第一章 母 編実
こちらの作品は2023年に一度投稿させて頂いた物になります。
一度投稿した際に、あまりにも長文でしたので気軽に読んで貰えるようにと思い区切って再投稿しております
「編実さんは海人さんの気に当てられてしまったというのと、海人さんを救いたいという気持ちで自分を見失ってしまっています。
でも海人さんとは違って、編実さんのお祓いは簡単ですのですぐに終わりますよ。」
と稔一朗さんと海人さんに柔やかに言うと、稔一朗さんと海人さんはそれぞれお願いしますと頭を下げた。
七星柑奈は編実さんの顔を覗き込む。
しかし天井を見上げている編実さんの視界には入らないのか、七星柑奈は必死に編実さんの視界に入るように動き回る。
そしてやっと視界に入ったのか笑顔で
「初めまして、編実さん。
息子さんの海人さんに取り憑いていた霊はもう居なくなりましたよ。
今までとても心配でしたね。
海人さんが壊れていくのでは無いかと心配で心配で仕方なかったでしょう。
とても心が押しつぶされる感情になっていましたね。
もう大丈夫です。
海人さんはしっかり戦い今は勝つことが出来ましたよ。
今度は、編実さんの番です。
そうです。もう大丈夫なのです。
編実さんが心配なさっていた海人さんはもう無事です。安心してください。」
と話しかける。
そして海人さんに
「お母様の背中に手を当てて、お母さんと呼んで頂けますか?」
と聞いた。
海人さんは力が上手くまだ入らないのか、身体を引きずって編実さんの背後に移動する。
そして七星柑奈の言っていた通りに、編実さんの背中に左手で手を当ててお母さんと何度も呼んだ。
すると編実さんの目からは大量の涙が溢れてきた。
その様子を見ながら七星柑奈は
「息子さんの、海人さんの声が聞こえますか?
そうです。
この声は貴方が必死に守ろうとしている息子さんの、海人さんの声です。
海人さんは今お母様の背中に触れて、一生懸命お母さんを呼んでいます。
耳を澄ましよく息子さんの声を聞いてください。
そして声がする方に来てください。もう道に迷うことはありません。」
と言い七星柑奈は、天井を見ながらボロボロと涙を流す編実さんの涙を指で拭いあげていた。
途中弟の七星京采が、ピンクのキャラクターが描かれたタオルを持ってきて七星柑奈に渡す。
そのタオルを小さく有り難うと言いながら受け取り、編実さんの涙を丁寧に優しく拭いてあげる。
編実さんは涙をどんどん流し、段々呼吸が荒くなったと思ったら声を上げて子供のように泣き始めた。
しゃっくりを上げながら大泣きする母に対し、戸惑いながらも背中を擦り母を呼ぶ海人さんの隣で涙を静かに流す稔一朗さんの姿が見える。
私もこの空気に飲み込まれ、母が子を思う気持ちが伝わってきて涙が止まらなくなっていた。
編実さんはどれだけ心配だったのだろうか。
楽しく学校に行っていた自分の息子が、いきなり学校に行かなくなっただけでは無く。
自傷行為をして苦しむ姿を24時間見守ることしか出来ない・・・
そんな、母親の気持ちを考えると涙が止まらなくなった。
メモ帳は私の涙で濡れて文字が滲んでいくが、私の涙は止まること無くただ流れていった。
暫く大声で泣いていた編実さんの声が小さくなり、編実さんの呼吸音がヒックヒックと聞こえるようになった。
落ち着いてきたのだろうか。
そう思っていると編実さんの頭を、七星柑奈は壊れ物を触れるような手つきで何度か撫でた。
「そう。今まで沢山我慢していた分を全て出してください。
もう大丈夫です。編実さんもとても大変でしたね。
よく頑張りました。とても強いお母さんです。もう大丈夫ですよ。」
と何度も頭を撫でる。
編実さんの頭が少しずつ下に下がりまだ呼吸は乱れているが、少しずつ七星柑奈と海人さんの声に反応するようになってきた。
「お母さん」
と掠れ声で呼ぶ海人さんの声に一生懸命探すようにして、編実さんは海人さんの姿を探す。
そして背後に海人さんが居ることに気が付くと、また涙を目にいっぱいに溜めて海人さんを力強く抱きしめた。
そしてまた大きな声で泣く。
その声は、安堵の声だった。
母の学生時代からの友人達との集まりで撮った写真を見せられた事があり
ある方の色というか印象があまりにも危ない感じがしたので、母に「この人に個人的に連絡を取った方が良い。この人の色が変だよ。」と伝えたことがありました。
何年か経過してから、その方から母に個人的に連絡があり分かった事はその頃精神的にかなり病んでいたという事と私生活でとても悩んでいたという事でした。
何故私があの時危険な色だと思ったかは正直覚えていないのですが、嫌なモノを視えないように封印して貰った際に霊媒師の方に聞いてみましたら霊感が強すぎるから感じやすいんだね~と言われました。
回答になっていないなと正直思いました。
ちなみに、私の纏っている色は緑だそうです。




