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砕球!!  作者: 河越横町
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顔合わせ&作戦会議


 九十九学園で四月と九月に開催される入部試験。

 受験者五人一組に分かれた後、各組に砕球部の一軍の選手がそれぞれ一人ずつ参加する。

 よって一組あたり、フィールドプレイヤー五人とオペレーター一人の計六人という構成になるわけだ。


 本来であれば、チームには工手スミス療手ヒーラーなどのポジションを務める選手もいるが、この試験はそういった選手たちのサポートなしの受験者の地力を見ることが目的である。因みに、工手や療手は別に試験がある。


「もう知ってるとは思いますが、これから皆さんには砕球の試合をやってもらいます。って、砕球部の試験なんだから当たり前だよね……あ、わたしは閑花和姫しずかかずき、高一です。試験官とか慣れてないんで、結構緊張してま~す」


 剛羽たちのチームに割り振られた砕球部の少女は、参った参ったと苦笑いを浮かべた。

 編み込んだ前髪と猫のような目が特徴の女の子。

 少し慌てているようだが、ここ四年毎年全国大会または予選決勝に進んでいるチームの一軍にいるだけあって、物腰は低いものの柔な感じは見受けられない。

 それぞれ簡単に自己紹介を済ませると、閑花は安心したように息を付いた。


「砕球部の助っ人はチームのキャプテン、ってことになってるけどさ、いや~ぶっちゃけた話、柄じゃないんだよね、そういうの」


「ふ、情けない。だったら、僕が代わってやろうか?」


「いやいや、ここはこの奥舟に清き一票を!」


「お、二人とも頼もしいね。達花くんと奥舟くんだよね? また同じチームだね、今回もよろしく!」


「この奥舟にお任せあれ。いやー、誠人くんに続いて閑花さんとも一緒のチームとは、今日はツイてるツイてる」


「僕は最悪の気分だ。閑花はともかく、キミと一緒のチームなんてな」


(おいおい、あんま調子乗んなよ《最弱》ぅ)(うるさい、気安く肩を組んでくるな)


 剛羽たちの存ぜぬところで罵倒し合う二人の少年。

 肩を組み合って仲が良さそうな風を演出しているところが巧妙だ。


「達花君、閑花ちゃんと知り合いなの?」


「僕は何回も試験受けてるからな。顔くらいは知っている」


「釣れないこと言うなよ~。此間の秋の試験でも同じチームだったじゃん」


「やめい、試験前だぞ!」


 誠人の横っ腹を肘で突いていた閑花は「ちぇっ」とつまらなそうに言った後、標的を剛羽に変更する。


「君が噂の編入生くんか。闘王から来たんでしょ? 何年いたの?」


「小四から六年間だ」


「六年!? すご!」「ふ……ろ、六年など大したことは……」「流石有名人っすわ!」


「そうなの?」


「ひ、耀ちゃん、本気で言ってる……? あの闘王で六年いるって天才だよ。顔よし、実力よし、彼女よし! 神は蓮くんに三物を与えたね」


「いや、彼女はいない。敢えて言うなら、砕球が彼女だな」


「で、出た砕球バカ……っていうか、耀ちゃんって蓮くんの彼女じゃないの? わたし、てっきりそうなのかと」


「どこをどう見ればそうなるんだよ」「そ、そういう関係ではないです!」


「うわ、息ぴったしじゃん。ひゅ~ひゅ~、熱いねお二人さん。じゃあ、わたしは風歌ちゃんもらおうかな! 風歌ちゃ~ん、お姉さんと語らおうじゃないか!」


「あわわわわ~」


 閑花は次なる獲物、風歌に食らい付いていく。


「せわしないやつだな」


「いいじゃない。明るい娘は好きよ」


「貴様ら、呑気に親交を深めてる場合か! 試験がそろそろ始まるんだぞ!? 早く作戦会議をするぞ!」


 癇癪を起し始めた誠人の声掛けによって、ようやく肝心な打ち合わせが始まる。

とはいえ、急造チーム故、打ち合わせといっても各々のポジションを確認程度のものだ。


 間もなく、各チームへ召集が掛かる。

 そして、全四十チームがそれぞれの戦場へと歩き出した。


閑花和姫しずか かずき

性別:女

誕生日:9月30日

年齢:15歳

身長:154cm

ポジション:守手・球操手

好きなもの:猫、少年漫画、近所のお婆ちゃん


作者コメント:この作品に登場するキャラクターの中で割と初期につくられた猫目系女子。話のテンポの都合?でカットされた体育の授業のサッカーの試合では、剛羽たちと同じチームでゴールキーパーを務め、自陣ゴール前から前線へ決勝点に繋がる正確なロングパスを披露しました。こういうキャラも好きです(好きが多い笑)

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