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二人の霊媒師  作者: 凛道桜嵐
第一章 霊媒師を探して

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20/21

第一章 終

こちらの作品は2023年に一度投稿させて頂いた物になります。

一度投稿させて頂きましたが、あまりにも長文でしたので区切って再投稿しております。

お祓いは無事に終わった。

あの後30分近く編実さんは海人さんを抱きしめて泣き続け、稔一朗さんも涙を流しながら2人を強く強く抱きしめた。

3人の家族愛に満ちた空気に包まれ、最初の頃の海人さんと編実さんから感じていた恐怖心が消えていたのが分かった。

もうこの3人は大丈夫だと私は確信した。

そして七星柑奈はその3人を見て慈愛に満ちた笑顔で見守り、少し取り戻しつつある私を含めて4人にお茶を飲むように言った。

3人は大声で泣いていたのが急に現実的に気持ちが戻ったのか、恥ずかしそうにしてお茶を飲み干した。

私もお茶を飲むと、とても心が一層に穏やかになった。

お茶は甘く砂糖でも入っているのではと思えるくらいに美味しく、私の喉と心を潤した。

そして私達は七星さんの家を後にすることにした。

玄関口で、3人に中くらいの大きさのジップロックに入った塩を弟の七星京采が渡す。

「3人共がこの1ヶ月の間、必ず人差し指くらいの量を口に含んでください。

そして海人さんは心霊スポットで持ち帰ったしまった物があれば、必ず探し近所の神社で構いませんのでお焚き上げをしてください。

その時に必ず3人が同席し心の中で構いません、謝罪と反省の言葉を呟いてください。

また物が無い場合・・・。

何かを壊してしまった場合は、塩を舐める時に毎回3人共が謝罪と反省の言葉を心の中で呟いてください。

大変かと思いますが、一ヶ月間は必ず守ってください。

またお母様がご購入されたお札に関しましては、神社にお焚き上げし頂くようにお願いします。

ゴミ箱に捨てても良いですが念の為に神社でお焚き上げして貰ってください。

ただその時他2人は、同席はしなくても大丈夫です。」

と3人に、七星京采は話す。

3人は何度も頷きながらその話を理解し覚えようと何度も繰り返し、3人で復唱しながら聞いていた。

私はそんな様子を聞きながら、片付けをしていた。

ボイスレコーダーの録音を止め、メモ帳と一緒に鞄にしまう。

そしてお茶の入っていたコップを机の上に置き、立とうとした時に七星柑奈が話しかけてきた。

「どうでしたか?記事に出来そうですか?」

と穏やかな表情で聞いてくる姿は、天使のような女神のように感じた。

「はい。

本日は無理を言ってしまいすみませんでした。

本当にありがとうございました。」

と言うと、パァと笑顔になって

「それは良かったです!」

と両手を胸辺りで手を合わせて、ピョンピョンとその場で軽くジャンプした。

「本当に良かったです!

実は緊張していたんです。

初めて取材を受けたので、大丈夫かしらと心配だったので。」

と八の字に眉毛を動かしながら言う姿は、とても愛らしく感じた。

「いえ。

本当に取材を全てお断りしているという話を伺っていたものでしたからご迷惑になっていないか。

またお祓いの際に邪魔にならないかと私も心配でしたが、大丈夫だったでしょうか?」

と聞くと意外だという顔で

「取材をお断りしていたのは、私みたいな霊媒師に対して疑念を抱く方達が多く。

中には偽物では無いのかとか本物の証明を見せて欲しいと仰る方もいらっしゃったので、基本はお断りしていたんです。

本物の証明など出来はしません。

本物かどうかなんて、私でも分からないのですから。」

「そうなんですか?」

「えぇ。

今私達が居るこの世界が、夢か現実なのかを証明して欲しいと言われても困りませんか?私が見るこの世界は、私にとって本物であって現実なのです。

それを証明しろと言われたら、難しくないですか?

私の力は見えるモノではないので・・・」

とフフフと笑いながら話す言葉に、確かにと思いながら頷くと

「でしょう?

でも取材を求めてくる方達は、その力を目の前でホンモノであると証明しろと仰るので対応が難しいのです。

でも貴女は弟から話を伺った中で、そんな事を聞いてくる方では無い事も。

またご友人が困っている際に、手を差し伸べることが出来るという様子を伺い、この方なら他の方と違ってきっとそんな事を仰らないと思い、今回初めて取材を受けることにしたのです。

きっと良い記事を書いてくださると思って。」

「そんな。

私なんてまだまだ試行錯誤しながらの、一人前の記者とは言えない人間です。

でも今回見てきたことを必ず良い記事に致します。

それは必ず約束します。

何度も書き直して、掲載して貰えるように頑張ります。」

と七星柑奈の目を見ながら、心の中で強く期待に応えたいという気持ちを込めて言うと鈴の音の様に笑いながら

「それでは雑誌楽しみにしてますね!

身体には気をつけてしっかり睡眠を取ることを忘れずに。

また何かありました際には、いつでも連絡をください。」

と七星柑奈は笑顔で言った。

私はそんな七星柑奈の言葉に勇気を貰い、必ず記事にしてみせると心に決めて気合いを入れ直した。

稔一朗家族と共に七星さんの家を出ると、来た時よりも気持ちが軽く。

また庭に生えている大きな木の青々とした葉が風に吹かれているのを見ては。太陽の光さえもいつもよりも輝いて見えた。

私は七星さんご姉弟に挨拶をして、稔一朗さんご家族にも挨拶をして私は駅に向かうバスに乗った。


私は昔から「天然」と言われる事が多いです。

正直、その言葉は人を馬鹿にしているようにしか思えないので言われるのが本気で嫌いで「天然」と言われないように必死に努力しました。


ただ今でもそれが嬉しいと思っている方がいるのか分かりませんが、私が大学生の頃「天然」という言葉は褒め言葉だった時期があり自分の事を「天然ってよく言われてて~」など男の前で言う女性が多くいました。

大学で知り合った子が、そのような発言をよくしていたので私と同じ人から馬鹿にされるタイプできっと苦労してきたのだと思い仲間意識を持って男がいない場面で

「天然って言われるの結構傷つくよね。こっちは真剣なのにね。」

と言ったら

「は?天然なんて計算に決まってんでしょ?か弱いと思わせる勉強した方が良いよ」

といつもより低い声で言われたときは女性が怖くなり、暫く人間不信になりました。

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