第二章 霊媒師 七星柑奈として名前が広がる
こちらの作品は一度投稿させて頂いた物になります。
気軽に読んで頂けるように区切って再投稿しております。
私は近所の人達の中では少し有名になりつつあった。
何でも近所に住むよく私に話しかけてくれたお婆さんの煙を、祓ったことから噂が立ったらしい。
その日はいつものように学校から帰り途中。
私の家から数軒先の所にある一軒家に住んでいるお婆さんが、いつも庭に咲く花に水やりをしているのにその日は何故か居ない。
不思議に思って家を見ると排気口から煙が見えた。
そして匂いがしたのだ。
一瞬は火事かガス漏れかと思ったが、この匂いが普通の匂いでは無かった。
何とも言えない冷たく鼻に刺激する匂い、そして家の中から漏れる人影の気配がしたのだ。
なんだ?
と思いながらインターフォンを鳴らした。
すると旦那さんが出てきた。
「すみません、龍王寺 柑奈です。
いつもお婆さんにお世話になっていて。
いつもならこの時間にお会いするのにいらっしゃらないから。
何か遭ったのではと思って。」
と言うと
「少し待っててください。」
と言ってプツンと言う音がした。
暫くしてから旦那さんが玄関から出てくる。
「龍王寺さんの所の娘さんだね。
お帰りなさい。
実は家内が、朝から様子が変でね。
病院にも行ったんだが、原因が分からなくてね。
困っていたんだ。」
と困ったような溜め息をついて旦那さんは言うと
「家内に会っていくか?」
と言って家の中に案内してくれた。
家の中に入った瞬間。
身体に無数の縫い針が何本も頭から足の指先まで、一気に刺してくるような痛みがした。
その痛みに私は固まる。
そして家の中からは先程の何とも言えない人影を感じさせるような匂いがしてくる。
こんな匂いを嗅ぐのは生まれて初めてで、他の物に例えるのには難しかった。
私が玄関の入り口で固まっている姿に旦那さんは疑問に思い
「どうした?大丈夫か?」
と聞いてきた。
私は冷や汗をかきながら
「大丈夫です。」
と何とか動きにくくなった口を動かして答える。
一歩ずつ家の中に足を引きずるようにして入る。
玄関のドアが閉まり、旦那さんにお婆さんが居る部屋に案内された。
しかし、お婆さんの部屋に近づくにつれ無数の縫い針が私の身体を裂こうとし、更に匂いが強くなった。
人影から声に変わり鼻を通して脳に直接誰かが、いや複数の人間の声が重なって聞こえてきた。
何だこの感覚は・・・と思うが私には分からない。
ただ今すぐお婆さんの部屋に入らなくてはいけない事だけは分かる。
そしてお婆さんの部屋の前に立つと、扉の隙間から物凄い暗黒な悪意に満ち溢れた何かが漏れ出しているのが分かった。
この空間は危険だと察知し、旦那さんに
「私の背後に下がっていただけますか?」
と言って旦那さんを守るようにして、私はお婆さんの部屋の扉の前に立った。
私の尋常じゃ無い様子に旦那さんは心配そうに見守っていた。
私は制服のポケットから珠々を取り出し左手に巻き付けた後、部屋の扉をゆっくり開ける。
部屋の中は静かだった。
お婆さんは部屋の真ん中に布団を敷いて寝ていた。
しかし部屋の隅から隅までに黒い煙だけでは無く、人間のようなモノがお婆さんの布団の周りにも上にもお婆さんの顔を覗き込むような姿勢で何人も居たのだ。
私は珠々を咄嗟にあやとりをするようにし、ジャラジャラと鳴らしながらお経を唱えた。
するとお婆さんの周囲にも、布団の上にも居た人間の形をしたモノが一斉に私を見た。
そのモノ達には顔が無い。
ただ全身真っ黒に焦げたような皮膚をした人間の形をしたモノが、私をジッと静かに見る。まるでこれ以上入ってくるなと言わんばかりに私をジッと睨み付けてきた。
私はそんな感覚に恐怖を覚え、逃げて帰りたくなったが負けられないと思った。
正直ここで引き返せば私は助かるかもしれない。
ただお婆さんに何か恐ろしい事が起きる事は間違いないのだ。
