第36話
美人の悦に入った表情は怖いと誰かが言っていた。正直ドMならご褒美なんだろうけど俺はそんな上級者じゃない。SとかMも良く解らないけど、作り物染みた顔は吐き気がする。
「そうね、さすがに飼い主の事くらいは知りたいわよね。自己紹介だけはしておこうかしら、私はフルー・レティ。彼は」
「レティ!遊びはもういい。腹が減ってイライラが収まらねぇんだよ!!」
周りが騒がしい、まさか!
魔物が次々に倒れていく、みんながやってくれたみたいだ。
「君のゴーレム優秀ね、命令以上の行動が出来るのかしら?」
「いや、魔物を殺せって命令してあるから。探して殺すくらいはしてくれるさ」
「あっそ、十分優秀よ」
後方からの奇襲、しかもほぼ全方位からの広域範囲精霊魔法だ、上からミルク、下からシェーネの魔法で日時計周辺の魔物が一掃された。
サラは若干残っている魔物をトレインしているみたいだけどディーネやリールがそれも倒してくれているみたいだ。
「旗色が良くないかな」
「もうほとんど残ってないけど、どうする?」
「怒られちゃうかなぁ~」
グロースと呼ばれた男は転がっている魔物の死体を食べだしていた。
「ちょっとグロース」
「んだよ?」
「何食べてんのよ?」
この男やりたい放題だな・・・。
「見りゃわかるだろうが、飯だよ」
「はぁ~、引くわよ。」
魔物の死体から男を引き剥がしていく、なんてあっさりしてんのこいつら?
「君、次にあった時にはちゃんとペットにしてあげるからそれまで、他の奴に食べられたりしないようにね、ばいばーい」
「ちょ!てめぇ」
一瞬で目の前から消えやがった、なんだったんだあいつらは。あの女は完全にこっちの世界のやつ、で男の方は俺と同じで異世界召喚された奴で間違いなさそう。
グロースて呼ばれてたけど絶対に本名じゃないだろう。
この魔物の死体の山どうするか・・・・・・・。
で精霊の諸君なぜこの広場に次から次へと死体を運んでくるんだい?各家の窓から住人がちらほら顔を出してきたんであんまり刺激の強い絵面を並べるのはイカンと思うんですよ。
ゴーレム10体で次から次へと運ばれもうどうすればいいのさ燃やすにもこの数はさすがに無理がある。このまま放置すれば明日の昼位には腐臭がし始めて公害間違いなしだ、でも俺のマギアナだって結構消耗してる、この量を燃やしたりここに埋めるのはちょっとキツイ
まず、この街を治めてる人と会って面倒事を押し付けて赤ん坊を流通させている連中を潰そう。
「「「ヴォーーーーーーーーー」」」
魔物の叫び声!
何処から?なんか忘れてないか俺?
あっ!!!!!
オーク♀を落し穴に落としたままだ!
魔術で空けた落し穴まで行くと狭い穴の中でオーク同士がお互いを踏み台にしながらなんとか地上に上がって来ようとしてる、はっきり言おう醜い争いってこういうことを言うんだと。これは中で殺っちまおうと思ったんだが穴の中で殺し合いが始まっている。
まぁ勝手にやってくれる分にはいいか
精霊のみんなに頼んでチョイチョイ死体を穴の中に放り込んでいく殺し合いの合間に奴らは魔物の死体を食べている。
「死ねぇ!あの男は私がもらう!!」
「させるわけないでしょ、あの男の子供は私が産むのよ!」
何故普通に人の言葉を話す個体が出始めているんだ?オークって上級になったら確かに他の魔物を従えることはあるけどそれは♂の話だよな。
穴の中にいたオークは全部で7匹。でも今動いているのは3匹、見た目が変わり過ぎてて正直オークですと言われても理解が追いつかないと思う。
♂だと≪サージェント→ルテナン→コマンダー→ジェネラル≫
と上位化していく最上位種のキングとなるともう魔国の中枢にいるんだと思う。しかし上位化しても見た目は豚顔のままでガタイが良くなるだけ。
で♀の方は全く生態がわかっていない為上位化した際にどう呼称するのか決まって無い筈、魔物学者だったらその辺便宜上でも決めているんだろうけど、まさか人に似た見た目になっていくとは思わなかった。
穴の中を見ている間に死体運びは終わったのか精霊達が俺の後ろで一列に並んでいる。街の住人は誰も出てこない。
気が付けば穴の中では勝者が決まっていた。はっきり言おうこのオーク
めっちゃ可愛い、そしてめっちゃスタイルいい!
「そこの人間さん襲ったりしないのでここから出してくれません?」
「いや、さっきの会話聞いてたら無理」
「・・・・・ですよね・・・・・・。」
断ったら、転がっている死体を積み上げ始めた。
最初に殺された奴は太い豚顔のままなんで高さはかせげそう、これを積んだら出て来れるよね。出てきたら・・・・あまりいいイメージが浮かばない。
引き上げて交渉した方が安全な気がする。
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