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二人の霊媒師  作者: 凛道桜嵐
第二章 霊媒師 七星柑奈 弟との出会い

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第二章 黒い煙

こちらの作品は一度投稿させて頂いた物になります。

気軽な気持ちで読んで頂けるように、区切って再投稿しております。

今ならあの時の男の子は、生きている人間では無かったと理解が出来る。

しかし、当時の私はその区別が出来ていなかった。

いや正直に言うと今も危うい。

その日から境に、私に対する悪意のあるモノと遭遇する事が多くなった。


最初は小さな事が多く階段から突き落とされる等が多くなったが特に、大きな怪我をする事は無かった。

しかし、学校でも知らないヒト達に声を掛けられる事が多くなった。

私は何度か友人達の前で、そのヒトと話している姿を目撃されては

「誰と話しているの?」

「どうして一人で、何も無い空間で話しているの?」

と聞かれ知らないヒト達とは、話し掛けられても無視をするようになった。


母に打ち明けたのは、高校生になってからである。

その頃にはもう人間の形をしたモノ、以外のモノも視え感じるようになっていた。

それこそ、すれ違う人の肩に乗っかるようにして人間の形をしたモノが居るのは勿論のこと。

人によっては黒の煙のような雲が身体のあちこちに巻き付き、その人の身体の一部を隠していた。

そんなある日いつものように電車で学校に向かう途中、私の斜め左前に居たサラリーマンが居た。

その人は電話で取り引き先なのか誰かと話していた。

しきりに電話の向こうの相手に謝罪をしているのか、電話を掛けながらペコペコと頭を下げる仕草に

(電話をしている時って、どうして目の前に誰も居ないのにお辞儀とかしちゃうんだろう・・・)

と思いながら、ボーとそのサラリーマンを見ていた。

するとそのサラリーマンの背中に何か黒い煙が見えた。

サラリーマンの後ろ姿を完全に覆うその黒い煙は、モクモクと蠢(うごめ)いていた。

何かの生き物のようにして動く煙に、サラリーマンは気が付かない。

私はよく町中で見る煙より悪意に満ちた煙に恐怖心で動けず、ジッとその後ろ姿を凝視していた。

電車が来るアナウンスが頭上で流れる。

私はそのアナウンスが、遠くから聞こえるように思えた。

私の身体は金縛りにでもなっているかのように、指先一つ動く事が出来ない。

そして右から電車が来る音が聞こえる。

プーと大きな音を立てて来る電車。

その電車が今私の目の前を通過しようとした瞬間、サラリーマンは背後から突き飛ばされたように勢いよく電話をしながら電車に飛び込んだ。

ガンという大きな衝撃音と共に電車の急ブレーキの音がする。

私は今目の前で起きた事が、まるで夢のように感じた。

何が起きたのか理解するまでに時間が掛かる。

近くに居た人々は悲鳴をあげる。

電車の先端が見える位置に居る人達が悲鳴をあげ、逃げる人も居れば中にはスマホで写真、動画を撮っている人も居る。

私はそんな光景を黙って見る事しか出来なかった。

暫くして駅員さんが止まった電車の先端を見に次々と集まってきた。

ブルーシートを持って来て先端が見えないように、事故現場が見えないように隠す駅員さんが現れた。

暫く電車がストップすることを大きな声で、ホームに居る人間達に他の駅員は呼び掛ける。

私はそんな光景を黙ってみていた。

そこまで、指1本も動かす事が出来なかったのだ。

そして動けるようになった頃、あのサラリーマンの背後に蠢いていた煙がもう無いことに気が付いた。


黒い煙は私が視えるもので表現させて頂きました。

人によっては違う見え方をすると思いますが、私が黒い煙を初めて視たのは実の父に久しぶりに会った時でした。

父はまだ生きていると聞いておりますが、久しく会った際に父の足元から顔にかけて黒い煙が見えました。

そういうのが見えるというは言いませんでした。

しかし父から、最近周りの人間がどんどん死んでいくんだ。

怖くて、お祓いしに行っているけれど効果が・・・と言っておりました。

どんなお祓いをしているのか分かりませんでしたが、アレを祓うのは無理だろうなとは思ったのを覚えています。

今はどんな生活をしているのかも分かりませんが、まともな生活は出来てはいないと思います。

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