第一章 姉・七星柑奈
こちらの作品は2023年に一度投稿させて頂いた物になります。
一度に長い文章で投稿していたため、気軽な気持ちで読んで頂けていないのでは?のと読んでいて疲れてしまう作品かもしれないと思い区切って再投稿することにしました。
七星家の玄関に着くと、インターホンを押す前に女性が玄関のドアを開けて出てきた。
女性は私と変わらないくらいの年頃でメイクはバッチリだが七星さんと半分血が繋がっているだけに似ており、肌が七星京采よりも白く、目はクリッとした猫目に近い目をしている。
そして、鼻と口が小さく女優かモデルのようなスタイルで日本人女性の平均身長よりは背が高く、黄色のワンピースを身に纏いとても美しい。
髪の毛が焦げ茶色で見た目は、本当にエマ・ワトソンに似ているように思えた。
こんなお姉さんだったら、確かに七星京采が重度のシスコンになるのも分かる。
お姉さんは私達の姿を確認すると、目が優しく慈愛に満ち笑顔で
「よく来てくれましたね。」
と透き通った声で言った。
弟の七星京采とは真逆の態度に、佐々木に聞いていたお姉さんの印象が全く違う事に驚きの感情が隠せなかった。
動揺していると
「貴女は記者さんですよね?」
とコソッと小さな声で聞いてきた。
稔一朗さん達は、お姉さんの誘導で家の中に入ろうとしている。
そんな稔一朗さん達に対して、一番後ろで紙袋を持ち突っ立っている私にお姉さんは声を掛けてきた。
私は紙袋を慌ててお姉さんの前に突き出すようにし、腰を90度に曲げ大きな声で
「取材をお受けしてくださり、ありがとうございます!
本日はお世話になります。
あの、本日の取材料金とお姉様がお好きだと弟さんから伺っていた表参道にあるプリンです。」
と言うと、お姉さんは鈴が入った鞠がコロコロ地面の上を転がるような声で笑い
「まあ!あの有名なプリンね!
あのお店いつも行列でしょう。
とても長い時間を掛けてプリンを買って来てくださったのね。ありがとうございます。」
と紙袋を受け取った。
お姉さんの所作は美しく、プリンが入った袋を受け取る行動も凜としていて隙間が一切無いくらい美しかった。
バラを背後で舞い上がらせる弟よりも、もっと華やかさを持ち合わせる姉はこの世の人物とは思えない。
同性の私でさえもその美しさに見惚れてしまうくらいだ。
プリンを受け取ると、お姉さんは私の気持ちなど気づきもせず、家の中にどうぞと言って案内してくれた。
家の中に入ると暖かい感覚がした。
お日様に当たっているような、心臓の中にオレンジ色の何とも言えない暖かい光が入ってくるように感じた。
私は不思議な体験にオドオドしながら、稔一朗さん達が靴を脱ぎ揃えている姿を見て私も慌てて靴を脱ぎ、稔一朗さん達の靴に揃えるようにして家の中に入った。
家の中に入るとお姉さんがこちらです。と言って客間らしき部屋に案内してくれた。
畳の部屋で他の部屋とは違い、和風な部屋に仏壇が端に置いてある。
仏壇には二人のお祖母様だと思われる女性の写真が飾られていた。
そして部屋の真ん中には正方形の木で出来た机が置かれていて、お姉さんは稔一朗さん達家族の分の紫色をした座布団を横一列に並べ、私には少し離れた部屋の隅に座布団を敷いてくれた。
私はお姉さんが敷いてくれた座布団に正座すると、稔一朗さん達もそれぞれ座布団に座る。
息子さんは正座が出来ないのか足を投げ出すようにして座る。
息子さんの様子は車の中に居た時と比べて表情がかなり違う。
大人しく頭を下にブランと下げて、力無しのような姿勢だ。
お姉さんは私達が座布団に座っている間に部屋を出てキッチンに向かっていたのか、お盆にお茶を人数分持って戻ってきた。
私はお茶を畳の所に置かせて貰い、テープレコーダーはもちろんのことメモを取る準備をした。
お姉さんはお茶を配り終わると、机を挟んで稔一朗さん家族の正面に静かに正座した。
お盆はお姉さんの足下に静かに置かれ、お盆を下に置くその仕草一つも本当に素敵な女性だと思わされる。
お姉さんは一呼吸置いた後に慈愛に満ちた笑顔で、稔一朗さんに向かって話しかけた。
「本日は遠い所からおいでくださいましてありがとうございます。
私の名前は七星柑奈です。
弟の七星京采とは腹違いの姉弟です。
本日は弟の紹介にて、お話を含めお祓いをさせて頂けたらと思います。」
とゆっくり頭を下げる。
七星姉弟のモデルについては、幼い頃私が似ていると言われた方を選びました。
今まで一番似ていると言われたのはアバターです。
人間に似ていると言われたのは小学生まででした。
嬉しい話で、ハーフと間違われる事は今でも多々あります。
ただ、それは両親の遺伝だからだと思っております。
母はハーフ顔でよくロシア人形と呼ばれ、父は何故か南米の人間と間違われておりました。
(現地の人からも間違われ普通に話掛けられていたそうです。)
両親は非常に異性からモテていたそうですが、私にはそんな華やかな人生はありません。
よく話掛けられた時期は、アバターが公開された時で
出演料は幾ら貰えたのか?やどのシーンで出たのか?など言われておりました。
酷い話です。