負けるものかと思い、一層私は珠々を大きな音で鳴らしお経を唱える声が大きくなった。
そして唱えながら、今すぐ去れという強い念を飛ばす。
今すぐそのお婆さんから立ち去れとただそれだけを思ってお経を唱える。
お経が三周した時、部屋の煙が消えていった。
もう少しだと私は思い一歩部屋の中に足を踏み入れた。
するとお婆さんを中心に、私に何か圧力のような空気で出来た壁が何度も私の身体を打ち付けて来た。
私はその痛みと重みに耐えながらもお経を唱える事を止めなかった。
そしてお婆さんの周囲、布団の上に纏わり付く人のようなモノ達に
「今すぐその方から去りなさい。
そうでなければ今すぐお前らを消すぞ。」
と低い声で言うと。
その人のようなモノ達は少しずつ私から距離を取り始めた。
「さぁ、去れ。
今すぐに去れ。
甘く見るなよ。
お前らごときを簡単にひねり潰すこと等簡単なんだ。
それが嫌なら去れ。消すぞ。」
と言うと一人また一人とお婆さんの周りから消えていく。
私は最後の一人が去るまで珠々を鳴らしお経を唱え続けた。
そして最後の一人が去った後部屋の空気が一変した。
先程まで黒くて悪意が籠もった煙で充満していた部屋が明るくなり、また何とも言えない人影を思わせる匂いも消え、どこか神聖の場所に思えるような空間が出来上がった。
旦那さんはその一部始終を部屋の外で覗くようにして見ていた。
その姿が視界の端に入ったので
「もう大丈夫です。」
と微笑んで言うと、旦那さんはその場に腰を抜かして
「今のは何だったんだ?」
と言った。
するとその声に反応したのか、お婆さんが目を覚ました。
「はぁ~」
と溜め息をつく声がし、私はお婆さんの顔を見ると
「死ぬかと思ったわ・・・」
と話始めた。
どうも数日前から身体が鉛のように重く呼吸がしづらいだけでは無く、背中の皮を剥がされるようなそんな痛みがあったようだった。
午前中は動けていたので、旦那さんと一緒に病院に行けた。
だが、検査結果は何も異常が見つからないのできっと疲れているのだろうと思いそのまま帰宅したのだ。
しかし家に帰ってからは背中の痛みだけでは無く、上半身を何か巨大なスコップで抉られるような感覚がし始め、何度もその痛みに耐えていた。
訴えようにも身体は動かず、目も開かない。
声も出ないので1人でただ死ぬのかもしれないという恐怖心と戦っていたのだ。
しかし、私がお経を唱え始めた頃には、実はお婆さん意識があったのだ。
その私がお経を唱え始めてから、巨大なスコップの動きが鈍くなりやがて先程までの痛みが嘘のように消えたと話してきた。
私はその話を、お婆さんの手を取って撫でながら黙って聞いていた。
そんな光景を理解するのが難しいのか。
旦那さんは部屋の外で、ずっと腰を抜かしたままだった。
学生時代、何故かぶりっこと言われて女子達からよく虐めを受けていました。
今の私がそんな事を言われたら
「君は私を可愛いと思っているんだね♡」
なんて言い返せますが、当時の私は悪口を言われた!と大泣きし言い返せませんでした。
(虐めにあった話については他の作品にて書いております。)
女友達は少ない方だと思いますが、私をぶりっこなど可愛い子ぶっているだの思っている子は
現在の私の姿を見たらそんな事など口が裂けても言えないと思います。
昔飼っていた愛犬に対して、死んでも傍に居てね。
お前の魂は永遠に私の物だよ。とずっと耳元で言ったり・・・
旅行先では愛犬が履いていた靴下をジップロックに入れて、定期的に靴下の匂いを嗅いだり
今一緒に暮らしている猫たちに、「監禁の時間ですよ~」と言って一緒の部屋に居させたり・・・
可愛いとはかけ離れた性格をしている私によくそんな事が言えたもんだなと。
昔、放送された干物女とのだめカンタービレに出てくるのだめを足して悪2にしたのが私だと家族からは言われているので、ぶりっこと言って私を虐めて来た子達に本当にそう思うのか?と問いただしたいです。




