為になることを優先してくれた物言いに正直驚いた、つい最近まで人の言葉も流暢に喋れず、一族から追放されたボッチの人狼だったのに。
「司に巣を守る事を任された以上、期待以上の成果を上げる。それが私にできる最大の恩返しだから」
さて、外崎の事はどう説明したらいいものか・・・・。いっそマジで嫁ってことにしておけばルーは納得してくれそうだけど、スースが納得してくれるとは・・・。
「私は、あの人の、旦那様の強い遺伝子を残すのが使命なんですよ!」
「オークは上位種になってもオークしか産まない。人は埋めないし、産めたとしても酷い扱いしか受けない」
ルーの受けた仕打ちを考えれば確かに・・そう思うよね。
「でも!私は!」
「それ以上言うのであれば、司の立場を悪くする。スースといったね、お前を狩るのは出来ればしたくない、姉の言うことは聞け、妹」
名前を付けた順というのであれば妹なのか?
二人がまだ納得いかないのか若干の言い争いをしてる間にリィズさんが来ていたらしく、音も無くリビングに入って来てお茶を入れている。
それに気が付いたルーが完全に固まっている。
「司様、お邪魔しております。そしておかえりさないませ。」
カーテシーで礼をしてくれた。
「お早いお帰りでしたね、姫様もまだかかると言ってたのに」
「あぁ、それは・・・」
多少ぼかして話したけど、なんとなくで理解してもらった。研修に来ているメイドに夕食の用意をさせてくるというので退室して行った。
「あっルーさん、それとそこのあなた二人ともついて来てください」
ルーの耳が萎れて、尻尾もだらんとさせて部屋から出て行った、良く解らずにルーについていく。あれきっと説教食らうやつだな。
外崎の事話さないといけないからし、きっとお城まで報告に行かなきゃいけないんだろうなと思うとまだまだ、面倒事が山積みだった。
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気が付いたら1章と2章の境いを明確にし忘れている失態。もうちょい日常編を書いて、
またボッチ旅に出そうと思います。




