第一章 一段落
こちらの作品は2023年に一度投稿させて頂いた物になります。
読みやすいように区切って再投稿しております。
拙い文章でしたので、手を加えております。
この一連を黙ってみていた店長の現哉さんが
「良かったわね~
これで本当に何も無くなると良いわね。
でも、今まで七星ちゃんに相談に来た人は皆解決しているから大丈夫よ。
中にはあの壁に飾ってある花束を贈ってくれる人も居るのよ~」
と現哉さんが指さす方向を見ると、お店の入り口に飾ってある大きな花瓶に大きな花束が沢山飾られていた。
「凄い花束ですね。
ちなみにその人達は、どんな悩みを相談されに来たとかはお伺いしても良いですか?」
と聞くと
「どうかしら~
七星ちゃん話しても良い?」
と七星さんに現哉さんが聞くと静かに頷いて、少し席を外しますと言ってテーブル席の客にお酒のお代わりは?と聞きに行ってしまった。
現哉さんはお喋りが好きなのか、少しワクワクしたような表情をして
「実はあの一番大きな花束をくれたのは主婦なのよ!
ある時多分誰かからの紹介なのか分からないけれども、夜の10時頃だったかしらいきなり来てね。
それこそもう限界だっていう状態でね~
他のお客さんもビックリするくらい切羽詰まった感じだったの。
お店に来て開口一番に大きな声で七星京采さんは何処に居ますか?て聞くもんだから、ビックリしたわ~
でも、丁度その日七星ちゃんはシフトがお休みでね~
さすがにそんな切羽詰まった人を、不在だからという理由でそのまま家に帰すわけには行かなかったから、すぐに七星ちゃんにLINEでメッセージ入れたら電話くれて。
席に座らず、店の端で私の携帯で七星ちゃんとその主婦は話していたんだけれど、暫くしたら話終えたのか主婦の人が私に携帯を返してくれてね~
まだ電話は切れてなくて通話中だったから解決したのか聞こうと思ったら、七星ちゃんがその人にメモで七星ちゃんの住所を書いて渡して欲しいとか言うもん。
だからこれは緊急なんだわと思って、急いでその人に七星ちゃんの住所をメモ用紙に書いて渡したの。
それから暫くしてその主婦が花束を持って、七星ちゃんにお礼を言いにまたお店に来てくれてね~
後から聞いた話だと主婦に悪霊かよく分からないけれども、結構良くないモノが取り憑いていたみたいで~
命の危険があるから七星ちゃんの家で、お姉さんと一緒にお祓いしたみたいよ。
凄く感謝していたのをワタシも仕事しながらだったけれど、聞こえていたわ~。
その主婦の人は今もうすっかり常連さんになってくれて~
この間来てくれた時に教えてくれたけれども、七星ちゃんよりもそのお姉さんの方が力は強いみたいなの!
そんなの凄く気になるじゃない?
だけどあの子恩あるこのワタシがどんなに頼んでも、そのお姉さんに会わせてくれなくて。
ずっと、疑問に思っていたけれども。
あんなに七星ちゃんがシスコンだとは思わなかったわ~。」
「そうなんですか。
お姉さんの方が霊媒師としてとても力がお強いんですね。
他にお姉さんについて、七星さんは仰っていませんでしたか?」
とメモをしながら聞くと、現哉さんは少し考えるような表情をして記憶の中を探っているのか暫く黙り込んだ後
「ん~何かしら~。
さっき、お姉さんについてアナタ達と一緒に聞いた話が、ほぼ初めてな気がしたけれども。確か、まだここで働き始めた頃。
ご家族の話を何気なく聞いた時に、お姉さんは家でする仕事をしていて、あまり家から出ないとは聞いたことあるかな~
それと家事はお姉さんと一緒にやるみたいでよく一緒に出かけていたり、買い物に行った話をよく聞くわよ!
ただ仲が良いんだな~と思っていたから今まで気にしてなかったけれども、よく考えればそういう日は七星ちゃんとてもキラキラしててご機嫌だった気がするわ~。」
と言う話を私はメモを取りながら聞く。
ここまで話を聞いて、霊媒師として強い力を持つお姉さんの事を詳しく調べたいと思った。
しかし、七星京采とそれなりに長く一緒に居ると思われる現哉さんでもお会いしたことが無いのであればお姉さんに接触を試みたり、また取材を申し込まれても佐々木がされたように拒否されるだろう。
そう考えると、お姉さんの力についての話を七星京采と並べて記事にするのは最高な内容になると思うが、それは果てしなく叶いそうに無いと感じる。
その後は現哉さんと大分お酒が回った実慎が世間話で盛り上がり、七星京采も他のお客さんと無表情のまま話をしたり、オーダーが入ったお酒を作ったりするのに忙しくしていてこれ以上は話を聞けるような状況では無くなってしまった。
私はこれ以上の仕事を諦め、メモ帳を鞄にしまうと現哉さんと実慎に混じって、お酒を飲みながら話に盛り上がった。
お酒を飲みながら、上司から指示された霊媒師について少しは記事の方向性が決まったのだ。
テーマを提供されてから一日でここまで進むことは珍しいくらいだ。
今回は掲載させて貰えるかも知れないと思うと、いつもより美味しく感じてお酒がどんどん進んで沢山飲んだ。
テーマを決めて文章を書くのは苦手で、大学の卒業論文では泣きながら書いたのを覚えています。
書きながら脱線しまくり、纏まらず苦戦する中で
「誰だよ。こんなテーマにした奴!」
と自分でゼミに入った頃から決めていたテーマなのに、怒鳴り散らしたくらいでした。




