乱入
試合開始から3分経過。
戦死者7名。残り13名。
『ここで早くも期待の新星、チーム閑花の蓮剛羽選手と、九十九学園学内ランキング三位の砂刀選手の一騎打ちだ!』
『遠距離からサポートできる仲間がいる分、砂刀選手が有利だね。これは蓮選手と砂刀選手の能力差よりも、味方のレベルで差が出そうだ』
液状の刀。
剛羽には砂刀の剣がそのように見えていた。
赤いオーラは柔軟さと硬さを両取りする得物となり、鞘から飛び出す。
そんな特殊な刀で居合い斬りを尋常じゃない速度で連発する砂刀と、それを双剣で器用に受け流す剛羽。
相見えた二人の戦士は無言のままに斬り結ぶ。
が、剛羽の異型は物質練成を得意とする青型に性質が近いため、瞬発力自慢の赤型使いである砂刀に、徐徐に追い詰められていった。
受け流すと一言で言えば簡単そうに聞こえるが、力を入れ過ぎれば腕をもっていかれるし、弱過ぎれば斬り伏せられてしまう。まさに薄氷の上を歩くような芸当だ。
(やっぱ押し負けるな……だった、らッ!!)
瞬間、捌きながらもじりじりと後退していた剛羽は、足元にある積み上げられた大木を切断して足場を崩した。
一瞬だが、またも地形が変わる。
仕掛けた側の剛羽は、崩落する木の幹を足場に砂刀に斬り掛かろうとする――が、それを阻止すべく、敵狙撃手による三方向からの援護阻撃。
投げ石、長銃、ランチャー砲。それぞれの《心力》の詰まった弾丸が、砂刀には当たらないコースに正確に飛んでくる――しかし、それ故にコースは限定され、読まれ易い!
「六倍削速(ディスクレスト=ゼクス)」
剛羽は放たれた《心力》の弾丸三発を《速度合成》で減速させ、アクロバットに身体を捻らせながら回避し、その勢いのままに手にした双剣を弾丸の飛んできたコースを逆に辿るように投げ付ける。
対して、狙撃手たちは思った。当たるわけがないと。
自分たちも撃ってからすぐに、移動するために動き出しているのだから。
「――三倍加速(クレスト=トリプル)」
だが、剛羽が回転しながら投げた双剣は途中で一気に加速する。空中に突如現れた円盤の形をした紋章を通過した瞬間、倍の速度以上で空を裂く。
手応えの代わりに小規模な爆発が二つ、大木の枝の上で起こった。
(っ、一人逃がしたか)
元々持っていた双剣二本は命中したようだが、二本を投げ終えた後に急造して投げた最後の一本はワンテンポ遅れた分かわされてしまった。
ともかく、これでチーム砂刀は残り三人。キャプテンの砂刀、スナイパー一人、球操手一人だ。
「蓮、お前の相手はこの俺だ!」
相手二人撃破の余韻に浸っている暇はなく、倒大木が無造作に積み上げられてできた木の檻のようなフィールドで、第二ラウンドが始まる。
と、そのとき。
【お兄ちゃん、3人来ます!】
「3人!?」
風歌の言葉に思わず声を出してしまった。
付近に他の選手はいなかったはず。
他のチームの選手が来るまでに、まだ時間はあると見ていたが。
「よぉよぉよぉ! いきなり派手にやってるじゃねえか、砂刀!」
一台のスポーツバイクを改造したようなものに乗った新たな刺客が、倒大木の檻の僅かな隙間を潜って乱入してきた。
各チーム獲得点数、途中経過
1位チーム閑花4点(内訳:敵選手4人撃破=1点×4)
1位チーム砂刀4点(内訳:敵選手4人撃破=1点×4)
3位チーム山伏1点(内訳:敵選手1人撃=1点×1)
4位チーム駿牙0点




