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二人の霊媒師  作者: 凛道桜嵐
第一章 霊媒師を探して

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第一章 二つ目の依頼

こちらの作品は2023年に一度投稿させて頂いた物になります。

一度投稿した際に、あまりにも長文で載せてしまった事で気軽な気持ちで読んで貰えていないのではないかと思い

一度投稿を削除し、投稿しなおしました。

勢いよく開いたBARのドアの所には、グレー色の上下のスーツを着た40代後半に近くの無精髭というか一応手入れをしているという風貌だという感じだ。

目の下にはクマが何ヶ月も眠れていないように濃くあり、頬に猫か何か尖った爪で引っかかれたような引っ掻き傷があるサラリーマンが立っていた。

店のお客も含め全員が、突然来たその男性に注目した。

しかしサラリーマンは皆の視線を気にすること無く、カウンターに居る七星京采を見つけると一目散に駆け寄る。

そして、カスカスの声をお腹から絞り出すように、強張った表情で今にも七星京采に縋り付くようにして両肩を掴むと

「どうか、妻と息子を助けてください。」

と言った。

七星京采はそんなサラリーマンの姿に驚きもせず、いつもの事だと言わんばかりに私達の席の隣の席に座らせた。

七星京采はキッチンから、冷たい水が入ったコップを目の前に出した。

私はサラリーマンが来たことで渡すタイミングを逃し、菓子折が入った袋をそっと足下の鞄の傍に置き直した。

***

勢いよくBARに入ってきた、サラリーマンの名前は実采稔一朗(みこと じんいちろう)。

歳は45歳。

新橋にある保険会社に現在も勤めている。

今回七星京采に会いに来たきっかけは、営業先の人との付き合いで飲みに行った時だった。

そこでたまたま七星京采の霊媒師の力を聞き、営業先の人にその人に会うにはどうしたら良いか聞いて藁にも縋る思いでこのBARに来たらしい。

内容は、息子さんと奥さんが半年前から様子が変だという事だった。

息子さんの年齢は高校1年生だ。

息子は念願だった第一志望の学校に無事合格し、まだ現実味が無いのか制服を着ては鏡の前で確認し、毎日その学校に通える事に喜びながら友人も出来て楽しそうに学校に通っていた。

だが、夏頃を過ぎた辺りの頃。

部活で知り合った友人達と幽霊スポットに行くと言い、その日帰ってきてから様子がおかしくなった。

あんなに楽しそうに行っていた学校も今はその日を境に不登校になり、自室から一切出てこなくなった。

お風呂や歯磨き、食事は自分達が居ない時間にしているらしく家の中を動く気配はするが、毎日深夜2時頃に決まって壁に頭を何度もぶつける音が家中に響く。

最初は妻と二人で息子の行動を止めていたが、一時期仕事が忙しくなり家族の事に目を向ける時間が減ってしまった。

気付いた頃には、今度は妻の行動に段々変になり毎日何処から貰ってきたのか、息子部屋の扉に沢山お札を貼ったりするようになった。

久しぶりに部屋の中に入り見ると、息子の部屋はかなり荒れていた。

ゴミが散乱しているという荒れ方では無く、何か鋭い爪を持った動物が部屋の中を暴れ回ったような教科書や部屋に飾っていた植物の鉢植えの切り口は、とても綺麗に切られまた散乱していた。

また部屋の壁には血文字で書いたのか、赤黒い色で十字架が壁一面に書かれていた。

妻は、最初の頃は息子が冷蔵庫を漁った時に食べる物があるように息子用に食事を作っていた。

しかし今は顔も見せず行動も変な息子に対して疲れたのか、ご飯は一応用意しているが食べられた物ではなかった。

焦げた物や味も砂糖と塩が間違えているとか、そういうレベルでは無いくらい味も臭いも変だった。

冷蔵庫を確認して気が付いた時は、折角作ってくれたその食べ物を勿体ないと・・・

妻には申し訳ないと思いつつも息子には食べさせられないと思い、ゴミ箱に捨てて新しくご飯を作っては、冷蔵庫に入れておくという日もあった。

ただ、妻の異変は料理だけでは無くなっていった。

近所の庭に咲いている花や公園の花を、黙って取って来ては息子の部屋の前に置くのだ。

近所の人達が、言いづらそうに会社から帰って来るのを外で待ち言いづらそうに教えてくれた事によって発覚したが、それまでは妻がそんな事をしていたのを全く気が付かなかった。

生活費が足りないのかと思い、お金を渡しお花を供えるのであれば花屋さんで買ってきたら良いと妻に何度も話した。

しかし、お金を余分に渡したお陰で今度は他所の庭の花は盗らず、花屋さんに行きはするものの、買えるだけ沢山花を買っては息子の部屋の前に無造作に置くようになった。

その花達はある程度廊下に溜まったら、稔一朗さんが捨てている。

ただ、特に折角買ってきた花が捨てられても奥さんは何も言うわけでは無く無言のまま。

そして、また花を買ってきては息子の部屋の前に供える。

そんな奇妙な行動を毎日取っているという話だった。


新作を書きながら、古い作品を手直しをする作業の日々が続いて居ます。

2023年という3年前に書いた作品でありますが、本当に自分の拙い文章に恥ずかしさを感じております。

まだまだ未熟な私でございますが、お付き合い頂けましたら嬉しいです。

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