第二章 住職・最初の師匠との出会い
こちらの作品は一度投稿させて頂いた物になります。
気軽な気持ちで読んで貰えるように、区切って再投稿しております
私は何とか学校に着いて心ここにあらずの状態で授業を何とか受けて家に帰り、いつものように夕飯の買い出しに出かけた。
今朝見てしまった事を少しでも供養したかったからなのか・・・・
もう覚えていないが、ふと近くにある寺に急に行きたくなったのだ。
私は寺に行くと、住職さんが庭の掃除をしていた。
住職さんは私に気が付くと驚いた顔をして、小走りで私の方に走ってきた。
「あんた、大丈夫か?」
と声を掛けられ、私は何かが心の中の紐が切れたのか急にその場に座り込み大声をあげて泣いた。
何が悲しかったのか分からない。
サラリーマンが目の前で亡くなった事なのか。
それとも急にこんなモノが見えるようになって誰にも言えない事なのか。
分からないが溢れる涙は止まらず、ただただ地面を涙で濡らしていった。
私が泣き疲れて少しずつ落ち着きを取り戻すと、ずっと傍で背中を擦ってくれていた住職さんが
「あんた、これは辛かったね。」
と言ってきた。
私は呼吸が乱れて声がカスカスの状態にも関わらず
「分かるんですか?」
と聞いた。
住職さんは辛そうな私の心が手に取るように分かると言ったような顔で
「あんた、分かっちまう子なんだね。
よく一人で今まで耐えてきたね。」
と言った。
「今日・・・学校に行く時に、サラリーマンが電車に飛び込んだんです。
目の前で。
そのサラリーマンの背後に何か悪意が籠もった煙が見えていたのに、私何も出来なかった。」
と涙を流しながら今まで溜まっていた何かを吐き出すように話した。
私は見えていたのに何も出来なかった。
いや何もしなかったのだ。
もし私がその煙を消したり、サラリーマンを電車の線路近くから離れさせたり・・・
それが、出来ていれば彼は死なずにすんだのかもしれない。
私が彼を見殺しにした様なものだと思うと、心臓が握り潰されるような痛みが私の左胸に広がる。
次々と涙が出てきて嗚咽をする私の背中を黙って擦ってくれる住職さんが、私の様子をジッと見て
「貴女はこれからその悪意あるモノを祓う力が使えるようになる。
ただ貴女は優しすぎる。
今日のサラリーマンは貴女のせいでは無い。
貴女が苦しむ必要は無い。」
と言って私にもう大丈夫。と何度も声を掛けてくれた。
暫くすると完全に落ち着きを取り戻した私は、高校生にもなって子供のように泣きじゃくり、完全に他人である住職さんに迷惑を掛けただけでは無く。
仕事の邪魔をしてしまった事に気が付き、恥ずかしくなって何度も住職さんにペコペコと頭を下げて謝罪をした。
そんな私の何が面白かったのか、住職さんは声をあげて笑うと
「貴女が今日ここに足を運んだのもきっと運命でしょう。
そうだ少し待ちなさい。」
と言ってしゃがみ込んでいた私を立たせた。
少しその場に待つように言うと、住職さんは寺の中に入って行った。
何事かと思いながら手荷物からピンクのハンカチを出し、涙を拭っていると住職さんが寺から出てきて私の方に来た。
「これ。この珠々を貴方は常に持っていなさい。」
と緑色の珠々を私に渡して来た。
私は緑色の珠々を両手で受け取り、色んな角度からその珠々を見る。
珠々は、夕焼け空の光を反射させるようにキラキラと宝石のように水晶のように思えた。
「この緑の珠々は。」
「貴女の色は、緑色の自然の色が見える。
貴女の心は自然と共にある事で強くなり、精神を安定させることが出来る。
自然の風も自然の木々達も、皆貴女の強い味方になる。」
「自然・・・私はその力を扱って人を救う事が出来ますか?」
「もちろん。
私には分かる。
貴方の力はとても強い。
ここに訪れた人の中で、こんなに強い力を持った人を初めて見た。
ただ今は扱えないだけ・・・
いつか必ず力の使い方が分かり、その力は人の為になる。」
と言った。
私は珠々をもう一度見て住職さんにお礼を言うと、もうそろそろ帰りなさいと言われその場を後にした。
私はスーパーに行かなくてはいけない事を思いだし、珠々を制服のポケットに入れた。
最近問題になっているサイバー攻撃ですが、スマホもまともに使えない祖母が
「私もサイバー攻撃されるのかしら。」
と言っておりました。
きっとサイバー攻撃は宇宙から放たれる攻撃だと思っているようです。
毎日報道番組を観ながら何を理解しているのか。
不思議で仕方がありません。




